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「小沢氏離党!」まとめ (5/5ページ)
7月2日「小沢氏離党」に関する社説
昨日(7月2日)の小沢氏をはじめとする50人に上る民主党議員の離党届け提出を扱った各新聞社の社説を集めてみました。ここでは主に、小沢氏に言及した部分をピックアップしています。
◆朝日新聞 ―― 民主党分裂―公約を鍛え直す契機に◆
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小沢氏は、消費増税関連法案の撤回を要求していた。129時間に及ぶ国会審議と、自民、公明両党との修正協議の末、やっと衆院通過にこぎつけた法案である。無理難題というほかはない。野田首相と党執行部は離党届を受理するかたちではなく、除名処分を科してきっぱり決別するのが筋である。
「数」のうえで野田政権の基盤が弱まるのは間違いない。それでも、失うものばかりではない。政策でも政治手法でも、なにかといえば「小沢VS.反小沢」の対立できしむ。消費増税のような重要政策で結束できない。そんな民主党の「弱さ」を克服する一歩とするのだ。そのうえで、民自公の3党協力の枠組みを延長国会の懸案処理に活用する。協力すべきは協力し、政治を前に進める。「ねじれ国会」のもと、首相に残された道はそれしかない。
小沢氏は「政権交代の原点に立ち返る」ことを訴えている。消費増税なしに16.8兆円の新規財源を生み出すという公約を、自分たちなら実行できる、と言いたいのだろう。だが、鳩山政権の9カ月、小沢氏は幹事長として公約を実行すべき立場にあった。なのに、どこにどれだけの財源を生むムダがあるのか、小沢氏の口から具体的な提案をほとんど聞いたことがない。
■民主党分裂―公約を鍛え直す契機に■朝日新聞デジタル(2012年7月3日)
◆読売新聞 ―― 民主党分裂 限界に達した政権の内部矛盾◆
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小沢氏は、自らの新党について「政権交代の原点に立ち返り、国民が選択できる政治を構築する」と語った。「反消費増税」を掲げ、地域政党との協力を模索する構えだが、展望は開けていない。世論調査では、小沢新党に「期待しない」との回答が圧倒的に多い。大阪維新の会や石原慎太郎東京都知事は、連携を否定する。
50人の約3分の2が当選1回の衆参両院議員で、選挙基盤の弱い「小沢チルドレン」が主体だ。党内の路線闘争に敗れ、追い込まれた末の離党である。新党で次期国政選に臨む方が生き残れるのではないか、という計算もあろう。
民主党は2003年9月、次期衆院選に備え、政策協議も行わず、小沢氏率いる自由党と合併した。その後、小沢氏が選挙対策として労働組合や地方組織との関係を立て直し、09年の政権交代に大きな役割を果たしたのは確かだ。だが、小沢グループという「派閥」を抱えた代償も大きかった。小沢氏特有の独断専行的な政治手法は以前と変わらず、民主党内に「親小沢」対「反小沢」という不毛な対立軸が生まれた。小沢氏主導の政権公約が、財源の裏付けがなく、最近は批判を招くだけの「負の遺産」となっていたことも忘れてはなるまい。
■民主党分裂 限界に達した政権の内部矛盾■YOMIURI ONLINE(読売新聞)(2012年7月3日)
◆毎日新聞 ―― 民主党分裂 解党的出直しを求める◆
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野田内閣にとって大打撃となったがすでに亀裂は修復不能であり、当然の帰結だ。理念を置き去りにしたまま小沢元代表の力を借りて政権を獲得し、混乱を招いた民主党の責任は重い。野田佳彦首相は一体改革の3党合意に至った説明を国民に尽くし、党の理念と政策の再構築を早急に進めるべきだ。さもないと党の存在意義が問われよう。
とりわけ「脱小沢」の菅内閣が発足して非主流派に転じて以来、小沢元代表をめぐる内紛は政治のマイナス要因以外の何物でもなかった。今回の離党は増税問題が直接の引き金となったが、昨年の内閣不信任決議騒動と構図はほぼ同じだ。もともとの狙いである党内の主導権奪還の展望がなくなり、離党に追い込まれたというのが実態ではないか。
衆院で反対票を投じ造反した議員のうち約20人は離党に同調しなかった。離党届が出されたにもかかわらず、あとから否定する議員が2人も出たのはあまりにお粗末だ。小沢元代表のお膝元、岩手でも対応が分かれ、大震災からの復興を優先し離党を踏みとどまった議員もいる。「数は力」の手法の古さ、いびつさを露呈したと言える。
■社説:民主党分裂 解党的出直しを求める■毎日jp(毎日新聞)(2012年7月3日)
◆日本経済新聞 ―― 分裂を奇貨として首相は党を立て直せ◆
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小沢グループの山岡賢次衆院議員が輿石東幹事長に最初に提出した離党届には、衆院40人、参院12人の計52人が名を連ねていた。しかし名前が入っていた辻恵、階猛両氏は異を唱えて、民主党にとどまり、グループ内の混乱が表面化した。離党に同調しなかった造反議員はほかにもおり、元代表の求心力低下を印象づけた。
破綻した2009年のマニフェスト(政権公約)の順守を求めるだけで、具体的な財源捻出策を示さぬ元代表らの姿勢は無責任だ。元代表は「消費増税の先行反対」などを旗印にする考えを表明したが、どこまで説得力のある政策を提示できるだろうか。共同通信社の世論調査では小沢新党に「期待しない」との回答が79.6%に上った。選挙基盤が弱い若手議員が多いこともあって、新党の前途は極めて多難だ。
元代表らの離党で、政策をめぐる党内対立が和らぐ可能性が出てきた。小沢グループを中心に、消費増税と環太平洋経済連携協定(TPP)の反対派は重なるメンバーが多かった。首相はこの機を逃さず、TPP交渉参加に向けた調整を急いでほしい。参院では少数与党である状況を踏まえれば、自民、公明両党の協力を得られないと、消費増税法案の成立をはじめとする懸案処理は進まない。自民党などが求めた「元代表抜きの民主党」が実現する見通しになったことは、3党の連携を強化する好機でもある。
■分裂を奇貨として首相は党を立て直せ■日本経済新聞(2012年7月3日)
◆岩手日報 ―― 小沢氏が離党 「政策より政局」は困る◆
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2009年の総選挙で、選挙担当の党代表代行として民主党を政権の座に導いてから3年。「歴史的政権交代」を主導したとの自負は、あって当然だ。古希を迎え、政治家として集大成を考えていい時機であることも勘案すれば、今、党を離れる決断は「壊し屋」などと揶揄(やゆ)される筋合いのものではあるまい。
今回、達増知事をはじめ地元支持者らに自ら決意を伝え理解を求めるなど、寄って立つところを確かめるような行動には、数々の政変を主導した小沢氏にして相当の危機感をうかがわせる。時の最高権力者が「政治生命を懸ける」と言明する法案を否定するには、自らも相応の「血」を流さなければならないことを知らぬはずもない。
震災復興が本格化する段階で、たとえ増税の必要は理解しても、それが進展に水を差すのではないかとの懸念が被災地にはある。逆に小沢氏らが与党を割り、達増知事が同調することが県民生活に及ぼす影響も気になる。大阪発の政治の流れが勢いを増す中で、次期総選挙は09年に続く歴史的選挙となるだろう。「政策より政局」の様相が日に日に高まる現状を改め、各政党が政策で支持を競う国会に戻さない限り、与野党共倒れの予感を拭い去ることができない。
■小沢氏が離党 「政策より政局」は困る■岩手日報(2012年7月3日)
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