政務活動費・政務調査費…経費なのに領収証の添付が必要ない?  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
トップ    >   記事    >   政務活動費・政務調査費…経費なのに領収証の添付が必要ない?

[用語解説]政務活動費、政務調査費

政務活動費・政務調査費…経費なのに領収証の添付が必要ない? (2014/7/2 政治山)

 兵庫県の野々村竜太郎県議が、2013年度の政務活動費として、1年間に195回日帰り出張し、領収書なしでおよそ300万円の支出をしていたことが話題となっています。

 この政務活動費とは、何のための費用なのでしょうか?

 政務活動費は、以前は政務調査費と呼ばれており、2012年8月の地方自治法改正により、2013年3月から現在の名称となりました。その使途は「議員の調査研究その他の活動に資するための経費の一部」と定められていて、主な内訳は事務所の維持運営にかかる人件費や事務所費、議会報の発行やホームページの運営にかかる広報費などが挙げられます。

 政務活動費の金額は議会ごとに定められており、月額で見てみると東京都の60万円を筆頭に道府県や政令市では20万円~30万円、市町村では1万円~10万円程度が多いようです。政務活動費は議会活動のための経費であるため、人件費や事務所費などは議員個人の活動や政党活動などと不可分であることも多く、その費用は按分として一定の割合のみが政務活動費として認められます。

 政務活動費の交付を受けた議員または会派は年度ごとに報告書を提出し、その報告書は議会事務局に行けば誰でも閲覧することができます。この報告書には領収書の添付を義務付けている議会がほとんどですが、交通費など例外を認めるケースも多く、報告書は閲覧できても領収書は閲覧できないケースもあり、情報公開のあり方が問われています。

 政務活動費の使途項目については、下記をご参照ください。

議員に係る政務調査費についての使途基準の参考例

調査研究費 議員が行う(都道府)県の事務及び地方行財政に関する調査研究並びに調査委託に要する経費(調査委託費、交通費、宿泊費等)
研究費 団体等が開催する研修会、講演会等への議員及び議員の雇用する秘書等の参加に要する経費(会費、交通費、宿泊費等)
会議費 議員が行う地域住民の(都道府)県政に関する要望、意見を吸収するための各種会議に要する経費(会場費・機材借り上げ費、資料印刷費等)
資料作成費 議員が議会審議に必要な資料を作成するために要する経費(印刷・製本代、原稿料等)
資料購入費 議員が行う調査研究のために必要な図書・資料等の購入に要する経費(書籍購入代、新聞雑誌購読料等)
広報費 議員が行う議会活動及び(都道府)県政に関する政策等の広報活動に要する経費(広報紙・報告書等印刷費、送料、交通費等)
事務所費 議員が行う調査研究活動のために必要な事務所の設置、管理に要する経費(事務所の賃借料、管理運営費等)
事務費 議員が行う調査研究に係る事務遂行に要する経費(事務用品・備品購入費、通信費等)
人件費 議員が行う調査研究を補助する職員を雇用する経費(給料、手当、社会保険料、賃金等)

(出典)全国都道府県議会議長会『○○(都道府)県政務調査費の交付に関する規程(例)』(平成12年11月10日役員会決定)より

関連記事
誰が政務活動費の支出を認めるのか?(2014/7/9)
当選が決まった後のセレモニー(2014/6/10)
小数点付き得票数のなぞ(2014/5/8)
そのほかの用語解説