都民の約半数が石原都政を評価、猪瀬氏支持が4割に迫る!
第6回政治山調査「2012年東京都知事選に関する意識調査」(1/3) (2012/11/28 政治山)
政治山では11月22日~26日、ネット意識調査サービス「政 治山リサーチ」を利用し、12月16日に投開票が行われる東京都知事選挙に関する意識調査を実施した。調査は、都内在住の20歳以上の男女を対象とし、 “石原都政”の評価や次期知事の課題、投票意識などを聞いた。回答者は1,094人。調査の結果、石原前都知事を評価する回答が5割に迫り、4割弱が猪瀬 氏を投票先と考えていることが分かった。さらに、「政治山リサーチ」の一環として、「ソーシャルメディア分析」を実施し、各立候補予定者がSNS上でどう語られているかを調査・解析したので併せてお伝えする。
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[調査概要] 調査方法や回答者属性はこちらをご覧ください。
[関連ページ] 第5回政治山調査「都知事選・衆院選に関する<緊急>意識調査」(2012/10/31)
前回投票に行かなかった人も、今回は「行く」
今回の調査ではまず、Q1で前回(2011年4月)の都知事選で誰に投票したかを聞いた(グラフ1)。ここでは、前回の政治山調査(第5回)とそれほど変化はなかった。39.4%が石原慎太郎氏に投票したと回答。次に、東国原英夫氏が12.6%。以下、渡辺美樹氏、小池晃氏、ドクター・中松氏と続くのは前回と同様だ。
「投票に行かなかった」人は21.4%と、5人に1人の割合である。また、「覚えていない」が前回の12.0%から13.9%へ増加している。仮に、この両者を“消極的参加者”と定義すると、計35.3%(前回34.2%)と1/3を超えている。これが、今回の東京都知事選の投票に行くかを聞いたQ2で大きく変化していた。
グラフ2をご覧いただきたい。Q2で今回の都知事選の投票(12月16日)に行くかを聞いたが、「必ず行く」と回答した人が53.2%、「行くつもり」が26.3%となった。この2者を“積極的参加者”とすると、その割合は 79.5%と実に8割近くになる。一方、「行かない」としている人は5.9%となっており、今回の都知事選がいかに注目を集めているかが分かる。
さらに、Q1で「投票に行かなかった」と回答した人の、今回の選挙への参加意思を確認したのがグラフ3だ。今回も「行かない」とした人が24.4%だったものの、「必ず行く」と回答した人が13.7%、「行くつもり」(26.9%)も合わせると4割を超える人が、今回は投票に行こうと考えていることが分かった。
こうした結果からも今回の都知事選は、衆議院選挙と同日となったこともあり、前回の投票率(57.8%)を上回ることが予想される。無党派層を巻き込んで波乱が起きるのか、注目されるところだ。
石原都政に高い評価
今回の都知事選は石原都政の評価や継承が1つの争点になっているが、これに関連してこれまでの石原都政の評価を聞いたのがQ3(グラフ4)である。結果は、「高く評価する」が11.2%、「評価する」が38.5となり計49.7%。約半数が石原氏の都運営を評価していることが分かった。これを“支持率”と考えると、これまでの石原都政は「成功」とも言える非常に高い数字である。一方、「評価しない」(17.5%)、「まったく評価しない」(10.7%)を合わせると28.2%となり、こちらも“不支持率”と捉えると野田内閣末期に比べ、圧倒的に低い数字だ。
これをQ1の「前回の投票先」に石原氏と回答した人に絞って見てみた(グラフ5上)。「高く評価する」「評価する」を合わせ、実に78.7%の人が石原都政を評価している。これは自分が選んだ政治家が期待通りの“仕事”をしたと判断した人が8割近くいたとも言える。逆に、石原氏に投票したにも関わらず、“仕事”を評価していない人は1割にも満たなかった。石原氏に関してはさまざまな評価がなされているが、少なくとも同氏を支持し投票した人にとっては“きちんと仕事をするいい政治家”だったことが伺える結果である。
一方、前回の都知事選で石原氏に投票しなかった人が、石原都政をどう評価したのかを見たのがグラフ5下である(「投票に行かなかった」「覚えてない」は除く)。「高く評価する」「評価する」は計32.9%で約1/3。「まったく評価しない」「評価しない」と回答した人は計53.5%で約半数。ここでは、「評価する」と「評価しない」が拮抗する結果となった。
ここで差を分けたのは、「高く」と「まったく」の割合だ。次のQ3の「理由」からも分かるように、石原氏に強いアレルギー反応を示す層が少なからず存在している。「まったく評価しない」はこうした層から多くの回答を集めたようだ。
評価の理由は発言力・行動力、非難の理由は発言や考え方
では、Q3で評価判断に併せ、その理由も自由記述方式で回答いただいているので、その内容を見てみよう。ここでは、特徴的もしくは象徴的な回答の中からいくつかを紹介する。
- ■「高く評価する」と回答した人の理由(抜粋)
- ・リーダーシップ、発言力、実行力がある。
- ・都の財政を健全化したから。
- ・あの強引さがないとできないことが多く、かつ実行できていることが多い。
- ・行動力と決断力があり、はっきりとものを言える。
- ・多少、過激な面はあるが、日本の誇りを基軸に置いた政治姿勢がよい。
- ・強い発信力、影響力、実行力を持っていた。
- ・今までの都政が大きく変わったから。
- ■「評価する」と回答した人の理由(抜粋)
- ・特段大きな失政はなかったので。
- ・国を動かすほどの影響力をもって、都政をひっぱってきたから。
- ・ディーゼル規制やオリンピック招致活動はよかったと思う。
- ・新銀行東京関連を除き不満はない。
- ・少なくとも都政に大きな混乱をもたらすことはなかった。
- ・やや独断的ではあったが、築地移転以外はほとんど評価する。
- ・よくも悪くも決めることは決めていた。
- ■「評価しない」と回答した人の理由(抜粋)
- ・任期の途中で辞職した。
- ・政策よりも個人的感情ですすめるところがあった。
- ・潔さはよかったが、尖閣問題など、引っ掻き回して途中放棄するのは評価できない。
- ・ディーゼル車排気ガス規制と東京マラソンは評価するが。
- ・銀行の問題で、責任をとっていないから。
- ・都民銀行の失敗は大きい。
- ・差別発言があるなど知事の人間性に問題があると思う。
- ■「まったく評価しない」と回答した人の理由(抜粋)
- ・失言の多さや、尖閣問題など。人間として信頼に値しない。
- ・新銀行東京、オリンピック招致など、すべて中途半端で都税をむだにした。
- ・あまりにも独善的な姿勢が目立つ。
- ・無謀でしかない銀行設立や五輪招致事業を実施した。
- ・教育分野での統制強化が目に余る。
- ・弱者やマイノリティへの配慮に欠ける。
- ・失言が多いというが、あれは「本音」だと思う。
- ・何の実績があるのか全くわからない。
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ここまでは、過去の都知事選や石原氏の東京都運営に関する都民の意識を調査してきたが、次のページでは今回の都知事選に対する意識を調べた結果をご紹介する。このページの結果を踏まえ、都民がどんな都政を求め、どういった知事を望んでいるかをリサーチした。
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