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政治山ニュースまとめ

閣議決定された社会保障と税の一体改革大綱まとめ


少子高齢化が進む日本社会。2020年には全人口に対して65歳以上の高齢者が占める割合が30%を超えると見込まれており、現状の制度を維持するならば、さらなる社会保障の充実と国民の負担増は避けて通ることはできません。今後、政府・与党はどんな方針で進めるのか、それを定めた社会保障と税の一体改革の大綱について、わかりやすいリンクをまとめました。 (2012/2/17 政治山)

一体改革大綱が閣議決定

「一体改革大綱が閣議決定」とは、社会保障と税の一体改革について、根本的な方針を政府が承認したということです。政府は1月6日に政府・与党で決定された一体改革の大綱素案をもとに、与野党間の協議を求めましたが、野党側は拒否。政府は、消費税増税の関連法案の作成に1カ月ほどかかることを考慮し、法案を3月末までに提出するというスケジュールを優先したため、17日の閣議決定となりました。与野党協議がなかったため、素案から変更なく決定されています。

  • 政府は17日朝の閣議で、社会保障と税の一体改革の大綱を決定した。大綱は、消費増税について「2014年4月に8%、2015年10月に10%」とすることを明記。さらに新たな年金制度についても、2013年の国会に法案を提出するとした素案の内容を踏襲した。
    今回の閣議決定を受けて、政府はあらためて野党との協議を呼びかけ、3月末までの法案提出を目指すことになる。

    政府が社会保障と税の一体改革大綱を閣議決定、法案提出へ調整続く| Reuters

一体改革大綱の内容

政府の発表や報道によると、社会保障と税の一体改革の内容は、以下に分けることができます。
(1)年金・医療・介護の充実、子ども・子育て支援、就労支援や雇用形態の多様化を目指す社会保障改革
(2)社会保障の安定財源の確保を目的として、使い道を社会保障費のみに限定した消費税増税を主とする税制抜本改革
(3)議員定数の削減、公務員総人件費削減など「自ら身を切る」政治・行政改革
(4)国民共通番号(マイナンバー)の導入
なお、大綱では(3)は「税制抜本改革」のなかに、(4)は別紙となっています。

  • 一体改革大綱のポイント
     1、消費税率(現行5%)を2014年4月に8%、15年10月に10%へ引き上げ
     1、経済状況などを勘案し、税率引き上げを停止できる「景気条項」を明記
     1、食料品などの軽減税率は見送り、単一税率を維持
     1、最低保障年金制度を導入
     1、幼保一元化を行う子ども・子育て新システムを創設
     1、被用者年金の一元化に関する法案を今国会に提出。物価スライド特例分は早急に解消
     1、衆院議員定数を80削減する法案や国家公務員の人件費を引き下げる法案について、早期に国会に提出

    時事ドットコム:一体改革大綱のポイント

税制抜本改革の要旨

  •  【消費税】2014年4月1日に8%、15年10月1日に10%へ税率を2段階で引き上げる。国の消費税収は社会保障目的税化する。

     【低所得者対策】食料品などの軽減税率は見送り、単一税率を維持する。代わりに、給付付き税額控除を15年度以降に導入する。その前は暫定的措置として、簡素な給付措置を実施する。

     【富裕層増税】高所得者に絞って一定の負担増を求める。所得税の最高税率を現行の40%から45%に引き上げ、課税所得5000万円超に15年分から適用する。相続税の基礎控除を縮小、最高税率を引き上げる。

     【政治・行政改革】議員定数削減や公務員総人件費削減など自ら身を切る改革を実施した上で、消費税引き上げを実施すべきだ。衆院議員定数を80削減する法案を早期に国会に提出し成立を図る。給与臨時特例法案と国家公務員制度関連法案の早期成立を図る。

    時事ドットコム:一体改革素案の要旨

社会保障改革の要旨

  •  【年金】消費税財源で基礎年金国庫負担2分の1を恒久化する。消費税引き上げ年度から、低所得者への基礎年金加算や、受給資格期間の短縮を実施。高所得者の年金給付は見直す。

     物価下落時に年金額を据え置いたため、本来より2.5%高い水準で支給している措置を12年10月から14年度までの3年間で解消する。短時間労働者については厚生年金や被用者保険の適用を拡大。共済年金制度を厚生年金制度に合わせる方向で被用者年金を一元化する。

     【子育て支援】保育の量的拡充や幼保一体化を行う子ども・子育て新システムを創設。法案成立後、13年度をめどに可能なものから段階的に実施する。

    時事ドットコム:一体改革素案の要旨

共通番号制度(マイナンバー)

  • 政府は国民に番号をつけることで、個人の所得や介護・医療などの社会保障の情報を一元管理しようとしている。法案が成立すれば、2014年秋から、日本に暮らす個人と企業に番号が割りふられる。15年1月からICチップ付きカードが配られる予定だ。
    政府は、国税庁や自治体がばらばらに管理している所得などの情報を一つにまとめ、社会保障を受ける人に、より正確な給付ができるとしている。

    朝日新聞デジタル:国民に番号「マイナンバー」法案閣議決定 国会に提出 - 政治

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