女性議員の少なさに危機感も9割は政治家になりたいとは思わず―1万人女性意識調査 (2021/1/4 政治山)
わが国の女性の政治参加の遅れが指摘される中、日本財団は「女性と政治」をテーマに第2回目となる1万人女性意識調査を実施しました。
調査では、先進国の中で最も低い国会や都道府県議会の女性議員比率について、6割超が「少ない」「増える必要がある」と回答。19人中2人に留まる菅内閣の女性閣僚数に関しても、やはり6割超が「少ない」と答え、その9割以上が理想の閣僚数を「約半数から3割程度」としています。
女性の政界進出が進まない理由では「『政治は男のもの』」という世の中の価値観」などと並び、「女性政治家を育てる環境の未成熟」や「目指すべき女性リーダー像の不在」を指摘する声も目立っています。
女性の政界進出を加速させるため候補者や議席の一定割合を女性に割り当てるクオータ制の導入に関しては、3割超が「賛成」とする一方で、「数値目標化するのはおかしい」といった声も出ています。
今回の調査結果を受けて、日本財団の坂本織江氏は以下のように述べました。
「女性議員や閣僚が極端に少ないわが国の現状に対し6割以上が『少ない』『増やす必要がある』としたのは当然として、多くの国が採用しているクオータ制について半数以上が『わからない』と答えたのは、やや意外であり、わが国の議論が熟していない感じを受けた。
機会があれば政治家になりたいかの質問に対し、9割近くが『思わない』『あまり思わない』と答えたのはともかく、その理由として34%が『政治家という仕事に興味がない』、10%が『そもそも政治に興味がない』とした点に、低迷する政治の現状が反映されている気がした」
調査結果ポイント
- ▼衆参両院や都道府県議会の女性議員の比率の低さをどう思いますか
- 「少ない」62.2%
- 「男女の比率にこだわる必要はない」31.6%
- ▼菅内閣の閣僚構成は男性17、女性2。女性閣僚数をどう見ていますか
- 「少ない」63.4%
- 「男女の比率にこだわる必要はない」31.6%
- ▼女性の閣僚数はどの程度が理想ですか(回答者:「少ない」と答えた人)
- 「約半数」56.3%
- 「3割程度」39.8%
- ▼女性の政界進出が進まない原因は何だと思いますか(複数回答)
- 「議員活動と家庭生活の両立の難しさ」34.5%
- 「『政治は男のもの』という世の中の価値観34.0%
- 「女性政治家や女性政治家志望者を育てる環境の未成熟さ」32.7%
- ▼クオータ制やパリテの導入について、どう思いますか
- 「わからない」50.4%
- 「賛成」35.5%
- 「反対」14.1%
- ▼菅内閣が打ち出した不妊治療への保険適用拡大を評価しますか
- 「評価する」40.1%
- 「やや評価する」37.6%
- 「あまり評価できない」9.2%
- 「評価できない」3.9%
- ▼日本でも女性の政治家が増える必要があると思いますか
- 「思う」63.7%
- 「どちらでもいい」25.6%
- ▼機会があれば政治家になりたいと思いますか
- 「思わない」71.0%
- 「あまり思わない」16.6%
- 「やや思う」5.8%
- 「思う」2.0%
- ▼政治家になりたいと「思わない」「あまり思わない」の理由(複数回答)
- 「自分には向いていないと思う」56.8%
- 「政治家という職業に興味がない」34.0%
- 「自分の生活や家庭と両立できる自信がない」25.0%」
<第2回調査概要>
全国:18~69歳の女性
回答数:1万人(人口比率に合わせ5階層に分け集約)
調査期間:2020年11月6日~11月10日
調査手法:インターネット調査
*調査詳細版については、プロジェクトページでご覧いただけます。
<リリースに関するお問い合わせ先>
日本財団 広報チーム
〒107-8404 東京都港区赤坂 1-2-2 日本財団ビル
E-mail: pr@ps.nippon-foundation.or.jp
- 関連記事
- 「家族・夫婦 昔と今」1万人女性意識調査
- 「世帯に30万円給付」の発想に垣間見る女性活躍のリアル
- 女性議員のパートナーに聞く―松尾まよか日高市議
- 新聞を読む人は3人に1人、2年で大幅減少―18歳意識調査
- フードテックでフードロス解消、「新しい食」への理解進むか―18歳意識調査