国の借金が増えたのは「政治家の努力が足らなかったから」50.9%―18歳意識調査 (2019/2/22 日本財団)
日本財団(東京都港区、会長笹川陽平)は1月下旬、「国の借金」をテーマに9回目の「18歳意識調査」を実施しました。その結果、今や1,000兆円を超える国の借金の現状を3分の2近くが知らないと答えました。財政の将来に7割が不安を感じ、借金を前提とした国の予算に対し賛成は7人に1人。借金の原因として過半数が政治家の努力不足を指摘する半面、「国民の負担が軽かった」「権利の主張が強すぎた」などの意見も約4割にのぼっています。
借金返済については59.0%が国民全体で負うべきとする一方で、借金を増やした世代の責任を問う声も3分の1近く、自分たちの世代が負うべきとする声も5%を超えました。財政再建策については「歳出を減らす(社会的サービス・公共事業などを削減)」が36.5%。これに対し歳入を増やすは49.0%、内訳は「企業への増税」が25.1%、「消費税などの増税」が23.9%となっています。
1,000兆円超す財政の将来、72.8%が不安を感じる
- 「不安を感じる」理由としては、「このままでは経済破綻は免れない」「少子高齢化で年金自体賄うのが大変」など、日本の財政状態や少子高齢化を不安視する声が目立った。
- 「不安を感じない」「わからない」の理由としては、「外国に借金をしているわけではない」という理由の他、「なんとかなる」「この先の経済のことはわからない」といった声が目立った。
国民全体で借金を負うべき 59.0%
- 「国民全体で負うべき」の理由としては、「恩恵を受けているのは国民全体」「誰かが悪いとかではなく日本全体の問題」「一部だけに負担がかかるのはおかしい」「日本に住んでいる以上、責任は国民全体」など、世代を越えた国全体の問題、とする意見が多い。また、「今や国民全体が負担しないと完済出来ない」「全員が払えば1人1人の負担も減り、早く集まる」という意見も見られた。
- 「借金を増やしてきた世代が負うべき」の理由は、「その世代がきちんと責任を負うべき」「なぜ関係ない世代が負うべきなのか」「得をした人達が払ってほしい」など。
- 「その他」の回答としては、「国会議員」や「政府」、「高額納税者」が負うべき、という意見が見られた。
財政の現状 知らない 61.3%
借金を前提とした国の予算案への賛成 13.8%
- 「反対」の理由としては、返済する額の方が国債発行額より少ないことについて「このままでは財政破綻してしまう」「国債が増える一方」という意見が目立った。また、「借金をしてまで公共サービスを過剰にする必要はない」などの意見も。
- 「賛成」の理由としては、借金を前提とした予算編成は良くないと思っているものの、経済が回っていくためには「やむを得ない」「仕方ない」という声が目立った。また、「日本の借金は国民に対しての借金で、外国に借金しているギリシャ等とは違う」という回答もあった。
- 「わからない」では、「初めて知った」など、関心の薄さをうかがわせる回答が目立った。「借金がないと国が回っていかないことは確かなので、どちらがいいのか一概には言えない」という意見もあった。
借金が増えた理由 政治家の努力が足らなかった 50.9%
財政再建策 歳出削減 36.5%、歳入増 49.0%、
歳入増の内訳は「企業への増税」が25.1%、「消費税などの増税」が23.9%
- 「歳出を減らす」の理由としては、「公共サービスが手厚すぎる」「見直しのできる事業があるはず」「税金の無駄遣いをやめるべき」などの意見があった。
- 「歳入を増やす(増税)」の理由は、「公共サービスは減らすべきではない」「産業発展のためにも企業への増税はどうかと思う」という回答や、外国の高い消費税を例に挙げ、「日本はもう少し増税しても大丈夫」「高い税金で医療、福祉、教育に力を入れてほしい」という意見も見られた。
- 「歳入を増やす(企業への増税)」の理由としては、個人への増税への反対や歳出削減反対の意見の他、「企業への増税が(自分自身に)1番影響がない」など個人への影響をさける傾向がみられた。
■調査報告書について
詳細については、報告書をご覧ください。
・第9回18歳意識調査「テーマ:国の借金」要約版
・第9回18歳意識調査「テーマ:国の借金」調査報告書
・記述回答 ※全てプロジェクトページにて掲載
■18歳意識調査について
2015年の改正公職選挙法で選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げられ、翌年の参院選から新たに「18~19歳」が投票に参加しました。民法の改正に伴い2022年4月には成人年齢も18歳に変わります。そこで日本財団では、18歳の若者が何を考え、何を思っているのか、継続して調べる意識調査を昨年10月からスタートさせました。次代を担う18歳が政治や社会、仕事、家族、友人、恋愛などをどのように考え、意識しているか、幅広く知ることで新しい社会づくりに役立てるのが狙いで、多くの社会課題に取り組む日本財団の事業にも調査結果を反映させたいと考えています。
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