ネットフォーラム「若者が考える 日本の未来予想図」論点3
「ローカル・マニフェスト推進ネットワーク九州」が主催し、NPO法人ドットジェイピー福岡支部が共催した「参院選企画 ネットフォーラム『若者が考える 日本の未来予想図』」は、「Facebook」を使って、学生や社会人が参院選に関するさまざまテーマについて議論する企画です。現在も、LMネット九州代表の神吉信之氏をオブザーバーに、Facebook上で学生たちが活発な議論を戦わせています。このページでは「憲法96条改正 賛成? 反対?」をテーマに行われた議論を再現します。
論点3憲法96条改正 賛成? 反対?
学生1
憲法96条とは憲法改正の手続きについて定めた条文です。憲法改正には国会が発議し、国民投票という手続きが必要です。改正案は発議要件を衆参両院議員の3分の2以上の賛成から、2分の1に下げるというものです。
法学部なのでこの問題はとても興味があります。いろんな方の意見をお聞きしたいです! よろしくお願いいたします。
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学生2 -
現在の国際情勢を見ても日本の国体(国民の生命財産、国益、国土、歴史、精神など)を守るためには現行憲法は変えなければいけません。
改憲派の僕も手続き条文の96条だけの改正論はナンセンスだと思いますが、改正手続きは各条1つひとつすることになるので、賛成反対は置いといて、手続きがスムーズにできるように、先に96条を変えようとしているのでしょうね。
本来は各党が出している草案をもとに議論しなければなりません。共産党や社民党などの護憲派以外で草案も出していない党が反対するのもナンセンスだと思います。
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学生3 -
この低い投票率の今において、2分の1に下げるというのは反対です。過半数以上の議席を取った与党であれば、いつでも改正案が通ってしまう状況になってしまいます。コロコロ改正案を提出する政党はないとは思いますが、国民を守るべき「憲法」を簡単に変える可能性が高まるという点で反対です。選挙時に各政党のマニフェストを読まれる方の割合は半分もいませんし、投票率も半分以下ということですから、そのような状況で制定された「憲法」というものを「日本人が作った憲法」だとする事は、僕にはできません。ただし、「現在において」です。
また、選挙権を有する年齢に関しても熟考するべきだと思います。ネットで検索すると、teenagerが世の中に対する意見や不満などを彼らなりに考え、意見を言い合うTeens Opinionというホームページがあります。自分が高校生だったときより真剣に考えていると思いました。また、高卒ですでに社会人になっている人もいますので、18歳でいいんじゃないかと、現在は考えています。それから、労働三権が憲法に入っているので、10代後半を無視するわけにはいけないとも。
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学生4 -
今日、憲法9条に関して改憲派と護憲派とが意見を交わすというドキュメンタリーを学校でみました。
改憲派、護憲派の議論も興味深かったのですが、出演されていた6名(50代主婦、70代お年寄り、20代フリーター、30代キャリアウーマン、30代オタク男性、40代サラリーマン)が口をそろえて言っていたのが、「政治家は信じられない」というコトバでした。私はそのことがとても心に残りました。
政治家って、私たち国民の代表であるはずなのに、なんだか私たちと違う場所にいる人みたいに聞こえました。有権者である私たちからも、実際に政治家として活動していらっしゃる方々にも、歩み寄りが足りていないのかな?という感じもしました。
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社会人1 -
興味深いテーマだと思います。96条の改正手続は「制度化された憲法制定権力」ですので、例えば、国民投票制度を廃止して国会の意思だけで改正できるようにする内容は改正の限界を超えていますが、発議要件の引き下げ自体は議論の価値ありです。
議論の価値ありとしたのは、私自身は発議要件を引き下げるのであれば国民投票の実質的な水準を引上げるなど、バランスをとったほうがいいと思うからです。
今の国民投票法では投票総数の過半数で承認は成立します。国民投票が有効となる最低投票率も決められてないので、例えば、50%の投票率がないと成立しないなどの仕組みが必要だと思います。
私は憲法改正した方がいいと思っています。ただ、同時に最高法規としての安定性と、国民投票で決した、というにふさわしい仕組みが必要だと感じます。
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96条の改正に関する各党のスタンスですが、自民、維新、みんなは賛成の意向で、民主、生活、社民は先行改正には反対、共産、社民、みどりの風は改正そのものに反対(護憲)、公明は加憲という慎重な立場。
維新の考えは、今の条項では国民投票で決めるというところまでいかない手続きとなっているので変える必要がある。一方、社民などは96条の改正は、時の政府がいつでも発議できるから、という理由です。
間接民主主義=議院内閣制と直接民主主義=国民投票についてどう考えるのか、という問題でもあるかもしれませんね。地方自治体の場合、主権者である住民から選ばれた代表者と主権者との間で意思の乖離、ねじれが生じた時に是正するための手段として、直接民主主義的な制度としてのヒトを変える「解職請求」とモノを変える「住民投票」がある(=間接民主主義を「補完」するための直接民主主義)のですが……。 -
神吉
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学生1 -
テーマの提案者です。憲法は国民の権利と自由を保障するために公的権力を制限するものだと思います。国益は国民のためであると思いますが、国益という名目で公的権力が力を濫用する可能性があることは危険だと思います。
96条に関して言えば[学生3]の言う通り、憲法改正は重要なのでそのような手続き要件があるのではないでしょうか?
私は憲法を改正することに、決して反対ではありません。60年以上前につくられ、さらにつくったのは日本人ではないからです。しかし、憲法改正する場合は国民がしっかり議論を行い、投票率も高い状況でないと行ってはいけないと思います。今のような状況では時期尚早だと思います。
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社会人2 -
世代を越えた議論が必要です。外国から見た視点も必要と思います。言葉1つひとつの意味合いを勉強する必要もあります。私も正直理解できていません。だから怖いんです。憲法は国民を守るためにあります。国益のために利用されるのは非常に危険です。我々1人ひとりが真剣に理解して、考えないといけません! 我々1人ひとりが真剣に理解して、考えないといけません!
国益のためには個人の幸せを考えなくていいと言う憲法になる。裏に隠れた策略を感じます。また、選挙権を18歳から与えることで、政治に興味を持つかなとも思います。しかし1票を無駄にするかもしれません。
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社民党が自民党草案に反対している内容は、9条において国防軍、集団的自衛権の行使を認めるという内容もさることながら、表現の自由、基本的人権が「公益及び公の秩序」という広い概念で制限できるようにしているという点です。
21条「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」との現行規定に「前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない」という条文を追加。第12条にも「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない」とあり、これら言論の自由など人権に関わることも物議を呼んでいます。また、みどりの党は、自民党草案は主語が日本「国民」はではなく、日本「国」になっていると、自民党草案に反対していますね。 -
神吉
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社会人3 -
2分の1に下げるのは反対です。まだ一度も改正すらしてないのに。何度か改正してみて、それでもなお3分の2では問題だ、となって初めて変えるかどうか議論する話。
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どこをどう変えるかですが、自民党以外で維新は、中央政権の打破。国の仕組み、国の統治機構を変えるため。決める政治をするために、首相公選制の導入、二院制→一院制。みんなの党は、違憲の選挙制度を変える。一院制、首相公選制、公務員制度改革、国民投票に法的効果を持たせる。生活の党は、地方自治、危機管理、衆参をどうするか。公明党は、環境権、基本的人権、プラオバシー権、地方自治権の拡充、国際貢献を加えるか、という考えです。
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神吉
【その他の論点】
ローカル・マニフェスト推進ネットワーク九州代表
神吉信之
ジャーナリスト、ローカル・マニフェスト推進ネットワーク九州代表、「市民と議員の条例づくり交流会議in 九州」の地元実行委員長等専門:ローカル・マニフェスト、政治、選挙、公共政策・経営、NPO、まちづくり、地域メディア、地域通貨等
ホームページ:神吉信之のホームページ
NPO法人ドットジェイピー 福岡支部
本部 東京都千代田区、理事長 佐藤大吾、1998年創業。全国10支部にエリア展開し、大学生約200人が中心となって「若年投票率の向上」を目的に活動するNPO法人。累計15,000人の参加者数を誇る「議員インターンシッププログラム」をはじめ、「グローバルインターンシッププログラム」、「未来国会」、「未来自治体」など若年層を対象とした社会学習プログラムを提供。また、「Yahoo!みんなの政治」等への議員・議案情報提供など、活動は多岐に及ぶ。
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