第20回政治山調査「地方議会は有権者にどう見られているか?」(1/3) (2014/8/21 政治山)
東京都議会のヤジや兵庫県議会の政務活動費など最近の騒動を受けて、有権者の地方議会を見る目はどのように変わったのでしょうか。政治山では、ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟との合同企画として、インターネット意識調査「政治山リサーチ」を用いて、全国の有権者を対象に7月16~18日の間で調査を行いました(回答数1,122)。
議会や議員への関心、4割が上昇するも2割が低下
調査ではまず、地方議会や議員の活動に関心を持っているか、また今回の騒動が関心にどのような影響を及ぼしたかを聞きました(グラフ1)。普段から関心を持っている人の20.7%、普段は関心がない人の18.0%が「関心が増した」と回答する一方、普段は関心を持っていた人の4.0%、普段から関心がない人の16.1%が「関心がなくなった」と回答しています。
次に、投票行動にどのような影響を及ぼしたのかをたずねたところ、全体では43.3%が「選挙へ行ってしっかり候補者を選ぼうと思った」と回答しており、「選挙へは行きたくなくなった」の13.4%を大きく上回りました(グラフ2)。
これを普段の投票行動別に見てみると、投票に「必ず行く」「どちらかというと行く」人の過半数が「選挙へ行ってしっかり候補者を選ぼうと思った」と答えていますが、「どちらかというと行かない」人ではその割合は半減し、「全く行かない」人では3.9%と激減、逆に63.0%が「選挙へは行きたくなくなった」と回答する結果となりました。
地方議員の印象、最多は「何をしているかわからない」
続いて、政治家やメディアに対する信頼度について聞いたところ、「たいへん信頼できる」「どちらかというと信頼できる」を合計して20%を超えたのは総理大臣(25.6%)と知事(21.7%)のみで、都道府県議(6.3%)、市区町村議(7.1%)ともに約半数が「ほとんど信頼できない」「どちらかというと信頼できない」と回答しました(グラフ3)。
また、官僚やマスコミ・報道機関に対する信頼度については、それぞれ信頼できる7.3%、6.9%に対して信頼できない55.6%、57.6%となっています。
さらに地方議員に対する印象をたずねた結果、「何をしているかわからない」が56.1%と突出しており、2番目に多い「いてもいなくても同じだ」の34.9%とあわせて地方議員にとっては厳しい回答が並びました(グラフ4)。
他の回答では「支援団体(地域や団体など)の利益を考えている」24.7%を除くと、「まちの将来を考えている」16.3%、「地域の面倒をこまめにみている身近な存在」「高齢者に優しい」ともに10.4%などの肯定的な意見も見られましたが、いずれも「そうではない」と否定的な意見の方が多く見られ、前出の議員への信頼度(グラフ3参照)を裏付ける結果となりました。
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次のページでは、有権者が投票先を決める理由や参考にするメディア、重視する課題について紹介します。
<調査概要>
調査対象者 | 全国の成人男女 |
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回答者数 | 1,122 |
調査期間 | 2014年7月16日(水)~7月18日(金) |
主な質問 | ・地方議会への関心の有無と影響 ・普段の投票行動と影響 ・政治家やメディアへの信頼度 ・マニフェストについて ・地方議員の印象 ・投票する際に候補者を選ぶ理由 ・投票する際に参考にするメディアやツール ・投票する際に考慮する課題(政策) |
調査手法 | インターネット調査(政治山リサーチ) サービス詳細>> |
調査実施機関 | 株式会社パイプドビッツ |