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省庁の障害者雇用水増し 批判的な意見、半数を下回る (2018/12/18 日本財団)

水増しを知っていた人は31.1%、「あってはならない」との回答は45.4%

 日本財団(東京都港区、会長笹川陽平)は「18歳意識調査」の第5回は「障害」をテーマに実施しました。その結果、障害者の雇用率が法律で定められていることを半数が知っていましたが、民間企業の障害者雇用率が約1.9%にとどまっている現実を知らない人が8割を超え、今年8月に発覚した中央省庁の障害者雇用水増し問題も知っていた人は3割、「あってはならない」と批判的に捉えている人も半数以下にとどまっていました。

 このほか、障害者への手助けした経験がある人も半数以下で、手助けしなかった理由は「どうしたらよいか分からなかった」がトップを占めています。

主な調査結果、以下の通り
手助けした経験がある人は45.8%。手助けをしなかった理由は、「どう手助けしたらよいか分からなかった」(34.6%)が最多
障害者の雇用率が定められていることは50.0%が知っていたが、実雇用率を知っていたのは18.5%
法定雇用率を聞いて、障害者の雇用の機会が充分確保されていると回答した人は10.4%にとどまる。「障害者の割合が7.4%なのに2.2%という割合は少ない」などの意見
中央省庁の障害者雇用水増しを知っていた人は31.1%
水増し報告を45.4%が「あってはならない」と回答

障害のある人が困っているときに手助けをしたことがありますか?

▼手助けした経験がある人は45.8%にとどまる

手助けをした理由、しなかった理由

▼機会はあったが、手助けをしなかった理由は、「どう手助けしたらよいか分からなかった」(34.6%)が最多
次いで「その必要がないと思った」(24.0%)、「なんとなく」(19.5%)が上位に挙がる。
▼手助けをした理由は、「手助けするのは当たり前だと思う」(48.1%)が最多
次いで「困っているときはお互い様だと思う」(39.6%)、「身近に障害のある人がいて大変さを知っている」(20.8%)が上位に挙がる。

法律で障害者の雇用率が定められていることをしっていますか

▼障害者の雇用率が定められていることは、50.0%が認知
81.5%が、障害者人数や障害者の実雇用率を知らない

障害者の雇用機会は十分確保されていると思いますか

▼法定雇用率を聞いて、障害者の雇用の機会が充分確保されていると回答したのは10.4%
充分だと回答した人の理由は、「障害を持っている人の中で働ける人は限られるから」「多すぎると障害を持っていない人の雇用が減ってしまう」「サポートする周りの人が大変になる」など。
充分ではないと回答した理由は、障害者の割合が7.4%なのに2.2%という割合は少ない、という内容が目立つ。また、「障害のない人と同様に雇用機会を与えられるべき」「環境を整えて障害者の働く選択肢を増やすべき」などの意見も多く挙がった。他、「自分の身の回りで働いている障害者を見かけない」など、障害者の雇用が少ないと実感として感じている人もいた。
【障害者の雇用機会について「自由回答集」】

障害者の雇用率の水増し報告が明らかになった事実を知っていますか

障害者の雇用率を水増ししたことについてどう思いますか

▼45.4%が「あってはならない」と回答。「やむを得ない」は11.6%
「あってはならない」と回答した人の理由としては、法を定める立場の国や自治体が事実を隠していたことに対する憤りが多い。また、「水増しされたことによって余計障害者の雇用が少なくなる」という意見や、「雇えないなら相応の理由を説明するべき」「水準を超えてなかったとしても、真実を伝えてほしい」など、真実を公表してほしいという意見も挙がった。
「やむを得ない」理由としては、周りの負担が増えてしまうので仕方ない、というような内容が目立つ。
他、「法定雇用率を達成できなかった場合の罰則をなくし、達成できた場合に報奨金を支給するような仕組みにすればいいと思う」「水増しするに至った原因を追究した方が良い」などの意見が挙がった。
【水増し報告の是非について「自由回答集」】

■調査報告書について
詳細については、報告書をご覧ください。
第5回18歳意識調査「テーマ:障害」要約版
第5回18歳意識調査「テーマ:障害」調査報告書

■18歳意識調査について
2015年の改正公職選挙法で選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げられ、翌年の参院選から新たに「18歳~19歳」が投票に参加しました。民法の改正に伴い2022年4月には成人年齢も18歳に変わります。そこで日本財団は、18歳の若者が何を考え、何を思っているのか。家族、友人、恋人など身の周りの人たちとどんな人間関係を築き、社会と向き合おうとしているのか。継続的に調べる「18歳意識調査」をスタートさせました。次代を担う18歳が政治や社会、仕事、家族、友人、恋愛などをどのように考え、意識しているか、幅広く知ることで新しい社会づくりに役立てるのが狙いで、多くの社会課題に取り組む日本財団の事業にも調査結果を反映させたいと考えています。

日本財団公式webサイト:プロジェクトページ

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