「若者区長」を選出 (2017/1/23 筑波大学新聞)
ロンドンでは、各区の10代の若者が本来の区長とは別の「若者区長」となり、若い世代の声を街の政治に生かす制度がある。
同制度を他区に先駆けて導入したロンドン南西部のルイシャム地区では、区内に住む、全ての11~18歳に選挙権、13~17歳に被選挙権を与え、若者区長を選出している。毎年10月の選挙に合わせ、30人ほどが立候補し、「学校のいじめ対策」「図書館の充実」「起業講座の開設」など公約を掲げて街頭演説も行う。選ばれた若者区長は他の若者を巻き込んで話し合いを重ね、意見がまとまれば教育委員や区長に提言。国会議員を前に演説する機会もある。
毎週行われているという定例会を覗くと、20人ほどの若者たちが性的少数者、ジェンダーの差別の問題について議論していた。同区の職員のケーティ・ブラウンさんによると、定例会には誰でも参加可能で、9歳の学生でも議論に参加。同制度が「若者が政治に関心を持つきっかけになっている」(ブラウンさん)という。
制度をきっかけに、若者区長の提案を受けて同区の学校でいじめや差別について考える授業が取り入れられるなど、成果も出ている。
「街に住む以上、年齢や人種や居住歴に関わらず、まちづくりに関わる権利を持つのは当たり前」。市政への関心が低いと言われる筑波大生にこそ、ブラウンさんの言葉を聞いてほしいと感じた。
(筑波大学新聞・社会学類4年 平嶋健人)
- 関連記事
- 「学生も市政に関心持って」大学周辺投票率2割以下で最低―五十嵐つくば市長インタビュー
- 軍事研究 枠組み作りばかりが先行、自分なりの「指針」持つべき
- 男女共同参画 女性リーダーの更なる増加へ社会的・制度的な成熟必要
- 住民票 半分の筑波大生移さず、市政に対して当事者意識を
- 「18歳選挙」機に座談会