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政治山ニュースまとめ

2011年の辞職、失職に伴う市長選挙、町長選挙のまとめ


今年もたくさんの地方選挙がありました。住民の代表として選ばれる市長、町村長のなかには、指導力を発揮してくれる人がいる一方、ある事情で自発的に辞職をする人や住民の気持ちとかけ離れてリコール(解職請求)で失職してしまう人もいます。2011年、辞職、失職を理由として行われた首長選挙の概要とわかりやすいリンクをまとめました。 (2011/12/21 政治山)

選挙の理由が「辞職」の選挙

2月6日投票 名古屋市長選挙(愛知県)

河村たかし市長は、公約である「市民税10%減税」の是非を民意に問うとして辞職。市長選に加え、県知事選と名古屋市議会の解散請求の住民投票が同じ日に行われる「トリプル選挙」となりました。市長選は河村氏が全選挙区で圧倒的な強さを見せ、2位に445,487票の差をつけて再選。県知事選では河村氏とともに「中京都構想」を掲げる大村秀章氏が当選し、さらに市議会解散請求も成立して議会は解散します。3月13日に行われた同市議選では、河村氏が代表を務める「減税日本」が定数75のうち28議席を獲得、第1党となりました。

4月24日投票 三次市長選挙(広島県)

村井政也市長が、後援会役員らに洗剤などを贈ったとして公選法違反(寄付行為の禁止)容疑で書類送検。罰金100万円の略式命令を受けたことにより辞職しました。市長選には2人が立候補し、前副市長の増田和俊氏が元市長の吉岡広小路氏を制して初当選しました。

8月28日投票 早島町長選挙(岡山県)

県の施設譲渡問題で、リコール(解職請求)運動を起こされていた佐藤友彦町長が辞職。出直し町長選には佐藤氏も立候補しましたが、譲渡反対派が擁立した元倉敷市助役の中戸哲生氏が2000票近い差をつけて当選しました。

11月13日投票 大石田町長選挙(山形県)

阿部孝義町長は、町発注の公共工事指名競争入札をめぐり、業者に便宜を図った見返りに現金100万円を受け取った疑いで逮捕、起訴され阿部氏は辞職します。任期満了の町議選と同日に町長選が行われ、元町商工会長の庄司喜与太氏が元町議候補を破り初当選しました。

11月27日投票 大阪府知事選挙(大阪府)

橋下徹府知事は、「都構想」推進のため知事の職を辞して大阪市長選にくら替え出馬。府知事選には、橋下氏が率いる「大阪維新の会」幹事長で元府議の松井一郎氏を擁立しました。松井氏や倉田薫・元池田市長を含めた7人の争いとなり混戦が予想されましたが、結果は松井氏の圧勝に終わりました。

12月18日投票 小金井市長選(東京都)

今年4月に当選したばかりの佐藤和雄前市長ですが、周辺自治体などに委託していたごみ処理費用の増額を「無駄遣い」として選挙戦を戦ったことから反感を買い、周辺自治体が受け入れを拒否。市内のごみ処理が立ち行かなくなった責任を取って、佐藤氏は辞職しました。選挙には3人が立候補し、元市長の稲葉孝彦氏が返り咲きました。

12月25日投票 池田市長選挙(大阪府)

倉田薫市長が、「大阪都構想」を掲げた大阪維新の会幹事長・松井一郎氏の対抗馬として府知事選に鞍替え出馬。倉田氏は落選したため、最後までこの市長選への再出馬が取りざたされていましたが立候補はしませんでした。新人3人の争いは12月25日の投票日まで続きます。

12月25日投票 岩舟町長選挙(栃木県)無投票

岩舟町は2008年から4度の住民投票を行うなど、合併先を巡って1市5町の「栃木市合併派」と1市1町の「佐野市合併派」が対立を続けていました。2009年に行われた町長選挙で栃木市合併派を抑えて当選したのが佐野市合併派の茂呂幸司氏でした。岩舟町は、2012年8月の住民投票で栃木市との合併が決定し、佐野市との合併を進めた茂呂町長に対して、解職の是非を問う住民運動も予定されていましたが、その前に茂呂氏は責任を取って辞職をしました。20日の告示日には、栃木市合併派住民団体「岩舟町を考える会」副会長の市村隆氏のみが届け出をし、無投票での当選が決まりました。

選挙の理由が「失職」の選挙

1月16日投票 阿久根市長選挙(鹿児島県)

強引な市役所改革でワイドショーにも取り上げられた竹原信一市長でしたが、専決処分を繰り返し、議会を開かせないなどして県や総務省からも非難が集まり、住民投票では僅差ながら解職請求(リコール)が成立。竹原氏は失職しました。出直し市長選は、住民投票を指揮した西平良将氏が竹原氏を864票差で下して当選しました。

5月22日投票 白井市長選挙(千葉県)

横山久雅子市長は、北総線運賃値下げのための公金支出などをめぐり議会と対立、議会から不信任決議を受けます。横山氏は議員の任期満了を4月に控えていたことから議会の解散はせず、失職して出直し市長選で市民の信を問うことにしました。新しい市長には市職員の伊沢史夫氏が決まり、横山氏は3候補者中最下位という結果に終わりました。

11月20日投票 藤崎町長選挙(青森県)

「議会を軽視している」として小田桐智高町長への不信任決議が提出されると、小田桐氏は町議会を解散。改選後の新しい議会でも小田桐氏への不信任案が再可決し、地方自治法の規定により小田桐町長は失職となりました。出直し選挙では小田桐氏を含む3人が立候補しましたが、当選したのは元町議の平田博幸氏。小田桐氏は最下位で落選しました。

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