防犯設備士とはどんな資格なの?試験費用や取得するまでの流れを解説 (2019/1/26 「Moly.jp」編集部)
あまり聞きなれない名前なので防犯設備士という資格をご存じの方は少ないかもしれません。しかし最近は防犯設備士の資格を取りたいという人達も増えています。そこで今回は防犯設備士の試験費用や取得するまでの流れについてご紹介します。
防犯設備士とはどんな資格なのか?
防犯設備士という資格があるのをご存知でしょうか?防犯設備士はこれまで国家公安委員会認定事業で開始されたのですが1996年に国家公安委員会認定では無くなり、今は自主事業として実施されています。
防犯設備士は、その名前の通り防犯設備の専門家です。主に防犯設備の設計から施工、維持管理と防犯診断などを行います。
資格認定を行うのは、「公益社団法人日本防犯設備協会」です。この組織は警察庁や関連団体などの要請や支援で設立され、防犯設備士の養成や資格認定試験の事業に取り組んでおり、防犯設備等の技術レベルの向上を図っているのです。
また防犯設備士資格の上位クラスとして総合防犯設備士があります。
公益社団法人日本防犯設備協会とは
「公益社団法人日本防犯設備協会」は1986年(昭和61年)に設立され、2011年3月に公益社団法人へ移行しています。正会員には日本トップクラスの警備保障会社をはじめ72社が加盟しており、準会員や賛助会員も100社を超えます。
※2018年1月(平成30年)現在
RBSS(優良防犯機器認定制度)マークの実施
RBSSマークというのは防犯機能や性能が犯罪抑止力・犯罪発生後の対処や追跡において検挙等が効果的に機能すると認められる機器に対して「公益社団法人日本防犯設備協会」が認定する「安全」「安心」を示すシンボルマークです。
防犯設備士はどんな仕事に携われるのか?
防犯設備士は防犯設備の専門家だということはわかりました。では防犯設備士が携われる仕事にはどんなものがあるのでしょうか?ここでは防犯設備士の仕事内容について説明します。
防犯設備士は防犯に関連するあらゆる仕事に携われます。
例えば、警備保障会社や防犯カメラ等の防犯システムを取り扱っている会社に就職すれば収入面でも有利になります。それだけではなく資格取得後は防犯アドバイザーや防犯セミナーの講師で活躍されている方も大勢います。
さらに消防設備士や電気工事士などの資格を取得すれば、もっと必要とする企業や団体が増えます。防犯設備士は民間の資格なのですが資格認定を行う「公益社団法人日本防犯設備協会」は警察庁と親密な関係があるため資格取得のためには警察の審査を受けることになります。
しかしそういった意味では“信用を得る”ことができる資格だと言えます。
防犯設備士に関する気になる情報6選
それでは防犯設備士について気になる情報を6選ご紹介しますので、関心がある方は参考になさってください。
1.受験資格は?
防犯設備士は防犯設備の専門家として与えられる資格です。ですから下記の条項に該当する者は受験ができませんのでご注意ください。
(1)禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から3年を経過しない者。
(2)成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ない者
(3)暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第6号に規定する暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
(4)アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者
2.申込にはどんな方法があるのでしょうか?
防犯設備士の受験申し込みの方法は2つです。
・公益社団法人日本防犯設備協会ホームページからのお申込み
・FAXでのお申込み
3.受験費用について
受験費用は会員、非会員で異なります。
【会員の場合】
受講料:27,000円
受験料:10,800円
再受験料:10,800円
【非会員の場合】
受講料:32,400円
再受験料:10,800円
受験料:10,800円
4.試験はどこで受けられるのか?
試験が受けられるのは東京・大阪・名古屋・札幌などで年に4回実施されています。
3日間の日程で行われます。
第1日目:9:50 ~ 17:00 防犯設備士養成講習
第2日目:9:50 ~ 12:35 防犯設備士養成講習
13:30 ~ 17:00 防犯設備士資格認定試験
講習:7時間20分
講演:30分
試験:2時間30分
5.どんな問題が出題されるのですか?
まず知識と技能の2つで5科目が課題となります。
知識では「防犯の基礎」「電気の基礎」「防犯建物部品の基礎知識」
技能では「防犯設備の設計」「防犯設備の施工及び維持管理」
それぞれ知識で20問、技能で20問の合計40問出題され合格基準が正答率の60%以上となっています。
6.資格は一度取得したら更新は必要ないのでしょうか?
資格を取得したら3年ごとの更新が必要なので注意してください。更新の手続き費用は10,800円(税込)です。
防犯設備士資格の上位クラス総合防犯設備士について
これまで防犯設備士に関してお伝えしましたが、この資格の上位クラスには「総合防犯設備士」という資格があります。ここからは「総合防犯設備士」資格についてご紹介します。
総合防犯設備士とは
総合防犯設備士は、防犯設備士が行う防犯設備の設計や施工、維持管理などの業務に加えて診断から監理・監査・コンサルティングなどの業務に携わります。まさに日本の防犯活動のリーダー的存在としての活躍をするための資格です。
他にも総合防犯設備士は防犯設備士の指導や育成も行うため、もっと上を目指した知識や応用力も求められるのです。
受験資格
総合防犯設備士資格認定試験は、一次試験と二次試験(面接試験)があり、さらに一次試験には筆記試験と講習認定とわかれており、どちらかを選択できます。
「防犯設備士資格」を取得後3年以上で一次試験の筆記試験が受験でき「防犯設備士資格」を取得後6年以上で一次試験の講習認定が受けられます。
二次試験(面接試験)は一次試験の合格者のみ受験できます。
受験料と受講料について
総合防犯設備士の受験料は、会員・非会員ともに同一料金で10,800円(税込)となっています。受講料につきましても会員・非会員ともに同一料金で10,800円(税込)となっておりますが、受験料とは別の申込みが必要となっています。
どんな問題が出題されるのか?
総合防犯設備士は防犯設備士の上位クラスなのでかなり難しいと言われています。「公益社団法人日本防犯設備協会」が公開している情報をもとにご紹介します。
【基礎】10問 20点×10=200点(90分)
・セキュリティ概論
・防犯設備の構築
・防犯設備の監査
・防犯関連知識
【専門】3問 100点×3=300点(150分)
・セキュリティ概論
・防犯設備の構築
・防犯設備の監査
【専門(選択)】4問中2問選択 100点×2=200点(60分)
・機器関連
・警備関連
・施工関連
・設計関連
まとめ
防犯設備士という資格があり、その認定を行う組織が「公益社団法人日本防犯設備協会」です。この組織は警察庁や関連団体などの要請や支援で設立されているので「防犯設備士」の資格は“社会からの信用”が得られる資格であることがわかりました。
防犯設備士の取得までの流れをまとめます。
受験の申込み
↓
受験費用の振込み
↓
受験票の交付・テキスト送付
↓
養成公衆・資格認定試験の実施
↓
試験結果通知・資格者証等交付申請書等用紙の送付
↓
資格者等交付申請書受領
↓
資格者証等の交付及び名簿登録
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