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65%が「国をあげてのデジタル化が必要」と回答―18歳意識調査 (2021/1/13 政治山)

 コロナ禍によりデジタル化が一層加速する中、日本財団は「デジタル化」をテーマに32回目の18歳意識調査を11月中旬に実施しました。その結果、日本のデジタル化に対する評価は「遅れている」38.1%、「遅れていない」31.2%と意見が割れています。

日本のデジタル化について

日本のデジタル化について

 デジタル化を進めてほしいものは「オンライン授業」35.9%、「給付金の入金など迅速な支援」24.8%などが上位に並んでいます。国をあげたデジタル化は6割以上が「必要」と答え、「不要」は5.8%に留まっています。必要とする理由では「国力の維持」「行政サービスの迅速化・簡素化」が5割を超えています。

 行政手続きのデジタル化が遅れている理由としては「書面や対面主義など根強い慣習」が34.1%、「苦手意識」が31.8%となっています。来年秋に創設されるデジタル庁については「期待する」が「期待しない」の約2倍の39.1%に達しています。デジタル化を進めるために必要なことは、「学校教育におけるICT教育の推進」「国が率先してデジタル化を進める」が同率でトップ。このほか、5人に1人弱がデジタル化に必要な知識は身についている、と答えています。

 本調査の結果を受けて日本財団の坂本織江氏は以下のように述べました。

「日本のデジタル化の現状について、18歳の評価は割れた。「遅れている」とした4割弱は主にコロナ禍のオンライン授業の遅れを指摘する人が多く、「遅れていると思わない」「わからない」ではともに他国に比べて遅れていると実感できないといったこと理由が挙がった。

 ICT機器の使用状況を見ると、スマホとタブレットは9割が使用しているものの、プログラミング教育に必要なパソコンは6割弱に下がる。OECD生徒の学習到達度調査でも、学校の授業でのデジタル機器の利用時間はOECD加盟国の中で日本は最下位だ。まだICT機器が学びに取り入れられ始めた段階にある若い世代に、日本の目指すデジタル化社会が見えにくいのかもしれない。

日常的に使するICT機器

日常的に使するICT機器

 一方で、国をあげてデジタル化を進める必要があるかの問いには、「必要」が65.5%で「不要」は5.8%に留まった。必要派の理由は「国力の維持・向上」がトップだった。現にスイスの国際経営開発研究所が発表した2020年度「世界のデジタル競争力ランキング」の全63カ国・地域中で日本は27位で、香港(5位)や韓国(8位)、台湾(11位)そして中国(16位)に後れをとる。その遅れを取り戻すべく、デジタル化社会の教育で必要なものを聞いたところ「学校のICT環境を整備」「プログラミング言語やITリテラシーの学習」が同率42.7%で並んだ。若い世代もデジタル化の実装とIT人材の育成を望んでいるようだ」

■18歳意識調査「デジタル化」の概要
調査対象:全国の17歳~19歳男女
調査除外:下記の関係者は調査から除外
 印刷業・出版業/マスコミ・メディア関連/情報提供サービス・調査業/広告業
実施期間:2020年11月13日(金)~11月17日(水)
調査手法:インターネット調査

■調査報告書について
詳細については、「18歳意識調査」のプロジェクトページに掲載している報告書をご覧ください。

■18歳意識調査について
2015年の改正公職選挙法で選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げられ、翌年の参院選から新たに「18~19歳」が投票に参加しました。民法の改正に伴い2022年4月には成人年齢も18歳に変わります。そこで日本財団では、18歳の若者が何を考え、何を思っているのか、継続して調べる意識調査を2018年10月からスタートさせました。次代を担う18歳の意識を幅広く知ることで新しい社会づくりに役立てるのが狙いです。

<問い合わせ先>
〒107-8404東京都港区赤坂1-2-2日本財団ビル
日本財団 広報チーム
E-mail: pr@ps.nippon-foundation.or.jp

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