第20回政治山調査「地方議会は有権者にどう見られているか?」(2/3) (2014/8/21 政治山)
選挙公報だけで候補者の「実行力・行動力」を伝えられるのか
続いて、有権者が選挙で投票する際に、候補者を選ぶ理由をたずねたところ、「実行力・行動力」の37.5%と「政策・提言」の37.1%がやや突出しており、「将来のビジョン」が25.1%、「人柄」が23.8%、「所属政党や会派」が20.1%と続きました(グラフ5)。
次に投票先を決める際に参考にするメディアやツールについて聞きました。最も多かったのは「選挙公報」の27.4%でしたが、「テレビ報道」22.5%、「新聞報道」20.1%と従来のメディアが重視されている現状がうかがえます(グラフ6)。
テレビや新聞に次いで「選挙チラシ」(17.5%)や「政見放送」(16.6%)も参考にされていますが、地方議会の議員選挙においてはテレビや新聞の報道量は減少し、チラシの配布もできず政見放送もないことから、選挙や候補者の情報に接する機会は限定的であると言えます。
さらに投票する際に考慮する問題は何かという問いには、「景気・雇用」が23.9%と最も多く、「医療・介護」21.9%、「税金」19.8%と続き、地方選挙であっても国政と共通する課題への関心が高い傾向にあります(グラフ7)。
地方の課題については「行政改革」「財政再建」がそれぞれ13.9%、「地方自治のあり方」が12.3%であるのに対して「議会改革」は5.0%にとどまり、議会への関心の低さが際立つ結果となりました。
キャッチコピーは重要ではない?約7割が「マニフェストは必要」
次に、マニフェスト(公約)についてたずねたところ、69%がマニフェストは「必要」または「あるといい」と回答し、「不要」または「なくていい」の22.1%を大きく上回りました(グラフ8)。
マニフェストの中身として「必要」または「あるといい」と回答したのは、「実現したい政策」の80.3%を筆頭に「将来のビジョン」79.3%、「政策を実現するための予算根拠」77.0%、「政策を実現する工程表」75.4%と続いており、ビジョンや政策だけでなく予算や期限を明確にした、現実的かつ具体的なマニフェストが求められています。
また、キャッチコピーについては30.8%が「必要」または「あるといい」と答えたものの、60.2%は「不要」または「なくていい」と回答しており、キャッチコピーよりも中身を重視する慎重な姿勢がうかがえます。
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次のページでは、これまでに紹介した設問のうち、回答者の属性によって特徴的な傾向が見られた回答を紹介します。