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トットリズムで日本一のボランティア推進県に (2016/8/10 日本財団)

民間14団体と4事業所が参加して結団式
鳥取県と日本財団の共同プロジェクト

“日本一のボランティア先進県”を目指す鳥取県と日本財団の共同プロジェクト「私たちからとっとりを変える!」のキックオフ結団式が7月29日、鳥取県の知事公邸で開催されました。初年度となる今年、第一期の助成対象に決まったのは地域づくりに取り組むNPOなど民間14団体と障害者の工賃向上を目指す4つの福祉事業所。プロジェクトでは5年間に民間100団体と30事業所を支援、ボランティア先進県づくりを活性化させる考えです。

関係者で結団式の記念撮影

関係者で結団式の記念撮影

民間14団体は申請があった19団体から選ばれ、中高生や住民による映像・番組制作を通じた地域情報の発信、自転車リヤカーによる移動販売、聴覚障害者サロンの拠点整備、砂丘を利用した地域コミュニティの活性化、里山を活用した健康づくりモデル事業など多彩な事業が並んでおり、各団体には120~300万円、14団体合計で3,752万円が活動資金として助成されます。

結団式で挨拶する平井鳥取県知事

結団式で挨拶する平井鳥取県知事

また工賃向上プログラムでは、いずれも障害者が働く印刷、弁当宅配、ジェラード・コーヒーショップ、惣菜製造・弁当デリバリーなどに取り組む4事業所が助成対象に選ばれ、カラープリンターの導入や新店舗の改修、施設の新設、セントラルキッチンの整備などに計1億762万円を助成。プロジェクトでは、これによって障害者の就労技術をアップさせ、現在月約1万3000円~3万2000円の工賃を2~3倍に増やすことで、障害者の就労環境の向上を進める考えです。

挨拶する尾形日本財団理事長

挨拶する尾形日本財団理事長

結団式には助成対象に選ばれたNPOや事業所の関係者ら約40人が出席、日本財団鳥取事務所の木田悟史所長が各団体を紹介、平井伸治知事は「いよいよ多くのプロジェクトが走り始めます。それぞれがトットリズムに立って、理解し合い、支え合うことが大切だと思います」と出席者を激励。14団体の一つで「もちがせ(用瀬)パワーアッププロジェクト」に取り組む「もちがせコミュニティまちづくり」の森田孝明代表は「若者による空き家を活用したレストハウス、カフェの起業や地元の特産品を活用して元気な農業の育成にも取り組みたい」と意気込みを語りました。

「もちがせコミュニティまちづくり」メンバー

町の活性化を語る「もちがせコミュニティまちづくり」メンバー、左端が森田代表

また鳥取市内でジェラート・コーヒーショップ事業を行う「フェリース」の岡村恵美理事長は「県内産のフルーツなどを使い、働く障害者の輝ける職場づくりと地域の皆様に喜んでいただける店づくりを進めたい」と決意を語りました。フェリースでは、現在月1万2500円の障害者の工賃を4万1700円まで増やすのを目標としているとのことです。

多彩な商品が並ぶ「フェリース」店内

多彩な商品が並ぶ「フェリース」店内

これを受け日本財団の尾形武寿理事長は「昨年末、プロジェクトを立ち上げてから半年余り。よくぞここまで来たというのが実感です。私たちは事業をほんの少し後押しするだけですが、あと4年半、“なるほど”と言われるような鳥取県となるよう少しでも頑張りたい」と述べました。

プロジェクトは「響かせようトットリズム」のスローガンの下、中山間地域の生活支援、将来の担い手・リーダーの育成など9項目を柱に幅広い事業の展開を目指しています。この日は工賃向上事業に関連し、鳥取県内の福祉事業所の横の連絡組織「工賃日本一達成事業所協議会」を設立、会長に選ばれた4事業所の一つ「和貴の郷」の河村仁志理事長は「県内には100を超す福祉事業所があります。共通の悩みや問題を話し合い、目標に掲げた工賃を達成、全国的なモデル事業となるよう目指したい」と述べました。

福祉事業所を利用する関係者からも「障害を持った人が世の中のお荷物になるのではなく、社会に入り込んで頑張っていきたい」と力強い発言があり、最後に平井知事にプロジェクトの進捗状況について感想を求めると「すべて順調。うまい滑り出しになりました」と笑顔で語っていました。

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