政務活動費を情報公開請求 基準は「議員の裁量」 (2017/1/23 筑波大学新聞)
地方自治体の政務活動費のあり方が問題となる中、本紙は11月、つくば市に同市議会全9会派(調査時点)の平成27年度政務活動費の領収書の情報公開請求を行った。請求で得た同市全会派の収支報告書の領収書のコピー全312枚を詳細に分析した。
情報公開請求では、行政文書開示請求書に請求資料の名称など必要事項を記入、請求の認否を待つ。この結果、11月16日に同市議会全9会派の領収書コピーを受け取った。9会派は▽つくば市民政策研究会▽つくば自由民主党・つくば維新の会(現・自民つくばクラブ・新しい風)▽統一会派 つくば政清会・民進党の会▽公明党▽日本共産党▽つくば・市民ネットワーク▽山中八策の会▽新社会党▽筑峰クラブ。
まず領収書で目立ったのは議員が政務活動費で支払う際にポイントがたまるクレジットカードを利用したり、ポイントカードの提示をしていたことだ。
ある会派の領収書では、資料作成費として2015年7月と2016年1月に印刷用品を購入した際、ポイントカードを提示し、各33、10ポイントが付与されていた。同市議会事務局によると、現在ポイント獲得に関する規定はなく、議員の裁量によるという。だが、すべて現金で払う会派もあり、対応はまちまちだった。
また、9会派のうち8会派が書籍などの「資料購入費」を計上していたが、ある会派では支給額108万円のうち、約半分の52万3004円が新聞代などの同購入費に充てられていた。書籍などの購入目的は記載がなかった。同市議会事務局によると資料購入費は条例に規定があるものの明確な基準はなく、議員の裁量によるという。
【政務活動費】
地方議会の議員の調査活動などに必要な経費として支給される。つくば市では一議員につき月額3万円。各会派は交付された翌年度の4月中に、使途をまとめた収支報告書を領収書などの証拠書類とともに提出する。全国では2014年に兵庫県議会議員が昨年度の政務活動費を不正利用していたことを皮切りに、富山県などで不正利用が発覚している。
(筑波大学新聞・社会学類4年 井口彩、新田萌夏、平嶋健人)
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