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「竹島問題」まとめ


韓国の李明博大統領が8月10日、日韓両国が領有権を主張する竹島に同国大統領として初めて上陸しました。この行動に対し日本国内で反発が強まる中、李大統領はその後も日本を挑発しているとも取られかねない発言を続けています。一方、日本でも竹島の領有権問題を国際司法裁判所で解決するべく、提訴の準備を進めるなど、大きな外交問題に発展してきました。すでに、経済や文化交流などへの影響が懸念され始めるなど、大きな問題となった今回の「竹島問題」をまとめました。(2012/8/17 政治山)

日韓の憂鬱「竹島問題」

ここではまず、そもそも「竹島問題とは何か?」をおさらいし、その後、今回の一連の動きをまとめました。李大統領が竹島に上陸し、日本がどう反応したかを再確認してください。(1/4ページ))

  • 現在の竹島は、我が国ではかつて「松島」と呼ばれていました。そして竹島の西北西約92キロメートル先にある鬱陵島が「竹島」や「磯竹島」と呼ばれていました。竹島や鬱陵島の名称については、ヨーロッパの探検家等による鬱陵島の測位の誤りにより一時的な混乱があったものの、我が国が「松島」と「竹島」の存在を古くから認知していたことは各種の地図や文献からも確認できます。

    鬱陵島に渡る船がかり及び魚採地として利用されており、我が国は、遅くとも江戸時代初期にあたる17世紀半ばには、竹島の領有権を確立していました。

    1951(昭和26)年9月に署名されたサンフランシスコ平和条約は、日本による朝鮮の独立承認を規定するとともに、日本が放棄すべき地域として「済州島、巨文島及び鬱陵島を含む朝鮮」と規定しました。この部分に関する米英両国による草案内容を承知した韓国は、米国に対し、日本が権利、権原及び請求権を放棄する地域の一つに竹島を加えるよう要望しました。これに対し米国は、かつて竹島は朝鮮の領土として扱われたことはなく、また朝鮮によって領有権の主張がなされたとは見られない旨回答し、韓国側の主張を明確に否定しました。このやりとりを踏まえれば、竹島は日本の領土であるということが肯定されていることは明らかです。

    1952(昭和27)年1月、李承晩韓国大統領は「海洋主権宣言」を行い、いわゆる「李承晩ライン」を国際法に反して一方的に設定して、そのライン内に竹島を取り込みました。

    この問題の平和的手段による解決を図るべく、1954(昭和29)年9月、口上書をもって竹島の領有権問題を国際司法裁判所に付託することを韓国側に提案しましたが、同年10月、韓国はこの提案を拒否しました。また、1962(昭和37)年3月の日韓外相会談の際にも、小坂善太郎外務大臣より崔徳新韓国外務部長官に対し、本件問題を国際司法裁判所に付託することを提案しましたが、韓国はこれを受け入れず、現在に至っています。

    ■竹島問題の概要■外務省

李大統領の竹島上陸、そして今

  • 韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は10日、日韓両国が領有権を主張する竹島(韓国名・独島〈トクト〉)に上陸した。

    大統領は「独島は私たちの領土であり、命をかけ守らねばならない」と強調。警備隊員らと握手し、「韓国領」と彫られた岩の横に立つなどした。

    一方、首相は会見で「竹島が歴史的にも国際法上も我が国固有の領土であるという我が国の立場と相いれず、到底受け入れられない」と批判。「大統領とは互いに未来志向の日韓関係をつくろうと努力してきたつもりだが、極めて遺憾だ」として、武藤大使の一時帰国を明らかにした。

    ■韓国大統領、竹島に上陸 野田首相「極めて遺憾」■朝日新聞デジタル(2012年8月10日)
  • 日本政府は抗議の意思を示すため、武藤正敏駐韓大使を日本に召還または一時帰国させるなどの措置を検討しており、ぎくしゃくする日韓関係が決定的な打撃を受けるのは避けられない情勢だ。

    李大統領の竹島訪問には、実効支配の誇示とともに、日本の植民地支配からの解放を祝う15日の「光復節」を前に大統領としてのリーダーシップを国民にアピールする狙いがあるとみられる。

    竹島を巡っては、日本で7月末に発表された12年版防衛白書が「日本固有の領土」と明記したことに韓国政府が抗議。一方、6月に発行された韓国外交白書にある竹島領有権主張について、日本政府は今月7日になって抗議した。外交白書に対する抗議は09年以来だった。

    ■竹島:韓国大統領が到着 日本は大使召還を検討■毎日jp(毎日新聞)(2012年8月10日)
  • 玄葉大臣から,本10日の李明博大統領の竹島訪問は、竹島が歴史的にも国際法上も我が国固有の領土であるという我が国の立場と相容れず到底受け入れられない、今回の李大統領の竹島訪問は日韓関係の大局的な観点から、難しい問題をマネージするとの考えに完全に逆行するものであり、何故、李大統領がこの時期にこのように訪問したのか全く理解できない、我が国政府として強く抗議する、今回の李大統領の訪問は我が国国民の韓国に対する国民感情と日韓関係に大きなマイナスの影響を及ぼすものである、今回、李大統領が竹島訪問を強行したため、武藤駐韓大使を一時帰国させることを決めた、国家元首である李大統領の今回の竹島訪問を受け、今後、我が方は相応の措置を執らざるを得なくなる旨述べました。

    ■外務省:日韓外相電話会談■外務省プレスリリース(2012年8月10日)
  • 国連の潘基文パンギムン事務総長は13日、ソウル市内で記者会見し、「国連事務総長は領土関連の問題については立場を表明しないことが慣例だ」とした上で、竹島を含む東アジアの領土問題について、「関連当事国間で対話で解決することを期待する」と述べた。

    潘氏はまた、「南シナ海の領土問題はもちろん、韓国民の関心事の問題についてもよく知っている」と語った。潘氏は韓国出身で外交通商相を務めた経験もある。

    ■竹島など領土問題、対話で解決を…国連事務総長■YOMIURI ONLINE(読売新聞)(2012年8月13日)

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