政治山ニュースまとめ
震災がれき問題まとめ
昨年の東日本大震災により発生した震災がれきの受け入れ問題。心情的には受け入れたいが、安全性はどう担保されるのか――。多くの自治体が今、国からの受け入れ要請をうけ、対応に苦慮しています。「政治山ニュースまとめ」では今回、「震災がれき」問題を取り上げ、容認や拒否、条件付き受け入れなど、自治体ごとに異なる対応やその理由をまとめました。
(2012/04/26 政治山)
受け入れ拒否の論理
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安全に処理することが可能な災害廃棄物については、受入れの用意がありますが、現在、国から示されている基準や指針では放射性物質に汚染された災害廃棄物の処理体制として、安全の確証が得られる状況にない
出典元:東日本大震災により生じた災害廃棄物の受入処理について:札幌市
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徳島県においては,放射能を帯びた震災がれきは,国の責任で,国において処理すべきであると政策提言しております。
徳島県としては、県民の安心・安全を何より重視しなければならないことから、一度、生活環境上に流出すれば、大きな影響のある放射性物質を含むがれきについて、十分な検討もなく受け入れることは難しいと考えております。
出典元:【環境整備課からの回答】/目安箱:徳島県
東電がれき焼却拒否など「その他の拒否」
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一部で高い濃度の放射性セシウムが検出されたこともあって、行き場を失った木くずは福島、栃木両県で計約2万5000トンに上る。業者は東電の火力発電所で燃料として使ってほしいと要請したが、東電は拒否。林野庁などは「風評被害をあおりかねない行為」として、近く東電に受け入れを要請する。
出典元:東電、福島の木くず拒否…積み上がり発火恐れも : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞):(2012年04月03日)
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焼却灰の処分を委託している県外2カ所の業者はともに、試験焼却や本焼却に踏み切った場合、その後に清掃センターから出る一般廃棄物の焼却灰まで受け入れない方針を打ち出しているという。
須藤市長は「被災地のことを考えると、がれきの広域処分に協力したいが、市民生活に大きな支障を出すわけにはいかない」と苦しい胸の内を明かした。
出典元:がれき灰、業者が拒否 富士宮市の試験焼却「凍結」:静岡新聞(2012年04月24日)
受け入れ賛成自治体の中の反対意見
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がれきは被災地復興の大きな妨げになる。全国が協力すべきだ
日本人皆が東北の痛みを分かち合うべき
協力はしたいが、安全という政府の言葉は信用できない
放射性物質を日本全体にばらまくようで怖い
出典元:|社会|がれき受け入れ賛成76% 兵庫県内アンケート:神戸新聞(2012年04月10日)
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私も、無条件で賛成はしたものの、国に対しての不信感は、漠然としてではあるが、払拭できない。
出典元:「震災がれき受け入れ」賛成したものの?:江口是彦/薩摩川内市議(2012年04月01日)
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1,995Bq/kgでも「国の基準である8,000Bq/kgを大きく下回っており」とありますが、原発事故前の基準は100Bq/kg以下です。そのような80倍の異常な基準のなかで焼却埋め立てを続けているのが現状であり、健康被害や経済的損失の発生につながる可能性があります。
バグフィルターの検証やαβ線核種を含めた周辺の汚染測定等、徹底した調査がすぐにでも必要なはずです。東北のがれき受け入れ決定はそれからではないでしょうか。
もし受け入れをするなら、まず処理施設をきちんと作ってからにして下さい。それと、漏出した場合の罰則規定を設け、きちんとした管理体制をはっきりと市民に示してください。現時点で安全性は確認出来ていないのですから。
出典元:東北のがれきの受け入れに向けて検討に入っています: 千葉市長:熊谷俊人の日記 -コメント欄より(2012年03月17日)
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「不安が消えることはない。被災地の復興を考え、『しかたねえべ』と思っている住民は多い。2年間無事に終わってほしいし、市や県にはしっかりと検査、公表してもらいたい」
出典元:がれき搬入開始 大仙市「淡々と受け入れる」 : 秋田 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞):(2012年04月24日)
政府の対応
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東日本大震災で発生したがれきを再利用し、青森県から千葉県までの東日本の太平洋側海岸線約140キロにわたり防災林を整備する方針を表明した。今年度中に50キロ分の事業に着手する。
震災と津波で出たコンクリート片や堆積(たいせき)物、瓦などのがれきを分別し、放射線量や有害物質の安全性が確認されたものを活用する。
出典元:野田首相:震災がれきで防災林整備 今年度中に着手:毎日jp(毎日新聞):(2012年04月23日)
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細野環境相が明らかにした受け入れ自治体は、宮城県分として、茨城県▽三重県▽福岡県(田川郡東部環境衛生施設組合)▽滋賀県(高島市、長浜市、米原市、湖北広域行政事務センター)▽京都府(舞鶴市、京丹波町、宮津市、福知山市)▽北九州市▽京都市▽神戸市。岩手県分としては、北海道▽新潟県(長岡市、三条市、柏崎市、新発田市)▽富山県(富山地区広域圏事務組合、高岡市、新川広域圏事務組合)▽石川県(金沢市、輪島市)▽千葉市▽新潟市。
出典元:震災がれき:受け入れ新たに9道府県 細野環境相伝える:毎日jp(毎日新聞)(2012年04月23日)
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岩手、宮城両県のがれきの推計量は、岩手が476万トン、宮城が1570万トン。それぞれ、年間の一般廃棄物量の約11年分と約19年分に当たる。環境省は県外処理について、岩手は60万トン、宮城は350万トンが必要としている。
出典元:東北のニュース/岩手・宮城がれき162万トン広域処理可能、環境相方針示す:河北新報(2012年04月24日)
解決口見えない自治体
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がれきの処理方法を検討した環境省の有識者会議は非公開。放射能を99・9%除去できるとした根拠も「放射性物質と関係ない一回の(廃棄物)学会論文だけ。これで日本中で焼却して大丈夫とするのは拡大解釈。科学ではない」と批判した。
出典元:東京新聞:「広域処理」本当に必要? がれきの勉強会 安全性問題、根拠法なし:神奈川(TOKYO Web)(2012年04月23日)
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福岡県が受け入れを検討しているのは焼却処理する可燃物のがれきであることが伝わっていないと同県議は指摘。
反対側はまず、国の検査やその基準をうのみにする県の姿勢に対して、危機感を抱いている。また、がれきの処理が利権となり、基準が歪められていくことを不安視する声もある。
双方の不安や不満を解消するためには、誤解を生じさせないための丁寧な説明が必要なのだが、いまだ現場レベルではその認識が欠けているようだ。
今、必要なのは、情報の共有化とそれに基づく認識によって議論が正しくなされることだ。
出典元:震災がれき受け入れ 賛成と反対、それぞれの理由:ネットアイビーニュース(2012年03月22日)
阪神・淡路大震災ではどうだったか
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【円滑に処理できた理由】大きな自前の処分場を有し,広域処分場(フェニックス)を有していたこと
出典元:阪神・淡路大震災における 神戸市の対応状況:神戸市
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