ネットフォーラム「若者が考える 日本の未来予想図」論点8  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
トップ >  参加・提言 >  議論 >  ネットフォーラム「若者が考える 日本の未来予想図」論点8

ネットフォーラム「若者が考える 日本の未来予想図」論点8

Pocket

「ローカル・マニフェスト推進ネットワーク九州」が主催し、NPO法人ドットジェイピー福岡支部が共催した「参院選企画 ネットフォーラム『若者が考える 日本の未来予想図』」は、「Facebook」を使って、学生や社会人が参院選に関するさまざまテーマについて議論する企画です。現在も、LMネット九州代表の神吉信之氏をオブザーバーに、Facebook上で学生たちが活発な議論を戦わせています。このページでは「消費税増税に賛成? 反対?」をテーマに行われた議論を再現します。

論点8消費税増税 賛成? 反対?


学生1
消費税問題は私たちの生活を左右する問題なので、関心が高いと思います。

社会保障費が年々増加する高齢化社会において、その財源が問題化しています。これを受けて、税率引き上げによる税収分は全額社会保障の財源にすることを前提に2012年、消費税増税法案が成立しました。2014年4月には8%、2015年10月には10%に引き上げられます。政府は10%の増税により消費税収13兆5000億円の増加を見込んでいます。

賛成派の意見としては、
・消費税は負担が世代間で公平
・広くモノやサービスの消費に課税ができるので安定的な財源になる
などが挙げられます。

一方、反対派の意見としては、
・国民が消費を押さえ景気の悪化につながる
・全ての人が同率で負担するため低所得者ほど負担が悪化する
などが挙げられます。

「賛成」の場合は増税により発生するであろう問題をどう解決していくのかを踏まえて、「反対」の場合は具体的な代替案を踏まえて、考えをお聞きしたいと思います。

  • ちなみに、時事通信が7月上旬に行った世論調査では、消費税率引き上げについて「反対」は63.1%。理由は「家計の負担増」が最も多く、71.7%。賃上げの動きが広がらず家計に恩恵が行き渡らない段階での消費増税に、多くの国民が懸念しているということですね。次に、「低所得者の負担が大きく、不公平」が50.5%、「行政の無駄遣い減らしの努力不足」が50.2%。

    一方、賛成の理由は「社会保障のために必要」が74.1%。2位は57.8%の「財政健全化が必要」。さて、皆さんはどうようにお考えですか?

  • 神吉

  • 学生2
  • 増税は社会保障の財源に使うということですが、具体的に社会保障の何にどのくらい割り当てるのか。そこまできちんと決めておかないと、例えば東北復興支援のための財源が関係のないことに流用されるような、ずさんな使われ方をされるのではと思います。

    消費税を上げるのなら、きちんと明示し、そして使用した後は明示した通りに使用したのか、情報開示をしていただきたいです。
  • 財政再建のためには消費税率引き上げが必要だということは、国民の間でも次第に理解され、受け入れられつつあるように感じられます。しかし、使途を明確にして福祉目的税とすべきだとの主張も根強く、今まで一般財源化していた経緯も含め、今後の使い道をきちんと説明する責任はありますよね。消費税は、国内で行われる物品・サービスなどの消費行為のほとんどに対して(原則的に)課税、納められた税金の使い道は特に決まっていない「普通税」に分類される税金です。しかし、もともとは福祉に充てることが目的であったはずです。

  • 神吉

  • 学生3
  • 今後の財政状況を考えると、社会保障費に莫大なお金が必要となり、増税という形でまかなわざるを得ないものであるとは思います。しかし、今まで消費税が導入される時や税率が3%から5%へと引き上げられた時、大反対の風潮があったみたいですが、今回の増税に関しては「仕方がないな」という思いで受け入れてしまうような風潮が、僕の周りで多いことには違和感を覚えています

    今回の消費税の増税だけで膨張する社会保障費をまかなう事ができるわけもなく、根本的な財政再建にはつながらないと思いますので、安易に「消費税増税もやむなし」と考えたくありません。また、いずれ社会保障費が大きくなりすぎて、さらに増税やむなしという流れが生じてくるのではないでしょうか。そう考えると、消費税増税には「反対」です。

    個人的な意見ですが、増税で得る歳入を、金額の数倍の価値を生み出す歳出にする事はできないものかと思います。
  • 増税分を財政再建と社会保障に使うという両立が成り立つのか、という問題があります。増税分をすべて使ってしまえば歳入・歳出と両方共膨らむだけで、プライマリーバランスはよくなりません。また、恩恵を受けるのは、今現在の高齢者だけ、ということになります。若年層の社会保障への確保には何らなりません。やはり、財源のこともさることながら、現制度の抜本的な見直しが必要ですね。

    維新の考えはユニークで、地方交付税の16兆円をいったん国の税に引き上げ、社会保障の配分に考えれば財源は出てくる。一方、地方の財源として地方に委ねる。地方によって税率をきめていくという方法を訴えています。地方分権の考えですね。米国では州によって消費税がまちまちです。私が住んでいたカリフォルニアは当時6.5%、ラスベガス(市内かな?)は0(ですから、食事は安くてうまかった)等でした。

  • 神吉

  • 社会人1
  • 消費税増税に反対です。

    現在の経済の状況はアベノミクスで少し明るさが見えてきたものの、国民の所得増加にはまだまだ時間がかかる見込みで、依然として「不況」だと私は感じています。不況下に増税して財政再建できた事例は経済史上、1つもありません。不況下に増税すれば増税した以上に経済活動が停滞し、税収が落ち込むことは、歴史が証明しています。

    今せっかく経済を立て直すためにあらゆる政策を総動員しているのに、このタイミングで増税することは、アクセルを踏みながらブレーキを踏みこむようなものです。これまで見えてきたわずかな明るさも消してしまいかねません。

    未来永劫反対ということではなく、経済活動が活発化し、国民が生活水準の向上と税収の大幅な回復が確認できてから、増税するのが本筋だと思います。

  • 学生4
  • 現段階での消費税増税には反対します。

    経済が活性化し、景気がよくなり、それが国民の所得に影響するまでに約半年のタイムラグはあるだろうと言われています。アベノミクスで、日本経済は雰囲気としてはよくなってきているものの、私たちの生活に直接影響を与えるまでには至っていません。景気が上がり調子の時ならまだしも、そうでない時に増税を行ってしまったら国民の消費意欲を削いでしまい、いよいよ経済は停滞してしまいます。

    では、社会保障費の財源はどこから持ってくるのか? 今の経済状況で増税するくらいなら、国債を発行する法がまだましかと思います。

    すでに1,000兆円超の借金がある日本ですが、あえて新たに国債を発行し、より効果的な経済政策を行い、お金を国中にどんどん回していく。景気が上向きになり、国民がそれを生活の中で実感して初めて増税に踏み込むべきと考えます。
  • 消費税増税に関する各党のスタンスです。いずれにしろ、今の日本の経済成長力が本物かどうか見極めることが大事ですね。

    自民:税と社会保障の一体改革で決めた。社会保障制度を守るために必要。デフレ脱却と景気回復、財政再建のため、4~6月の数値で判断したい。
    民主:増税後の景気回復には賃金を上げ、雇用を増やすのが王道。
    みんな:給与アップがなされないまま来年消費税を上げるのは懸念。アベノミクスの成功には凍結。
    公明:4~6月期の指標を基に経済成長の力を見極める判断が必要。
    維新:消費税は地方税化すべき。国税のままの増税は問題。
    生活:増税を当面凍結し、社会保障の充実で個人消費を増やす。
    共産:史上空前の大増税で、暮らしや経済が大打撃を受ける。
    社民党:大企業は優遇するのに、消費税増税で庶民の暮らしは苦しくなる。
    みどりの風:復興予算がピンハネされる状況で増税は凍結すべき。

    ちなみに、消費税アップに反対の党も、理由はさまざま。

    みんなは自民に近く、経済成長こそ財政債権の近道。2003~07年、名目成長が1.7%あり、プライマリーバランスが28%、6兆円減った。特別会計や独立行政法人などの税外収入も上げていく。プラス行革(職員や議員数を減らすなど)をやる。消費税増税をすればアベノミクスは失敗するという考え。

    共産は、大企業や富裕層の税負担増を訴えています。大企業の法人税が18%であるのに対して中小零細企業が26%、富裕層は取得1億超えると税率が下がるなどを改める。

    自民党は財政規律面でも必要を訴える。

    維新は、福祉が豊かな日本で国民負担率を上げなければいけないのは事実とし、消費税アップは間違いない。しかし、財政再建面で考えると10%アップでも6%分追いつかない。社会保障の財源にあてるのもおかしい。公益税なので所得の再配分機能を持たない。所得税の中からと保険料でやっていくもの。毎年1兆円アップする社会保障費に消費税だけでは無理。

    みんなの党は、マイナンバーもできたので、「給付と負担」の関係を明確にし、国民に分かりやすく提示する。分からないから不満を持つ。年金制度は、支給年齢を引き上げたり、税金投入を増やすなどはすでに破綻している考え方。「積立方式」という考え。いずれにしろ。社会保障制度改革とあわせて議論する内容ですね。

  • 神吉

  • 学生5
  • 私は賛成です。

    確かに、身近なものだからこそ、増税は嫌だなーとは思いますが(笑)。誰でも平等に負担するものである点が大きいです。他の国と比べると、日本は消費税がかなり低いので、10%くらい納めてもいいのではないかと感じます。
  • この議論は、どこまで負担率=国が面倒を見るのか、という問題かと思います。スウェーデンなどの北欧のように高負担高福祉なのか、米国のように低負担低福祉なのか。かつて麻生副総理は「中福祉」と言っていましたが。

  • 神吉

››Facebook上の議論を見る

  •  
  •  

【その他の論点】

ローカル・マニフェスト推進ネットワーク九州代表
神吉信之

ジャーナリスト、ローカル・マニフェスト推進ネットワーク九州代表、「市民と議員の条例づくり交流会議in 九州」の地元実行委員長等専門:ローカル・マニフェスト、政治、選挙、公共政策・経営、NPO、まちづくり、地域メディア、地域通貨等
ホームページ:神吉信之のホームページ

NPO法人ドットジェイピー 福岡支部

本部 東京都千代田区、理事長 佐藤大吾、1998年創業。全国10支部にエリア展開し、大学生約200人が中心となって「若年投票率の向上」を目的に活動するNPO法人。累計15,000人の参加者数を誇る「議員インターンシッププログラム」をはじめ、「グローバルインターンシッププログラム」、「未来国会」、「未来自治体」など若年層を対象とした社会学習プログラムを提供。また、「Yahoo!みんなの政治」等への議員・議案情報提供など、活動は多岐に及ぶ。