オーストラリアでドローンを使った医療プロジェクトを計画 (2016/11/15 DRONE BORG)
ドローンの医療活用がオーストラリアで計画されています。オーストラリアの無人航空機に関するコンソーシアムが、UAS Internationalやシドニー大学などを巻き込んで、新しいプロジェクトを始動しました。そのプロジェクトの名前はAngel Drone projectといい、無人航空機を医療の分野で活用しようというものです。
このプロジェクトは、緊急を要する事態において、医療品を遠いコミュニティに配送することを目的としています。従来は緊急性を要する医療品の配送でも、車やヘリコプターを用いて行っていますが、車の場合は道が渋滞していた場合、到着まで時間がかかってしまい、患者を危険にさらすリスクがあります。また、ヘリコプターを用いる場合でも、コストや場所の制限、手間などがかかることが想定できます。しかし、このような場合にドローンを活用すれば、手間やコストを抑え、素早く目的地まで医療品を配送することが可能となります。
例えば血液サンプルをドローンを使って患者のところまで配送する計画などを進めています。この計画において血液の鮮度や衛生面が不安となるところですが、このプロジェクトのリーダーであるRon Bartschは、「我々は血液を適切な温度とコンディションに保つことのできる医療用ドローンの開発を行っている。」と語っていることから、単にドローンを使って配送するだけでなく、衛生面やコンディションにも重点を置いた医療専門のプロジェクトということが想像できます。また、オーストラリアの主要な医療関係者からプロジェクトの支援も行われていて、神経外科医のCharles Teoは、「患者にとって必要不可欠な血液と臓器移植の配送を可能とするドローンの試験は12か月以内に開始する」と語っています。
Bartsch氏はプロジェクトに必要な資金の調達のため、医療サービス企業とも接触を試みています。それらの企業はパプアニューギニアの山岳地帯にて、蛇に噛まれた時に必要な解毒剤の配送について関心を持っています。これまで蛇の解毒剤をヘリコプターで配送するのに80,000ドルかかっていましたが、ドローンを活用することによって、より安く、手軽に、素早く任務をこなすことが可能となります。コンソーシアム側はテスト飛行を通じて都市部などの人口密集地の飛行における安全性などのデータを収集する予定です。
source:MashableAsia,ROBOTEER