第20回政治山調査「地方議会は有権者にどう見られているか?」(3/3) (2014/8/21 政治山)
総理大臣を「たいへん信頼できる」、30代女性は0人
前出のグラフ3で政治家やメディアへの信頼度をききましたが、特に女性の信頼度は全体的に低調でした。その中でも特徴的だったのは総理大臣への信頼度で、「たいへん信頼できる」と回答した30代女性は0%(111人中0人)、40代女性は0.9%(113人中1人)にとどまりました(グラフ9)。
また、グラフ4の地方議員への印象について「地域の面倒をこまめに見ている身近な存在」と感じている人の割合も、30代40代の女性はそれぞれ4.5%、4.4%と他と比べて著しく低い結果となりました(グラフ10)。
地方議員、40代以上の男性の4割が「いてもいなくても同じ」
地方議員への印象で最も回答者の多かった「何をしているかわからない」(56.1%)を性別・年代別に見てみると、30代と40代を境目にして上の年代が平均値を上回り、若年層が平均値を下回りました(グラフ11)。
また、「いてもいなくても同じ」については、全体の34.9%が「その通り」と回答していますが、20代男性は22.3%、同じく女性は29.7%と若年層は平均を下回りました(グラフ12)。
男女別に見ると40代(41.7%)と50代(39.5%)、それに60代以上(44.1%)の男性が「その通り」と回答しており、地方議員に厳しい目を向けていることが分かります。ただし女性についても、男性ほど「その通り」と回答した人は多くありませんが、20代(10.8%)と30代(13.5%)で見られるように、「そうではない」の回答数が少ないことは「いてもいなくても同じ」に近い意思表示と受け止める必要がありそうです。
政治不信の払しょくには、有権者の政治参加が不可欠
今回の調査では、全体として政治への無関心と不信が際立つ結果となりました。一連の騒動で地方議員のイメージが損なわれたのも事実ですが、これまでになく注目を集めたという点では、大きなチャンスともいえます。
議会のあり方や政務活動費の運用の仕方、そもそも地方議員の仕事とは何なのか。もちろん地方議員は襟を正す必要がありますが、有権者の側もその時限りの批判をするのではなく、政治家と有権者共通の課題として認識しなければなりません。
信頼できない政治家の不祥事を、信頼できないマスコミや報道機関が報じている現状を嘆いているだけは何も変わりません。主権者としてどのように政治と向き合うのか、その姿勢が問われているのではないでしょうか。
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