自転車を購入したら必ず防犯登録をして盗難対策! (2019/2/10 「Moly.jp」編集部)
日常生活に欠かせない自転車。手ごろな価格で購入でき、車と違ってガソリンを使わないので環境にも優しい乗り物です。
自転車の購入に当たり、防犯登録が必要なのは知っていますか。自転車の防犯登録とは、万一盗難被害に遭った際に警察が発見しやすくするための重要な手続きです。防犯登録番号をもとに警察のデータベースで共有するため、捜索時にとても心強いのです。ここでは防犯登録の意義や盗難時の対応について説明します。
自転車の防犯登録は法律で定められた義務
子供用、いわゆるママチャリ、ロードバイクなどなど、さまざまな種類がある自転車。いずれの場合も購入時には防犯登録が必須です。
「自転車の安全利用の促進および自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」第12条に規定されており、自転車を購入すると必ず登録しなければならないことになっているのです。
みなさんの自転車にも貼ってあることと思いますが、楕円形のステッカー、あれが防犯登録の証明です。この自転車はきちんと警察に登録していますよ、という証なので、絶対に貼らなくてはいけません。
ステッカーとともに必要なのが書類の記入です。記入内容は購入者の情報や車種、車体番号、購入店など。
登録費用は自治体によって異なりますが、500円前後のケースが多いです。購入店で自転車購入費と併せての支払いです。
ちなみに、通販で購入した場合、「自転車防犯登録所」の看板を掲示している自転車店に自転車を持ち込めば登録可能です。その際は領収書と身分証明書を忘れずに。
もし防犯登録した自転車が盗難に遭ったら
自転車は車と違い、盗もうと思えば簡単に盗めてしまいます。つい数分前まであったはずの自転車がなくなっているなんてことは珍しくありません。また高級車ほど狙われやすいため、いつ盗まれてもおかしくないのです。
では具体的にどうするか。まずは最寄りの警察や交番で盗難届を出しましょう。「自転車を盗まれてしまった」といえばすぐに対応してもらえるので難しいことはありません。
届出の書類に記入するのは住所や氏名などのほか、防犯登録番号と車体番号です。これらが分からなくても書類の提出はできますが、車両の特定が困難なので戻ってくる可能性は低くなってしまいます。
聞き取り調査も含めて30分程度で終了するので、盗難が分かった時点ですぐに被害届を出しに行きましょう。
防犯登録した盗難自転車が見つかったら
盗難届が受理されると、警察のデータベース上で情報が共有されます。幸いにも愛車が見つかれば警察からその旨連絡が来るため、車両を引き取ることになります。
身分証明書と印鑑を持参し、当該車両が自分の物であると一筆書いて提出すればそれで終わり。犯人が捕まればもちろんその旨伝えられます。
では警察が発見する前に自分で見つけた場合はどうでしょうか。警察や交番に行き、「盗難された自転車が見つかったので盗難届を取り下げる」旨を伝えることになります。
見つかったのに何でわざわざ警察に伝えなければならないかと言うと、盗難届を出しているから。盗難されている状態なので、それを解除する必要がある訳です。
もし盗難届を取り下げずにそのまま自転車に乗っていると、なぜ盗難届を出しているのに自転車があるのかと追及されてしまいます。
また、その自転車を家族なり友人なりに貸せば、その人達は窃盗の容疑者として扱われてしまうことに。
いずれにせよ、自身で発見した際は必ず盗難届を取り下げなくてはなりません。
盗難自転車がオークションに出品されているケースも
主に高級自転車にありがちな、オークションでの出品。ときおり「盗まれた愛車とそっくりのものが出品されていた」というニュースを見聞きします。
こうした場合にも防犯登録番号や車体番号が役立ちます。それらを元に警察がショップに確認をおこなうため、万一番号が不明だと最悪の場合、取り返せない可能性も。
具体的な流れとしては、サイト名をメモするとともに、出品ページを保存または印刷し、出品者情報や出品物の特徴などを正確に残しておきます。
もし落札されてしまった場合、盗品だと知っているならば無償で返還を求められますが、そうでなければ盗難時より2年間を過ぎると返還請求できなくなります。
ところで、サイト上で愛車を見つけた際に「それは盗品なので出品を取り下げてくれ」とコンタクトを取るのはおすすめしません。
持ち主にバレたと気付かれ、証拠隠滅を図る恐れがあるからです。あくまで第3者を装い、確証が得られた段階で警察に相談する流れがベスト。
一刻も早く取り返さないと落札されてしまう、と焦ってしまいますが、相手のしっぽを掴むためにも冷静な判断をすべきところです。
防犯登録番号の他に自転車の傷や汚れなども正確に覚えておくべきか
長年使っていると傷やへこみ、汚れ、破損などが目立つものです。ライトだって切れかかっているかもしれないし、ステッカー類が色あせている場合もあるでしょう。
そうした特徴も含めて盗難届を出すべきでしょうか。
必須ではありませんが、やはり特定を容易にするには細部の特徴まで判明していた方が良いでしょう。子供用の自転車ならば名前が書いてある、キャラクターのシールを貼っているなどの特徴が分かっているか否かで発見率が格段に変わってきます。
いざ特徴を説明しようとしても、意外と詳しく述べられないものです。なので写真を撮影しておくことをおすすめします。
防犯登録番号と車体番号が分かっていれば本来は十分ですが、より特定しやすくするために細部の特徴も把握しておきましょう。
中古自転車を購入した場合の防犯登録
友人や家族など個人から譲り受けた自転車の防犯登録はどうすべきでしょうか。
まずは以前の所有者に「譲渡証明書」を作成してもらいます。そしてその証明書と自身の身分証明書、自転車本体を持参の上で自転車販売店やホームセンターに行き、防犯登録をおこないます。
(譲渡証明書の書式は「自転車防犯協会」などのHPからダウンロード可能)
また、リサイクルショップやオークションで手に入れた場合は業者から「保証書」「販売証明書」を発行するので、それらを持参して登録をおこないます。
引っ越して住所が防犯登録の内容と変わったら
引っ越した際は防犯登録の住所を変更する必要があります。
自転車販売店などの防犯登録所と警察のどちらで手続きするかは自治体ごとに異なるため、引越し先の警察か防犯協会に問い合わせましょう。
仮に変更を怠っても罰則はありませんが、以前の住所のままだと盗難届を出す際にややこしくなるので面倒です。本来は変更手続きするべきものですから、忘れずに完了しておきましょう。
自転車の防犯登録ステッカーを剥がしてはダメ
登録が義務なのと同様、ステッカーの貼付も義務です。万一剥がすと職務質問された際に「盗品なんじゃないか」と嫌疑をかけられるのは明白です。
あえて剥がす理由もないし、結果的に自分が不利になるだけなのでステッカーを剥がす行為はNG。
また、防犯登録証も捨ててはいけません。登録番号から購入店まで記載されている重要書類なので、いざ盗難届を出す際にそれらの情報が分からないと困ってしまいます。
きちんと防犯登録していることを証明できる手段ですから、ステッカーや書類などは大切にすべきなのです。
まとめ
防犯登録なんて不要だと感じる人がいるかもしれませんが、盗難時の強い味方です。盗まれたものが確実に戻る保証はないといえど、防犯登録番号や車体番号がすぐに分かることによって手元に戻ってくる確率が高まるので軽んじてはいけません。
愛車を探し出すための重要な手続きとしての防犯登録の意義を再確認したいところですね。
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