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LIXILが挑む世界のトイレ問題 経済損失は22兆円 (2016/9/7 EcoNetworks

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トイレ

トレイのトラブル8000円~♪
というCMがありますが、
実際にトイレのトラブル(未整備)が原因で
世界で起きている損失は膨大な金額にのぼります。

約22兆円――

早期死亡による人的損失、罹患した病気の治療費、
病気による生産性の低下、トイレを探す時間など、
十分な衛生環境がないことにより、2015年には
世界で約22兆円にのぼる経済損失が発生しました。

経済損失の総額はアジア太平洋地域が最も大きく、
インドは1国だけで世界の損失のほぼ半分を占めます。

LIXILグループが国際NGOのWater Aidなどとともに行った調査により
明らかになりました。

衛生環境の未整備による社会経済的損失の分析
http://www.lixil.com/jp/sustainability/pdf/the_true_cost_of_poor_sanitation_j.pdf

LIXILはこの問題にイノベーションを通じて取り組んでおり、
水をほとんどあるいはまったく使わないトイレを開発。
すでに各国で実証実験や販売に着手しています。
例:Interview: LIXILは、世界の「トイレ問題」に、どのように取り組んでいるのか?
http://www.econetworks.jp/knowledgeshelf/category/sustainability/

グループ会社の米American Standard Brandが開発したのが、
新興国向けの簡易トイレ「SaTo」(Safe Toiletの略)。

穴に簡単に設置可能で、
わずか1リットルの水で洗浄でき(通常の西洋式トイレは13リットルが必要)、
流した後はフタが閉まって悪臭や虫を防ぎ、
1台あたりの価格は2ドル以下です。

SaTo Toilet

同社は2012年にフィールドテストに成功。
数々の開発や実証実験を重ねた後、今年5月には事業部を立ち上げ、
下水がない地域のNo.1ブランドを目指して
本格的に事業展開をスタートさせました。

現在に至るまでの展開には、
こうしたBOP製品を事業展開にまで持っていく上で
参考になる点が多くあります。

●外部パートナーとのコラボレーション
Water AidやBRAC、Save the ChildrenなどのNGOと協力し、
バングラデシュやケニアなどのアジア・アフリカ諸国で実証実験を実施。
ユーザーからのフィードバックを開発に積極的に反映しました。

●外部資金の活用
研究開発の過程では、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の資金を活用し、
開発を進めてきました。

●顧客の巻き込み
1台買うと1台が寄付されるコーズ・マーケティングを展開。
“Flush for Good”というキャンペーンを通じて、
50万台以上を寄付しました。

●販売と寄付を組み合わせ、持続的に貢献
ネパールなど震災の被災地などに寄贈しているほか、
ハイチではトイレの設置や維持・管理ができる配管工育成にも取り組み、
持続的に地域に貢献。

●トップ&長期のコミットメント
トップもこの課題に強い関心を持ち、社内外で発信しているほか、
2013年には衛生的な設備の提供により2014年からの3年間で300万人以上の人々の
生活の質向上に貢献することを宣言。その後のこの目標は徐々に拡大されています。

●現地で生産する、現地の風習にあわせる
簡単な構造で現地でも生産ができ、2ドル以下の低価格で販売。
地域の習慣にあわせ、便器型や和式型などの製品バリエーションも開発。

こうした取り組みにより、すでに累計での寄贈・販売台数は100万台を超えました。

LIXILグループでは現在、2020年までに1億人以上の衛生環境改善を掲げています。
今後この取り組みをどのように加速させていくのか、注目です。

提供:EcoNetworks

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