政治山ニュースまとめ
社説 <地方紙>
都知事辞任のニュースは、各地方紙でも高い関心を持って報道されました。ここでは、各地方紙が社説で何を語ったかを見ていきます。
◆石原新党 政策の道筋を語らねば◆北海道新聞
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任期を2年以上残していた。懸案がある中で職を投げ出すのは無責任ではないか。
新党といっても、当面は保守派の国会議員仲間と再合流する話だ。民主、自民両党に対抗する第三極を形成するのかは、はっきりしない。
石原氏は何を目指し、実現へどう道筋を描くのか明示すべきだ。中国では反日デモが広がり、中国の漁業監視船による領海侵犯も相次いでいる。石原氏は日中関係悪化の原因をつくった責任をどう考えているのか。ナショナリズムにナショナリズムで対抗しようとする動きであれば危ういと言わざるを得ない。
掲げた理念を実現するために何をしようとしているのか。そこが見えてこない。選挙で勢力拡大を目指すなら、具体的な政策の工程表を盛り込んだ公約を早急に示す必要があるだろう。
■石原新党 政策の道筋を語らねば■北海道新聞(2012年10月26日)
◆石原都知事辞職 新党の政策、明確に示せ◆秋田魁新報社
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今年4月に表明した都による尖閣諸島の購入計画が日中関係の悪化を招く発端となるなど、歯に衣(きぬ)着せぬ言動がしばしば物議を醸してきた石原氏である。都政を4期目の任期途中で投げ出すことに対しても評価は分かれよう。保守色が強い石原氏が新党でどのような国家観や政策を打ち出すのか、注視しなければならない。
都が提案した政策が官僚によって握りつぶされることが多々あったことも例示し、怒りや不満をあらわにするその姿からは、政治の閉塞(へいそく)状態を打破しようという気概がうかがえる。しかし「統治機構の抜本改革」と言うだけでは、具体的に何を目指すのかよく分からない。
全体像はまだよく見えないとはいえ、知名度の高い石原氏が代表を務める新党は次期衆院選に相応の影響を与えるのは間違いない。特に維新の会と連携して東西で第三極の勢力を形成する足掛かりを築けば、台風の目になるかもしれない。
今後の両者による政策協議の進展いかんによっては民主、自民両党ともに衆院解散・総選挙をめぐる戦術の再検討を迫られよう。
■社説:石原都知事辞職 新党の政策、明確に示せ■さきがけonTheWeb(2012年10月26日)
◆石原新党 政策本位の第三極に◆中日(東京)新聞
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石原慎太郎東京都知事が知事を辞職し、新党を結成して国政復帰を目指す意向を表明した。石原氏の参戦が乱立気味の第三極勢力にどんな影響を及ぼすか。あくまで政策本位の政治行動を望みたい。
石原氏は会見で霞が関の役所と官僚に対する不満をあからさまに語った。なぜ政府は発生主義、複式簿記の財務諸表を作らないのか。なぜ厚生労働省は東京都が独自に始めた認証保育所を認可しないのか。なぜ外務省は横田基地の日米共同使用に反対するのか。
■石原新党 政策本位の第三極に:社説・コラム■東京新聞(TOKYO Web)(2012年10月26日)
石原氏は都政を預かった十三年間「国の妨害に遭って苦しい思いをした」と吐露した。自民党政権時代に閣僚を務め、さらに都知事の経験も加わって霞が関の岩盤の厚さを痛感したに違いない。
同じ問題意識は橋下徹大阪市長率いる日本維新の会や渡辺喜美代表のみんなの党、河村たかし名古屋市長の減税日本など第三極勢力に共通している。そこから「第三極の連携がどうなるか」がこれからの大きな焦点になる。
◆石原新党表明 具体的政策を見極めたい◆岐阜新聞
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政治の閉塞(へいそく)状態打開を訴える危機感は理解できる。だが「統治機構を改革する」と言うだけでは、具体的に何を目指すのか、説明が不十分だ。維新の会との連携でも、肝心なのは政策の中身である。80歳の石原氏がどんなメンバーで新党を結成し、どのような政策を具体的に掲げるのかを見極めたい。
民主、自民の二大政党の政策には満足できない有権者の受け皿になろうという考えは理解できる。だが第三極狙いの各党の政策が一致するとは思えない。「統治機構の抜本改革」にとどまらない、具体的な政策の詰めが必要だ。
■社説「石原新党表明 具体的政策を見極めたい」■岐阜新聞(2012年10月26日)
◆石原新党 知名度より具体的な政策◆福井新聞
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会見で「日本を支配する、硬直した中央官僚の支配制度を変えないといけない」「憲法を改正する必要がある」「役人は現場を見ない」と厳しい口調で指摘し、統治機構を抜本改革する必要性を強調した。言葉の端々に「ばかげたことだ」を連発。歯に衣(きぬ)着せぬ「石原節」で物議を醸してきた政治家らしい。
今の政治や社会情勢に対するいらつきを隠さず、閉塞(へいそく)状態打開を訴える憂国の危機意識は共有できる。しかし「統治機構を改革する」と言うだけでは具体性がなく、不満を並べても改善策が見えてこない。新党は「石原色」を前面に出すと思われるが、衆院解散・総選挙の行方は視界不良だ。長期戦になれば色あせるリスクもある。腹を据えた「最後の挑戦」を注視したい。
■石原新党 知名度より具体的な政策■福井新聞(2012年10月26日)
◆石原新党 期待の前に政策聞こう◆京都新聞
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今月初めの共同通信世論調査をみると、一時より勢いは弱まったとはいえ維新の会への期待は50・6%に上る。人気が高い石原氏による新党を合わせ次期衆院選で旋風が吹けば、第三勢力を中心とした政界再編の可能性も出てこよう。
しかし、現段階では石原氏の発言にとどまっており、先走るのは控えたい。まず石原氏は新党の理念や国家像、政策を明確に示すべきだ。国民は一時の期待感に流されることなく、新党がめざす方向をしっかり見極める必要がある。
党代表に就く石原氏の思想が色濃い政党となるに違いない。それだけ石原氏の発言は注目されることになる。
国内外で日本の右傾化が指摘される中で、石原氏の言動は論議を呼ぼう。さらに会見中に中国が嫌う「支那」という言葉を繰り返し使った。無用な挑発と批判されても仕方あるまい。
■石原新党 期待の前に政策聞こう■京都新聞(2012年10月26日)
◆石原新党/第三極へ政策をどう示す◆神戸新聞
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民主、自民の二大政党に対抗する勢力の行方にどのような影響を及ぼすのか。焦点となるのは、橋下徹大阪市長率いる日本維新の会との連携だ。維新の会との選挙協力に向けて共通政策づくりを始めるみんなの党も含め、第三極をめぐる動きはより複雑になるだろう。
政策の一致がなければ、単なる選挙互助会だ。選挙目当ての連携がいかにもろいものか、有権者は民主党の現状を見て分かっている。
何よりまず、新党として具体的な政策を打ち出してもらわねばならない。その内容を見て、有権者は新党の価値を見極めるだろう。
■石原新党/第三極へ政策をどう示す■神戸新聞NEXT(2012年10月26日)
◆石原新党 「第三極」の結集なるか◆山陽新聞
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ただ、新党がこれから実現させようとする政策を十分に提示できているとはいえない。石原氏は会見で、硬直した官僚機構の打破や持論である新憲法制定を主張した。今後はより具体的に国民の前に明らかにすることが必要だ。
基本政策の相違点を置き去りにしたまま、既成政党に対抗するという旗印だけで連携するのでは国民の理解は得られまい。平沼氏は「今の政治を変えるとの共通項を前提に話し合う」と政策を詰めていく考えを示したが、第三極勢力の結集が実現するかどうかは未知数といえる。
政局優先で党利党略に走りがちな民主、自民両党をはじめ既成政党による政治が前に進まないことに国民の失望感は強まる一方である。地方政党や新党に関心が集まるのは、そうした政治不信の裏返しにほかならない。
■[社説]石原新党 「第三極」の結集なるか■山陽新聞ニュース(2012年10月27日)
◆「石原新党」結成へ 中央集権打破の道筋明らかに◆愛媛新聞
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衆院の過半数割れ目前の与党民主党は、今後の新党合流や政界再編に向けた離党の動きに警戒を強めざるを得まい。保守路線が共通する自民党にとってもやっかいな存在となろう。しかし、この二大政党に対抗しうる第三極勢力結集の軸になるとのもくろみが成就するかについては不透明と言わねばならない。
第三極勢力の結集に向けて主導権を握れるかは、重要政策で共通の旗が掲げられるかがカギとなる。だが、連携を探る「日本維新の会」との政策的な違いを埋めるのは容易でない。石原氏は「まず連携、連帯する」というが、脱原発を掲げる維新の会とは異なる原発容認の立場だ。
維新側は統治機構改革では目指す方向性が一致するものの、代表の橋下徹大阪市長は政策抜きの連携には慎重な構えだ。むしろ、石原新党を「民自公幕藩体制」の補完勢力と批判する「みんなの党」との距離を縮めている。民自への揺るぎない共通の対抗軸を示さなければ、第三極勢力結集の支持も得られまい。
■「石原新党」結成へ 中央集権打破の道筋明らかに■愛媛新聞社ONLINE(2012年10月27日)
◆石原新党結成へ まずは政策が知りたい◆徳島新聞
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石原氏の知名度は抜群だ。しかし次々と新党が誕生しており、新味に乏しく、政界再編の呼び水になるかは未知数である。
今年2月に共同通信が実施した世論調査では、橋下市長率いる「大阪維新の会」の国政進出への期待が61・2%に上ったのに対し、石原知事を党首に想定する新党への期待は25・6%にとどまっていた。厳しい船出となりそうだ。
■石原新党結成へ まずは政策が知りたい■徳島新聞社(2012年10月26日)
その維新の会の支持にも陰りがみえてきている。具体的な政策が国民に示されていないことが一因だろう。石原新党も早急に政策を打ち出す必要がある。
◆石原新党 第三極の起爆剤となるか◆西日本新聞
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抜群の知名度と歯に衣(きぬ)着せぬ言動で知られる石原都知事を新党の党首に担ぎ出し、民主党と自民党の二大政党以外の「第三極」として、新たな保守勢力の結集を目指す‐。そんな新党構想が紆余(うよ)曲折の末、実現する運びとなりそうだ。
石原氏はまた、都知事として都政を担った経験を踏まえ、硬直した官僚主導の国政のゆがみをとうとうと説いた。明治以来の官僚による中央集権体制を打破しなければならない‐とも力説した。
政権交代に託した国民の期待を裏切る形で失速する民主党と、政権奪還への期待が十分に広がらない古巣・自民党を一刀両断する「石原節」といえるだろう。消費税の地方税化や脱原発依存体制の構築などを掲げる維新の会と石原新党は基本政策で一致できるのか。政策合意を置き去りにした政党間の「連携」は「数合わせ」でしかない。その意味でも、石原新党は早急に基本政策を提示すべきだ。
80歳の石原氏の決断が閉塞(へいそく)感を強める政界にどこまでインパクトを与えるのか。歯切れの良い新党宣言の一方で、政策も陣容も定かでない現段階ではまだ、未知数と言わざるを得ない。
■石原新党 第三極の起爆剤となるか■西日本新聞(2012年10月26日)
◆石原新党 もっと丁寧な説明が必要◆熊本日日新聞
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石原氏による新党構想はこれまでも何度か浮上していた。石原氏は会見で憲法改正を目指す考えなどを示したが、任期途中での都知事辞職である。何を目指すのか、丁寧な説明が必要だ。
憲法改正は石原氏の持論である。日本の官僚制度の問題は指摘の通りでもあろう。歯に衣[きぬ]着せぬ“石原節”に一定の共感があることも事実だ。しかし石原氏がこれまで歩んで来た道を振り返って見れば、ややもすると独断専行のパフォーマンスに終わったことが多くはなかったか。
25日の会見は石原氏なりに政治家として退路を断ったということだろう。今後、外交、内政への具体的な政策を提示することが求められる。その是非を判断するのは有権者だ。
■石原新党 もっと丁寧な説明が必要■くまにちコム(2012年10月26日)
◆[石原新党]第三極で何ができるか◆南日本新聞
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政治の閉塞(へいそく)状況に対する危機感は理解できる。だが、統治機構を改革するというだけでは、具体的に何を目指すのか、説明が不十分だ。維新の会との連携による第三極づくりでも、肝心なのは政策の中身である。野合ではなく、政策本位で進めることが重要である。
石原氏は、昨年3月の東日本大震災では「天罰だと思う」と発言し、撤回するなど物議を醸す発言も多い。国会議員の任期途中で都知事にくら替えし、今また任期を2年半残して国政復帰を目指す政治姿勢も無責任との批判を免れない。初めて手にする党首の座を全うできるか注視する必要がある。
■[石原新党]第三極で何ができるか■南日本新聞(2012年10月27日)
◆石原都知事辞職 新党の具体的な政策説明を◆琉球新聞
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石原氏が新党を結成してどのような政策を掲げていくかの具体的な中身は見えてこない。「たちあがれ日本」に所属する5議員が参加し、同党は解党するようだが、それだけでは石原党首という表紙が変わっただけの「見せかけ新党」にしか映らない。
憲法改正を主張する橋下氏でさえ、石原氏の「憲法破棄を持ち出す」(2月)との考えには懐疑的だ。一方、原発全廃を打ち出す橋下氏に対して、石原氏は辞職会見で「ゼロにするなどというのは乱暴」と明確に否定しており、政策でも大きな違いを見せる。
こうした政策不一致のまま第三極として合流することがあるとすれば、国民には政権奪取が目的の迎合組織、議席増を果たすのが目的の選挙互助会的な集団にしか見えないだろう。
石原氏は今年4月、尖閣諸島を都として買い上げる計画を表明した。その結果、日本政府による尖閣国有化につながり、日中関係悪化を招いている。国交正常化40周年の節目に石原氏の言動でこうした事態を招いた責任は重い。日中・日韓関係を含めアジア外交をどう再構築するのか。
■石原都知事辞職 新党の具体的な政策説明を■琉球新報(2012年10月27日)
在日米軍基地が沖縄に集中している現状についても石原氏は「地理的な条件や歴史的な経緯等により沖縄に集中していることはやむを得ない」と発言している。基地過重負担の放置は到底容認できない。石原氏は考えを根本的に改めていただきたい。
◆[「石原新党」]期待よりも懸念が先行◆沖縄タイムス
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石原氏は記者会見で、橋下徹大阪市長が代表を務める「日本維新の会」と連携し、民主党、自民党に対抗する第三極を目指す考えを明らかにした。ただ、維新の会とは、重要政策で違いが目立ち、すんなり連携が実現するかどうかは未知数だ。橋下氏自身が「政策や価値観の一致がないと有権者にそっぽを向かれる」と語っている通りだ。
憲法破棄など国家主義的な政策も周辺諸国とあつれきを生みかねない危うさがつきまとう。中国や韓国では「極右勢力の旗手を自認」する人物などと紹介され、早くも懸念の声が上がっている。
それにしても石原氏の会見にはユーモアがなく、攻撃的だ。聞く人に不快感を与える上から目線の言葉の乱発にはうんざりする。これで公党の代表が務まるだろうか。
■[「石原新党」]期待よりも懸念が先行■沖縄タイムス(2012年10月27日)
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