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政治山ニュースまとめ

消費税増税まとめ(2/3ページ)


報道各社の社説

ここでは、全国紙から地方紙までの新聞会社の社説をまとめてみました。消費税増税は致し方なしとの立場をとる社が多い中、いまだ議論が足りていないとする主張も見られます。各社の考えと立ち位置の微妙な違いを確認してください。

  • 野田首相が民主党の小沢一郎元代表と約1時間半会談し、消費増税への協力を要請した。だが、小沢氏は「大増税の前にやるべきことがある」と、今国会での法案成立に反対する姿勢を明確にした。

    「社会保障は世代間の公平を確保しなければならない。財政も厳しい。(消費増税は)待ったなし。ぜひご協力を」。会談で、首相が小沢氏に説いた危機意識は私たちも共有する。社会保障と税の一体改革という、国の将来像に直結するテーマである。「挙党一致」「党内融和」が可能なら、それに越したことはないと私たちも思う。

    民主党では、法案を採決すれば小沢氏が党を割りかねない、と継続審議や会期の大幅延長による採決先送り論も出ている。だが、それでは「決められない政治」が続くだけだ。会期末まであと3週間。審議を尽くし、与野党で一定の合意ができた法案は粛々と採決して成立させる必要がある。

    ■野田首相へ―自民との協調が優先だ:社説■朝日新聞デジタル
  • 双方の主張を吟味すれば、明らかに大義は野田首相にある。消費税率引き上げは昨秋以降、党代表選や一体改革関連法案の了承などの党内手続きをきちんと経ている。少子高齢化に伴って社会保障費が増大する中、増税先送りは財政を一段と悪化させよう。

    小沢氏は、「政権公約(マニフェスト)の原点を忘れるな」とも言う。だが、小沢氏が主導したマニフェストは、予算組み替えによる年16.8兆円の財源捻出など非現実的で、民主党政権に「負の遺産」を背負わせたのが実態だ。衆参ねじれ国会の下、野党の協力が不可欠な中で、あえて実現不可能な公約を持ち出すのは、「反対のための反対」である。

    自民党が社会保障制度改革基本法案の骨子をまとめるなど、一体改革をめぐる与野党協議の機運は徐々に高まってきている。この機を逃してはならない。

    ■野田・小沢会談 「もう一度」は時間の浪費だ : 社説・コラム■YOMIURI ONLINE(読売新聞)(2012年05月31日)
  • 増税法案は民主党で長時間議論した末に了承された。にもかかわらず決定後も公然と反対論が出ることを首相は事実上、黙認してきた。党内融和重視の輿石東幹事長の路線を尊重したためだろう。

    首相が融和にこだわるほど、今国会成立に政治生命を懸けるとの覚悟が本物か、野党は疑念を募らせる。法案の先送りを内心で望む多くの民主党議員は不毛な駆け引きが長引き、時間切れになることを期待しているはずだ。首相が尻込みしていてはそれこそ「乾坤一擲」が泣く。

    首相は昨年の代表選で「ノーサイド」と語り、内紛の終結を説いた。しかし、今や「キックオフ」も辞さぬ覚悟が必要だ。衆院で法案採決をするかどうかの局面が迫る中、無為に時間を費やすことは愚策である。

    ■元代表と平行線 首相、早く見切りを■毎日jp(毎日新聞)(2012年05月31日)
  • 消費増税の実現は待ったなしだ。その障害を取り除くため、与野党が妥協点を探る必要がある。問題は意味のある逆進性対策を設計できるかである。単なるばらまきに終わらないようにしなければならない。

    忘れられているように見えるのは社会保障改革のあり方と合わせた議論だ。所得再配分のあるべき姿を総合的に考えず、消費税負担をどう減らすかの議論に終わるなら根本的な問題解決にならない。

    社会保障の支出増を抑え、余裕のある高齢者には応分の負担を求める。これにより現役世代や将来世代の負担を和らげる。年金や医療、介護の見直しと連動する形で、真に支援を必要とする低所得者を対象に適正な安全網を築いていくべきだ。給付付き税額控除も就労支援や子育て支援など的を絞って設計すれば意味はある。

    ばらまきを排しつつ本当に困っている人や意欲のある人への支援は手厚くする。そうした改革像とセットで低所得者への対応のあり方を考えるべきではないか。

    ■低所得者対策は社会保障・税一体で議論を■日本経済新聞(2012年05月26日)
  • 社会保障の財源を、低所得層ほど負担が重い「逆進性」を持つ消費税でなぜ賄うのかも説明不足だ。初めに消費税増税ありきでは困る。行政のムダを徹底して省いて財源を生み出すことや、所得税や法人税、相続税など含め総合的に検討することも忘れてはならない。

    軽減税率が議論になるのは消費税の逆進性に配慮する必要があるためだ。消費税は年金生活者らにも重くのしかかる。首相は消費税を「一番公平な税」と言うが、社会保障財源としては疑問の声も根強い。軽減税率など条件論議に走らず、そもそも消費税に頼るべきかの議論が欠かせない。

    野田首相は一体改革法案がまだ説明不足だと認め「真摯(しんし)に議論し熟議の国会を実現していく」と述べた。野党だけでなく与党内にも異論が多い法案だ。採決を急がず徹底した論議を聴かせてほしい。

    ■一体改革法案 国民が納得いく議論を [社説]■北海道新聞(2012年05月18日)
  • 法案のゆくえは、国民の暮らしを大きく左右する。与野党は今国会での審議を、これからの社会保障の在り方を論議する共通の土台づくりと位置付け、正面から問題点を掘り下げてもらいたい。

    消費税問題は、持続可能な社会保障制度の在り方を見据えて議論しなければ、一時しのぎの財源の穴埋めに終わりかねない。

    消費税率では、自民党も「当面10%」を掲げている。政局含みの展開になれば、社会保障論議を棚上げにしたまま、消費税増税で民主、自民両党が妥協点を探る懸念が捨てきれない。

    ■消費税論議 社会保障 見据えてこそ■信濃毎日新聞[信毎web](2012年05月12日)
  • 小沢氏の主張にも耳を傾けるべき点はある。デフレの深刻な経済状況の下で増税に踏み切って良いのか。社会保障制度の改革も検討が不十分だ。低所得者ほど負担感が重くなる逆進性対策、増税分を価格に上乗せしにくい中小・零細企業対策など、検討を急ぐべき課題は少なくない。

    与野党の修正合意が成立すれば、小沢氏らが衆院採決で「造反」しても大勢に影響はない。それでも小沢氏らが納得できないと言うならば、離党するのが筋だ。民主党分裂という事態になるが、政党にとって大切なのは重要な基本政策の一致である。

    ■野田・小沢会談 - 社説■宮崎日日新聞 ‐miyanichi e press(2012年05月31日)
  • 野党の判断が法案成否を左右する「ねじれ国会」だからこそ野党もまた、その責任と使命を問い直される局面だと心得てほしい。

    とりわけ、野党第1党の自民党は責任重大だ。消費税率を10%へ引き上げる方針では民主党と一致している。国会論戦を通じ、野田政権が目指す一体改革案との共通点と相違点を、国民に分かりやすく提示すべきだ。

    もつれた糸は根気よく解きほぐしていくしかない。政治生命まで懸けると言うのなら、首相が法案審議の環境整備に万全を期すのは当然である。自民党も責任野党を掲げるのなら、注文と要望だけでは済まないと覚悟すべきだ。

    ■一体改革審議 野党の責任と使命も重い■西日本新聞(2012年05月22日)

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