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青パト出発式、一宮市で開催―地域の自主防犯活動に (2017/3/7 日本財団)

地域の自主防犯活動に使用
日本財団助成事業の一環

地域の防犯活動に使用する青色回転灯装備車(通称:青パト)の出発式が2月18日、愛知県一宮市立 瀬部小学校(同市瀬部川原)体育館で盛大に開催されました。登下校時の子どもの見守りや犯罪防止、そしてまちづくりにも役立ててほしいとの願いを込めて、日本財団が全国で展開している青パト購入のための助成事業の一環です。

出発式の全景

出発式の全景

日本財団は「安全で安心して暮らせるまちづくり」を目指し2008(平成20)年度から、自主防犯活動に取り組む団体や、まちづくり協議会を対象に、青パトの配備支援を続けています。16(同28)年9月1日現在の助成実績は、37都道府県で計226台。2月25日には滋賀県大津市でも同様の青パト出発式が開かれる予定です。警察庁からは、青パトの車体に白黒塗装をする許可を得ています。

新たに導入された専用青パト車(手前)と、これまでの一般青パト車

新たに導入された専用青パト車(手前)と、これまでの一般青パト車

日本財団指定のデザインを施した青パト新車両を今回導入したのは、一宮市時之島地区の自主防犯ボランティア団体「時之島協和会」です。同市は愛知県の西北部に位置し人口約38万人。名古屋市と岐阜市に近く、総合繊維産業都市として全国に知られています。

地域内で侵入盗やひったくりなどの犯罪が多発したことから時之島8町内町会長が03(同15)年10月、時之島町内の防犯と住民の親睦を図ることなどを目的にこの会を結成。06(同18)年1月からは子どもの安全を見守ることも視野に入れ、個人所有の乗用車を利用した一台目の一般青パト車を導入してパトロール活動行ってきました。

主催者あいさつをする時之島協和会の瀬戸保利会長

主催者あいさつをする時之島協和会の瀬戸保利会長

「自分たちの町は自分たちが守れ」の合言葉の下▽瀬部小、西成中学校(同市西大海道)、西成東部中学校(同市定水寺)の各校区内を一般青パト車でパトロール▽東時之島、西時之島両公民館周辺は夜1時間、歩いてパトロール▽瀬部小児童の登下校を徒歩で見守り▽防犯対策資料を行政や警察から入手して町内会に配布▽行政、警察の防犯活動や講演会への参加-など、これまで、さまざまな活動を展開。06年度からは町内会の助成を得て、隊員に帽子・ジャンパー・ベスト・合図灯なども装備してきました。

一宮市の犯罪事情を説明する愛知県警一宮警察署の寺倉利彦署長

一宮市の犯罪事情を説明する愛知県警一宮警察署の寺倉利彦署長

ところが会結成14年目を迎え、当初メンバーが高齢化して人数が減り始め、一般青パト車も個人所有のために維持が難しくなってきました。このため日本財団に助成を申請、このほど新車の導入が実現しました。今後は「専用青パト車と一般青パト車」の2台体制で防犯活動ができるようになりました。

朝・夕の子どもの見守り▽徒歩や青パトを使った防犯活動▽盗難・車上荒らしなどの発生を防ぐため違法駐車車両のチェック-などを引き続き行うとともに、交通安全対策「自転車の乗り方」も活動に加える方針です。会のメンバーは現在約30人ですが、ほかの町会などからも興味を持つ人が現れてきており、この先は総勢40人ほどの体制になる見込みです。

来賓あいさつをする一宮市の中野正康市長

来賓あいさつをする一宮市の中野正康市長

当日は一宮市内にある19の地域防犯パトロール隊のうち12団体の皆さんもパトロール車両とともに駆け付け、出発式はにぎやかに開催されました。来賓祝辞で愛知県警一宮警察署の寺倉利彦署長は「愛知県警や一宮署の犯罪はピーク時に比べ約3分の1に減っていますが、一宮市は安心できないところがあります。愛知県の市町村別はもとより全国的に見ても実は、ここ一宮は住宅を対象とした泥棒が多発し全国ワーストワン、悪いことで突っ走っています」と侵入盗認知件数の多さを説明し「パトロール隊の皆さんは、われわれ警察にとっては大変強い味方です。今後とも皆さん方と協力して、少しでも犯罪の起きにくい町づくり、悪い人が入りにくい地域づくりをしていきたいと思いますので、よろしくお願いします」と呼び掛けました。

これに先立つ主催者あいさつで、時之島協和会の瀬戸保利会長は、地域での青パト活動だけではなく、時之島地区を含む西成連区、さらに市内にある23連区全体での青パト活動に広げていけば「何とか全国ワースワンは返上できるのではないかと希望を持っています。青色回転灯というのはかなりの犯罪抑止力があります。この一宮全体の問題として、活動を連区に拡大し、皆さんと協力して侵入盗を減らしていきたい」と訴えました。

日本財団から瀬戸会長(右)伊藤甲之副会長(中)にレプリカキー手渡し

(写真左)日本財団から瀬戸会長(右)伊藤甲之副会長(中)にレプリカキー手渡し/(写真右)決意を表明する伊藤新会長

続く来賓あいさつで同市の中野正康市長は「平成18年と比べると一宮署の刑法犯認知件数は半分ほどになっていますが、犯罪を減らすのには警察や行政の力だけでは限界があります。皆様の地域に根差した活動のおかげで100点満点とはいかなくても、着実に、徐々に良くなってきていると考えています」と活動を続けるパトロール隊の皆さんに感謝と今後に期待する言葉を述べました。

日本財団の笹川陽平会長はじめとした祝電が披露された後、日本財団審査本部国内事業審査チームの武藤正浩が、時之島協和会の瀬戸会長、伊藤甲之新会長に、新青パトのレプリカキーを手渡しました。

新青パトを囲み時之島協和会隊員そろって記念撮影(瀬部小校庭)

新青パトを囲み時之島協和会隊員そろって記念撮影(瀬部小校庭)

最後にこの式典をもって瀬戸会長からバトンタッチを受けた伊藤新会長が、時之島協和会の隊員が全員起立する中、専用青パト車が連区に最低1台、23連区で23台配備ができ、それぞれが防犯活動をすればワーストワンからの脱出も夢ではないと述べ「私たちは防犯・交通安全活動を行い、安心安全な町づくりを目指し、隊員一堂、活動をすることを、ここに誓います」と高らかに決意を表明しました。その後、同署のパトカー先導で、市内各防犯団体の青パト十数台が同小校庭を出発し、式は終了しました。

●青パト配備(日本財団ウェブサイト)

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