社員への選挙協力依頼メールは違法か?  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
トップ    >   記事    >   社員への選挙協力依頼メールは違法か?

【衆議院議員選挙2014】[用語解説]ネット選挙・メール配信

社員への選挙協力依頼メールは違法か? (2014/12/8 政治山)

関連ワード : ネット選挙 衆院選 衆院選2014 

 いよいよ佳境を迎えた衆議院議員選挙ですが、各陣営の選挙活動も一段と熱を帯びています。選挙前や選挙期間中に、企業が社員に対して、特定の政党または候補者への支援を呼びかけることは珍しいことではなく、朝礼など社内行事に参加する候補者も少なくありません。

 もちろん、投票先を選ぶのは個人の自由なので、何人たりともその意思を強制することはできません。社内での呼びかけに非協力的だったとしても、それを理由に職場で不利益を被るようなことがあれば公職選挙法以前にパワハラに当たる可能性がありますし、思想信条の自由を定めた憲法にも明らかに違反します。

 また、企業など組織内で行う選挙活動には勧誘を受けた側が強制性を感じないような配慮が必要ですが、それをメールで行う場合はさらに別の注意が必要となります。

 ネット選挙解禁により、政党や候補者は選挙期間中に投票を依頼するメールを送ることができるようになりましたが、それ以外の人は選挙運動用のメールを送ることはできません。つまり、選挙期間中には企業から社員に対して選挙協力を依頼するメールは配信できませんし、選挙前であっても具体的な選挙の支援を依頼する文面であれば実質的な選挙活動と見なされ、事前運動を禁じた公選法に抵触する恐れがあります。

 まだ始まったばかりのネット選挙ですが、企業から社員に対して選挙協力依頼メールを送るときは、時期と内容に注意が必要です。

<著者> 市ノ澤 充
株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー シニアマネジャー
政策シンクタンク、国会議員秘書、選挙コンサルを経て、2011年株式会社パイプドビッツ入社。政治と選挙のプラットフォーム「政治山」の運営に携わるとともにネット選挙やネット投票の研究を行う。政治と有権者の距離を縮め、新しいコミュニケーションのあり方を提案するための講演活動も実施している。
関連記事
これだけは注意したい―ネット選挙Q&A(2014/12/5)
ネット選挙Q&A 有権者編
ネット選挙Q&A 候補者編
ネット選挙Q&A 事業者編
ネット選挙解禁でどう変わるのか?<有権者編>
ネット選挙解禁でどう変わるのか?<候補者、政治家編>
関連ワード : ネット選挙 衆院選 衆院選2014