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女性議員のパートナーに聞く―松尾まよか日高市議会議員 (2020/11/12 WOMAN-SHIFT

 台東区議会議員・本目さよさんの事務所でインターンをしている山口綾己です。今回は、日高市議会議員の松尾まよか議員(以下「まよかさん」)のパートナーにインタビューさせていただきました。まよかさんは、2019年に日高市議会議員に初当選(当時お子さん3歳)、現在も議員として活躍されています。4つのテーマに沿って松尾さんにお話をうかがいました。

【インタビューの4つのテーマ】

  1. 妻が議員になったときの心境や反応について
  2. 妻が議員になる前と後の仕事や日常生活の変化について
  3. 議員の夫になって良かったことや悩みについて
  4. 妻の議員としての活躍について
松尾さん

インタビューにこたえる松尾さん

妻の「やると決めたらやる」という性分はとめられない

Q.まよかさんが日高市議会議員に立候補・当選した時どう思われましたか?

A.選挙の半年ほど前から現職の女性市議に、議員にならないかとのお声がけをいただいていました。当初、本人はまるで出る気はなかったのですが、市内のある林地開発事業(山林へのメガソーラー建設)の計画がもちあがったことをきっかけに地方行政に関心を持ったようです。それで議会傍聴などをするにつれ、子育て世代の議員が一人もいないことに強い違和感を持ち、選挙が始まるギリギリの段階で立候補を決めました。

 僕自身もこの事業には反対でしたが、妻が立候補すると聞いたときは不安でした。議員になったら何が起きるのか、どれぐらい大変なのか、家族にどんな負担がかかるかというのは、まったく分かりませんでしたから。そのあたりはよくよく確認して説明するように妻には頼みました。ですが、最終的には妻の「やると決めたらやる」という性分を知っていたので、反対することはしませんでした。議員とか、男・女とかに関係なく、自分の家族が強くやりたいと願うことは応援してあげたい、止めて後悔させるようなことはしたくないと思いましたし、さらに社会貢献になるなら良いことだと思いました。

 いざ妻が議員になって大変だったこととしては、土日がないこと、公私の区別があまりないことです。曜日や時間に関わらず予定が入るし、電話がかかってくれば出る。時間を見つけてはPCに向かって何かやっている。公私の区別が曖昧だなと感じました。我が家は僕がフリーランスの仕事をしているので、家事や子育てはなるべくやるようにはしていますが、旦那さんが忙しいサラリーマンの方はどうしているのだろうとは思います。

Q.松尾さんご自身はまよかさんが議員になることを応援されていたとのことですが、親族や周りの方の反応はいかがでしたか?

A.妻側の両親は、まよからしい選択だと喜んでいました。僕の親は、僕への負担や子どもへの影響、そしてそもそも地盤がないのに票が入るのか、心配していたようです。

 我々は引っ越してまだ3年程度でしたから、地元の支持が得られるかは私も心配していたことです。皆さんそれまでのお付き合いなどから応援してきた方がいるでしょうから、我々が出ることで気まずい関係性になったら困るなとは思っていました。

 とはいえ、やはり出馬することはちゃんとご報告すべきと、地区の集まりの時に、皆さんにお話しました。どんな思いで、なぜ出るのか、本人の口からしゃべってもらったのです。そうしたら、その場で一番の長老格の方が、自分たちの近所から若い人が声を上げてくれたのはうれしい、みんなで応援しよう、と言ってくれたのです。とてもありがたいことでした。

子どもはパパっ子に。家事も育児もお互いが得意なことを

Q.松尾さんご自身は現在どのような仕事をされていますか?

A.フリーランスで企業向けのコンサルティングと空手道場の代表を務めております。

Q.まよかさんが議員になったことでお仕事に何か影響は出たりしましたか?

A.コンサルの仕事はお客さんから案件別で依頼が来るので、受注する量を若干調整するようにはしました。昔は僕の仕事を優先してもらうこともあったのですが、議員の仕事は妻ではコントロールできないものも多いので、今は僕の仕事が多くならないように気をつけています。

Q.家事や子育てに関する分担は行っていますか?

A.ゆるやかには決めています。妻が議員になる前からある程度僕もやっていたので、その割合が少し増えた程度です。朝食などは朝起きている方が作り、保育園に送っていくのは妻です。そのまま妻が仕事に出かけるようであれば、洗濯やある程度の掃除は僕がやっています。子どものお迎えも、行ける日は僕が行っています。夕食は妻がいればやってもらいます。片付けは半々くらいです。

 子どもの寝かしつけは僕の仕事ですが、僕は子どもが要求するままに絵本を何冊でも読んであげるので、すっかりパパっ子になっていると思います(笑)。

Q.家事の分担をする際に話し合いなどはしましたか?

A.時々調節はしています。男だから、女だから何をすべきというのではなく、お互いがやれること、得意なことを補い合えばよいという考えがまずあって、後は、お互いの繁閑に応じて随時調整しています。料理は妻が作る方がうまいので、妻がメインですね。

Q.まよかさんが議員になったことで気をつけるようになったことなどありますか?

A.車の運転は慎重にするようにしたり、とかは気をつけていますね。

Q.ご近所との関わり方に変化はありましたか?

A.妻が議員になった年に僕が自治会の役員になったこともあり、地域の行事等に関わるようになりました。妻も知り合いが一気に増え、何かと近所の方々によくしていただいているようです。

Q.まよかさんにとっての働きやすい環境はどんなものだと考えますか?

A.突然予定や電話が入るなど、自分個人の意思だけでは決められない時間の使い方が増えたため、最近はできるだけ僕が妻に合わせるようにしています。結局、融通の利きやすい方が合わせるというだけのことで、それは相手がサラリーマンなら主婦(主夫)側が実質的に合わせているはずですよね。議員だから特別ということではないと思いますし、今後、働き方の多様化が進めば、同じようなケースは増えるのではないでしょうか。

妻が議員でよかったことは・・・?

Q.まよかさんが議員になってよかったことはなんですか?

A.松尾家としても、議員の仕事を通じて、社会に貢献できる存在になれたということはありがたいと思っています。市議会議員というのは自治体の身近な人たちに対して直接貢献ができる存在であるので、妻がそんな仕事をできているのは自分自身も喜ばしいことだと思っています。

Q.一方で悪かったことは何ですか?

A.時間の使い方や家事の役割分担とかが難しくなったことです。しかし、それは仕方のないことだとも思っています。変化が激しくて、喧嘩がなかったわけではありませんが、議員になって1年半くらいがたち、妻も自分もようやくこの生活に慣れてきました。

Q.現在悩まれていることはありますか?

A.現在の自分のストレスの二大要因は家族との時間の使い方と、周りからの見られ方(車の運転の仕方など)です。それほど多くの人に、自分が議員の夫だと認識されてはいないのだろうけど、やはり気にしてしまいます。先日、仕事の関係で都内のホテルに一人で泊まったのですが、そのときすごくリラックスすることができて(笑)。普段実は緊張しているのだなと感じました。

Q.まよかさんが議員になってから、ご夫婦の会話に変化はありましたか?

A.妻から議会や政策についての相談をされることは多いです。相談されることは嫌じゃないし嬉しいことです。真面目に答えなければならないネタが増えたということですかね(笑)。

Q.喧嘩したときにはどのように仲直りしていますか?

A.喧嘩した時に心掛けていることは2つあります。

 1つ目は、自分の怒りの本当の原因は何かを探るようにすることです。例えば家事の分担で喧嘩になり、妻に怒っていると思っていても、本当の原因は自分の仕事のストレスなど、別のことにあるのかもしれません。もしくは、幼少期の家庭環境に根差す自分のトラウマ的なことが原因なのかしれません。腹が立っている時に、そういう自分の内面を探りにいくのは正直しんどい部分はありますが、それをやらないと対症療法的な対応に過ぎず、いつまでも同じような状況で喧嘩を繰り返すことになってしまうので。

 2つ目は、実際に何か改めようとなった時に、普段の行動の何をどのように直すのか、具体的に決めるようにすることです。なんとなくこうするように努力しようね、ではなく、日々の生活の行動に落とし込んで合意する。かつ、無理があれば随時調整する。

 例えば以前は、週末に家族3人で過ごす時間を前もって決め、それは崩さないようにするとしたこともありましたが、これはあまりうまく機能しなかったですね(苦笑)。約束事を決めたとしても現実的に機能しないと思ったら都度調節をすることが大事だと思います。

Q.松尾さんから、まよかさんにお願いしたいことはありますか?

A.既にやってもらっているから、お願いするまでもないのですが、子どもにご飯を作って食べさせることは、大事にし続けてほしいですね。自分の幼少期を振り返っても、子どもにとってはお母さんの手料理が食べられるというのは大きいと思いますし、妻の方が料理は美味いので。

21世紀の政治は女性がやるべき

Q.まよかさんが今後議員を続けていくことに対して、どのように考えていますか?

A.議員かどうかにかかわらず、妻がやりたいと思ったことはやらせてあげたいなと思っています。僕は妻が議員になる前から、21世紀の政治は女性がやるべきだと思っていました。これまでの政治は男性中心にやってきて、結果としていつまでも戦争は絶えないし、環境破壊もこんなに進んでしまった。これは男の生理に根差していると思っているんです。男中心の政治をこれからも続けていたら、地球も人類も持たないですよ。その意味でも妻に議員として役割があるうちは、続けた方がいいと思います。

Q.最後に、女性議員を妻に持つ男性、またこれから議員に立候補しようと思っている女性のパートナーに一言お願いします。

A.やっぱり大変だろうとは思います。男性がサラリーマンだったらさらにきついとは思います。ですが、うちがフリーランスだからできると最初から思っていたわけでなく、フリーランスなりのやり方に落ち着いただけの話なので、結局はその家なりのやり方が見つかるはずです。家庭内では解決できなかったら、実家やご近所友人に頼る手もあるでしょう。奥様が本当にやりたいと思っている、そしてそれにちゃんとした社会的意義があるのであれば、家族としては応援するしかないんじゃないでしょうか。

――ありがとうございました。

【編集後記】
松尾さんは、まよかさんがやりたいと言ったことを応援し、家事や育児に加え、議員の仕事の相談にものるなど、パートナーとして家庭の面だけでなく、仕事の面もサポートされているのだなと思いました。一方、まよかさんが議員になったことで、家族の時間が減っているというお話もありました。男女関係なく家族として支えていく姿勢や、家族との時間を大切にしたいという思いを感じました。松尾さんのような考えを持つ人が増えれば、女性ももっと活躍できるような社会になるのではないかと思います。

提供:WOMAN-SHIFT

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