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難病の子どもと家族を支える地域連携ハブ拠点、茨城県古河市にオープン (2018/4/20 日本財団)

茨城県古河市に「Burano」オープン
子どもを預けながらママたちが働ける

日本財団は全国で25万人以上といわれる難病の子どもと、その家族が孤立しない地域づくりを目指し、「難病の子どもと家族を支える地域連携ハブ拠点」を推進中。その15カ所目にあたる茨城県古河市の日中お預かり施設「Burano」(ブラーノ)で4月1日、開所式が行われた。さらに、今月から5月にかけて千葉県白井市、福島県福島市、富山県高岡市でも同様の施設がオープンする。日本財団は2020年までに全国で計30拠点を整備する計画だ。

「Burano」のテープカットをする(左から)尾形武寿理事長、秋山未来代表理事、針谷力市長、倉持健一市議会議長ら

「Burano」のテープカットをする(左から)尾形武寿理事長、秋山未来代表理事、針谷力市長、倉持健一市議会議長ら

古河市は、関東地方のほぼ中央にある茨城県の西端に位置している。先天性の難病児を抱える秋山未来「Burano」代表理事(34)は、近隣のママたちと一緒に昨年春、一般社団法人を立ち上げ、地元の住宅メーカーのオフィスとして使われていた一軒家をリノベーションした。2階建てで、1階は多機能型デイサービス「titta」(チタ)、2階はママのためのワークコミュニティ「kikka」(キッカ)として活用する。日本財団はリノベーション費用と福祉車両、パソコンなどの備品を補助している。

「Burano」はイタリア北東部のベネチアにある島の名前。港町で、漁師が船から自分の家を判別できるよう、カラフルな家々が立ち並んでいることで知られる。秋山代表理事は「人と人が繋がる場所にしたいという願いを込めて名付けた」と語る。「titta」はスゥーデン語で子が親に「見て見て」と言うときに使う言葉。「kikka」は、この場所で世界が広がる「きっかけ」になってほしいと命名した。

開所式は、リノベーションされた施設の前で行われ、近所の人たちや子連れのママさんたち多数が集まった。日本財団の尾形武寿理事長、針谷力・古河市長らがあいさつし、ハブ拠点の門出を祝った。この後、日本財団福祉車両の贈呈式が行われ、尾形理事長から秋山代表理事に車のキーが手渡された。その後、来賓の針谷古河市長、倉持市議会議長らに子どもたちも加わり、賑やかにテープカットが行われた。

福祉車両のキーを秋山代表理事に手渡す尾形理事長

福祉車両のキーを秋山代表理事に手渡す尾形理事長

秋山代表理事の夫、政明さん(33)はリクルートから市会議員に転進し、現在は一般社団法人「Burano」の理事として妻を支えている。秋山代表理事はハブ拠点設立の目的について「母と子が楽しく、安心して過ごせる場所にしたい。それに、子どもを預けることでママさんたちが自由な時間を持て、生活にゆとりができてくる。さらに、この拠点がモデルになり、地域で増やしていければいいと思う」と語った。

カメラに納まる秋山代表理事と夫の政明市議

カメラに納まる秋山代表理事と夫の政明市議

開所式の後、施設の内覧会と交流会が開かれた。1階と2階が大きな吹き抜けで繋がっていて、1階で遊ぶ子どもたちの様子が2階から見られるようになっている。2階で仕事をするママたちも安心して働ける仕組みだ。1階で遊ぶ子どもたちの定員は5人程度。働くママたちの定員は8人で、難病児のいないママさんも参加できる。スタッフは、看護師3人、保育士3人、それに機能訓練士らを含め12人となる予定。2階の仕事場にはパソコンが置かれ、それを使ってデータ入力やタウン誌の校正などを行うことができる。

1階にある子どもたちの遊び場。1階と2階が吹き抜けになっている

1階にある子どもたちの遊び場。1階と2階が吹き抜けになっている

医療の進歩によって救える命が増える半面、一命を取りとめたものの、重い障害が残ったり、人工呼吸器などの医療的ケアが必要になったりする子どもたちが増えている。難病の子ども約25万人のうち、医療的ケアが必要な子どもの数は1万7千人以上にのぼっている。このため、日本財団は難病の子どもと家族を支える地域連携ハブ拠点として20カ所の開設支援を決定、今回開所した「Burano」を含め、これまでに15カ所がオープンした。現在、4カ所の拠点開設を準備中で、このうち4月から5月にかけて3カ所の開所が決まっている。開所する3拠点と開所予定日は以下の通り。

△千葉県白井市の社会福祉法人「FLAT」(フラット)=4月15日(日)
△福島県福島市のNPO法人「パンダハウス」=4月21日(土)
△富山県高岡市のNPO法人「くるみ」=5月6日(日)

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