障害者アートなど国内外2000点から選出―渋谷で作品展、6月5日まで (2018/5/25 日本財団)
国内外から2,000点を超す応募
横浜で開催、23日に東京へ移動
障害者のアート活動を中心に、多様性の意義と価値を広く伝えるために設立された日本財団DIVERSITY IN THE ARTSは、国内外から公募した2,150点の中から入賞作52点を選んで「日本財団DIVERSITY IN THE ARTS作品展」を横浜市の障害者スポーツ文化センター横浜ラポールで開催している。23日には会場を東京・渋谷のBunkamura Galleryに移し、6月5日まで続けられる。入場無料。
この作品展は、2011年度から国際障害者交流センター(ビッグ・アイ)の主催で行われてきたが、今年度から日本財団DIVERSITY IN THE ARTSが引き継いで実施することになった。今回の作品募集は同交流センターが行い、「ビッグ・アイアートプロジェクト2017」の審査員8人が入賞作を選んだ。応募総数は2,150点で、過去最高となった。内訳は国内が1,739点、海外が411点。この中から52点が入賞作に選出された。内訳は国内43点、海外9点。海外ではオランダ、カナダ、韓国、スリランカ、香港の5カ国・地域からの応募者が入賞した。作品展には入賞作52点が展示されている。
審査員は秋元雄史・東京芸大大学美術館長・教授、エドワード・ゴメズRAW VISION主任編集者、造形作家の西村陽平さんら8人。審査員総評で秋元教授は「応募総数は過去最高だったが、内容的にも充実していた。特筆すべきは国際性とジャンルの幅広さであろう。参加国は12カ国になる。また表現方法は、絵画、イラスト、立体、写真、書と多岐に渡る」と評価している。また、西村さんは「世界の国々からの応募作品ですが、大きく変化したのはアジアからの作品です。最近はコンクールの意図が理解されてきたようで、魅力的な作品が多くなりました」と述べている。
作品展のポスターに選ばれたのは、大阪府のAjuさんの<東京建設105時間30分>と題されたペン画で、大阪国際がんセンター賞を受賞した。真ん中に東京タワーを置き、直線と四角がたくさん集まる東京の街を丹念に描いた作品。本人は「東京に来たうれしさを表現した作品」と言い、タイトルは下書きせずに描きあげた制作時間を表しているという。
横浜会場は、障害者スポーツ文化センター横浜ラポールの1階にある。運動やリハビリに来る人たちが多く、作品を熱心に鑑賞していた。小中学生向けの書道教室を開いていたという上原春草さん(82)は「作家の皆さんは個性を持っているので、表現がユニークだ。集中力もすごく、大きな作品に仕上がっている」と感心していた。
東京会場は5月23日から6月5日まで、東京都渋谷区道玄坂2-24-1のBunkamura Galleryで開かれる。開館時間は午前10時から午後7時半まで。
●日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS 作品展 ~BiG-i Art Collection 2017~
●日本財団DIVERSITY IN THE ARTS ウェブサイト
●日本財団DIVERSITY IN THE ARTS パフォーミングアーツ・グループ ウェブサイト
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