第6回政治山調査「2012年東京都知事選に関する意識調査」(3/3)  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

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都民の約半数が石原都政を評価、猪瀬氏支持が4割に迫る!

第6回政治山調査「2012年東京都知事選に関する意識調査」(3/3) (2012/11/28 政治山)

関連ワード : 知事選 調査 

 近年、その影響力や伝播力の大きさから社会的注目度が高まる、TwitterやFacebookをはじめとするソーシャルメディア。今回の東京都知事選挙は、このソーシャルメディアの中でどのように語られているのだろうか。政治山では、「政治山リサーチ」のソーシャルメディア分析機能を利用し、11月22日から26日の5日間に渡り、候補者の姓をキーワードにTwitterの書き込み内容(ツイート)を収集・分析した。

RTの強い伝播力と情報発信力を活用

 今回の分析でまず目を引いたのが、そのツイート数の少なさだ。5日間合計のツイート量はわずか298件、1日あたり59.6件だった。この298件のうち、宇都宮氏に関するツイートが最も多く111件、次いで猪瀬氏が105件とこの2者に関するツイートが7割以上を占めた。以下、トクマ氏、マック赤坂氏、松沢氏、中松氏、笹川氏という順に並ぶ。このツイート数の推移をまとめたのがグラフ10である。

 1127_graph10では、どのようなユーザーがどのような内容をツイートしていたのだろうか。ツイート数の多かった宇都宮氏と猪瀬氏を対象にその内容を紹介しよう。

 まず、宇都宮氏に関するツイートは、イベントの告知が中心的だった。その中で、最もRTされたツイートは、[しんぶん赤旗日曜版 (@nitiyoutwitt)]が告知したイベントに関するツイートで、34回RTされている。次いで、[宇都宮さんとともに都政をかえよう三多摩(@NetSantama)]による各種イベント告知が多くRTされている。

 1127_graph11では、このツイートは告知としての役割を果たしたのだろうか。イベントへの実際の動員数にこのツイートが与えた影響を正確に測ることはできないが、Twitter上にこの情報がどれだけ流れたのか、その延べ回数を調べることはできる。

 [しんぶん赤旗日曜版(@nitiyoutwitt)]のツイートは、26日時点で34回RTされている。そして、このツイートをRTしたそれぞれのユーザーのフォロワー数の総数は28,293人である。したがって、このツイートはさまざまなユーザーのタイムラインに延べ28,293回現れたことになる。さらに、グラフ11に示すように、宇都宮氏に関するツイートをしたユーザーの68%が宇都宮氏のフォロワーであり、すでに関心を持っているユーザーの関心をより一層、高めることにひと役買ったとも考えられる。RTの持つ強い伝播力を生かした情報発信であったと言えるだろう。

ネットのネガティブな一面も表出

 では、猪瀬氏に関するツイートはどうだったか。宇都宮氏とは対称的に猪瀬氏に関するツイートの81%は、猪瀬氏のフォロワー以外によってなされている。猪瀬氏のフォロワーは272,748人と、宇都宮氏の21,147人の10倍以上となっているにも関わらず、である。では、そのユーザーたちはどのようなことをツイートしていたのか。その多くが、猪瀬氏に対するネガティブな内容であった。

 その内、最もRTされたのは匿名のユーザーによる猪瀬氏の態度を非難する内容のツイートで17回RTされた。それに次いだのが、石原都政の税金のむだ遣いを指摘して継承者の猪瀬氏を非難する内容のツイートで12回RT。さらに、このようなネガティブな言説に対し、宇都宮氏を支持している[野村羊子三鷹市議会議員(@hitujinomura)]は「だから東京を変えよう!」とツイートし、8回RTされた。

 これ以外にも明らかな誹謗中傷・名誉毀損を含むツイートも少なからず存在した。これは、従来のメディアではフィルタリングされて公共の空間に現れることのなかった言葉だ。これが無制限に掲載されるという、ソーシャルメディアの特徴の1つが現れたものだろう。

 今回、分析対象とした両氏に関するツイートは、選挙戦を考えると両極端な内容となっていた。一方は、候補を支援するカタチで草の根の力を引き出そうとし、もう一方は、候補を非難・中傷することが目的となっている。これもソーシャルメディアの特徴であり、インターネットを使った選挙戦が解禁になった際には、さらに注目が集まるに違いない。

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 今回の都知事選は、図らずも衆議院選挙と投開票日が重なり、都民にとっては「W選挙」となり、いつになく注目が集まっている。これはグラフ2で紹介した結果にも現れていた。都知事選も含め衆議院選挙も、今現在もさまざま動きが伝えられている。12月16日までの選挙戦、これからも目が離せない状況が続きそうだ。

(政治山:二木頼之)

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