車いすでも安心、鳥取県がユニバーサルタクシーの配備を促進 (2016/8/23 日本財団)
鳥取県、日本財団共同プロジェクトで
高齢者、障害者だけでなく誰もが利用
「日本一のボランティア先進県」を目指す鳥取県と日本財団の共同プロジェクトのひとつタクシーのユニバーサルデザイン(UD)化の第一弾としてUDタクシー14台がこのほど鳥取市内に配備されました。年内に100台、3年間に計200台が配備され、鳥取県内を走るタクシーの4台に1台がUDタクシーに切り替わる予定。高齢者や障害者だけでなく誰もが安心して利用できる新たな“地域交通のモデル”となると期待されています。
UDタクシーは2012年から国の認定制度がスタート。一般のセダン型タクシーと違ってワゴンタイプで車内は縦、横ともゆとりがあるほか、スロープを使って車椅子のまま乗車でき、ドアの開閉に合わせて乗り降りの際のステップも利用できるように設計されています。
高齢者や障害者、車椅子使用者、ベビーカー利用の親子連れ、妊娠中の女性は言うまでもなく、多くの荷物を持った利用者にも利用しやすい構造になっているのが特徴です。
鳥取に配備されたUDタクシーは全車、目立ちやすい黄色に統一され、横面に緑色の専用マーク、さらに黒く「UD TAXI」の文字が大きく書かれています。一般タクシー車両より1台当たり100万円ほど高く、全額、日本財団が負担、最終的に予算6億円で200台を鳥取県内全域に配備する予定です。
同県内では28のタクシー会社が約800台のタクシーを営業しており、プロジェクトでは各社からの申請内容や経営状態などを審査の上、配布先を選定、各社はこれに合わせ一般タクシーからUDタクシーに順次、切り替える方針で、県内全体の営業車両数に増減はない見通しです。
料金は一般タクシーと同じ初乗り630円。導入された14台は鳥取空港などに配車されていますが、まだ一般に馴染みが薄く、「高齢者や障害者向けの専用車両」といった“誤解”もあるようで、タクシー業界と共同プロジェクトでは「誰もが利用できる使い勝手のいいタクシー」を前面に幅広い普及を図る方針です。
UDタクシーは昨年春現在、全国で約700台が営業運転されており、東京都では東京五輪・パラリンピックが開催される2020年までに都内を走る法人タクシー3万台のうち1万台のUD化を目指し、UD車を新規購入する事業者に1台当たり60万円を補助する方針を打ち出しています。同様の補助制度を設けている国も、やはり2020年を目標に、全国24万台のタクシーのうち10%強の2万8千台をUDタクシーを含めた福祉タクシーに切り替えていく考えです。
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