都民の約半数が石原都政を評価、猪瀬氏支持が4割に迫る!
第6回政治山調査「2012年東京都知事選に関する意識調査」(2/3) (2012/11/28 政治山)
ここでは、これまでの石原都政を踏まえ、次の都知事に解決してほしい課題や、立候補予定者(11月21日現在)に対する評価など、将来の東京都を見据えた意識調査の結果をお伝えする。ここでも、石原氏支持派と反支持派で大きくことなる傾向が見られた。
判断が分かれる「五輪」「銀行」「築地」
次の都知事が就任後、まず取り組むべきことを聞いたQ4の結果がグラフ6だ。これは、選択肢を用意しその中から3つ選んでもらう方法で回答いただいた(3つ必須)。結果、一番多くの回答を得たのは38.8%の「雇用問題」だった。 続いて、「震災対策」「医療・福祉の改善」が37.8%の同率で並び、次に「少子・高齢化問題」が37.1%となった。ここまでの4項目が3割を超えた。
このほか、「生活保護問題」(22.3%)、「教育問題」(18.1%)、「道路・交通問題」(16.5%)などが続き、「オリンピック招致」と「オリンピック招致の中止」がほぼ同率の14.3%、14.8%で並ぶ。これは、オリンピック招致に関しては賛否が分かれていることがよく分かる結果だ。
一方、「オリンピック招致」と併せ“石原都政の宿題”となっている「新銀行東京」と「築地市場」の問題に関しては、興味深い結果となった。まず「新銀行東京」では、「再建」が1.9%だったのに対し、「処理」が18.9%と圧倒。さらに、「築地市場」では「移転」が3.7%、「移転中止」が10.2%だった。都民が石原氏の評価以前に、この2つに関しては反対の意見が大勢を占めていることが分かる。
この結果を、前回の都知事選で石原氏へ投票した人と、石原氏以外に投票した人に分けて見てみる(グラフ7)。「雇用問題」「震災対策」「医療・福祉の改善」「少子・高齢化問題」に特徴的な違いは見られない。ここで大きな差が出たのがやはり、“宿題”である「オリンピック」「新銀行東京」「築地市場」だった。
「オリンピック」では、「招致」「招致の中止」が石原氏に投票した人・しなかった人で、比率も含め真逆の結果になっている。また「新銀行東京」「築地市場」でも、賛否が投票した人・しなかった人で逆転した。オリンピックは、総合(グラフ6)では招致と中止が拮抗していたが、この結果(グラフ7)を見るとどの層が賛成し、どの層が反対しているかがよく分かる。投票しなかった人の賛成と、投票した人の反対(中止)が7.2%で同率だったのは偶然ながら、石原氏の評価が極端に分かれる状況をよく表している。
知事になって欲しい人、猪瀬氏を上回った回答は?
Q5で、今回の調査を実施する前日の11月21日時点で正式に出馬表明していた立候補予定者(9人)の中で誰に知事になってほしいかを聞いた(グラフ8)。なお、グラフ8では五十音順に表示しているが、調査時は回答者ごとにランダムに名前が表示されるように設定した。
立候補予定者の中では、石原都政の継承者である猪瀬直樹氏が38.0%で他を圧倒する結果となった。次点は、宇都宮健児氏で6.6%、知事・国会議員経験者の松沢成文氏は3.7%、続いて元衆議院議員の笹川尭氏と中松義郎氏がともに0.7%だった。
ただ、「まだ選べない」と回答し、態度を決めかねている人が38.3%と、猪瀬氏と回答した人の割合を上回っている。さらに、「この中には適任者はいない」と回答した人も10.7%で、これも決して低い数字とは言えない。ちなみに、Q5の猪瀬氏と宇都宮氏、松沢氏、笹川氏を合わせると49.0%。「まだ選べない」と「この中には適任者はいない」の合計も49.0%である。これらの結果からも、今回の都知事選はその戦い方によっては、ひと波乱起こる可能性もありそうだ。
支持政党は自民伸長、民主が微増、維新は微減?
今回の調査では、現在の支持政党も聞いた(グラフ9)。約1カ月前(10月25~27日)に実施した「第5回政治山調査」との対比で見ていこう。
支持がもっとも多かったのは自民党で15.4%。前回の12.5%から支持を伸ばしている。次いで、日本維新の会が8.8%で2番手に入った。しかし、前回は太陽の党(“石原新党”として集計)合流前の日本維新の会が4.5%で、“石原新党”は7.0%。合計で11.5%だったことを考えると、若干の後退となったのだろうか。
民主党は6.1%となり、解散前の前回調査4.7%から回復した。この結果は、新聞社やテレビ局など、他メディアでの世論調査でも民主党が若干ながら回復しているという結果と合致している。3番手であることは変わりなく、自民党との差はむしろ広がっているが、日本維新の会との差は縮まった。
一方、「支持政党なし」は54.0%と過半を超える状況は変わっておらず(前回58.8%)、こうした層の投票行動によっては結果が大きく変わってくることは、これまでの流れと同じだ。なお、今回の調査は東京都民のみを対象としたもので、日本未来の党の立ち上げや同党への他党からの合流など、11月26日以降に起こった流れを反映していない。政治山では早急に、こうした動きも踏まえた全国意識調査を実施する予定だ。
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ここまでは、「政治山リサーチ」によるネット意識調査の結果をご報告してきた。次のページでは、「政治山リサーチ」のソーシャルメディア分析機能を利用し、都知事立候補予定者がTwitterでどのように語られているかを調査した結果をご紹介する。