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給料増より「残業なし・休日増」を望む新入社員が増えているワケは (2017/6/11 JIJICO

関連ワード : 労働・雇用 

給料増より「残業なし・休日増」を望む若者が増加している

2017年度の新入社員を対象に三菱UFJリサーチ&コンサルティングが行ったアンケートによると、新入社員が「会社に望むこと」について、調査を始めてから初めて、「給料が増える(34.4%)」よりも「残業がない・休日が増える(41.5%)」が上回ると言う結果がでました。

会社に尽くすよりも自分のプライベートな時間を重視するように見える新入社員の傾向は「自分ファースト」と呼ばれ、話題になっています。

残業

新入社員たちは本当に「自分ファースト」なのか?

「自分ファースト」と言うと、自分第一主義、自分が最優先、などの印象を受けます。でも、本当にそうでしょうか?私はそうではないと思っています。

新入社員たちは、自分の結婚、子ども、将来の生活などについて一生懸命に考えています。会社で仕事を頑張れば幸せになれるのか?残業や休日出勤をすれば、いい仕事ができて会社に認めてもらえるのだろうか?それが本当に自分や自分の家族の幸せのためになることなのか?

若者たちは考えています。そして、働き方については、確かに10年前とは違う考え方が、若者の間で広がっていると感じます。

仕事と家事育児、夫婦で協力する生活があたりまえに

家庭や子どもをもっても仕事を辞めずに両立させていきたい、と考えている女性は増えています。女性だけでなく男性の間でも共働きは当たり前になりました。そして男女ともに、「家事育児も夫婦で分担したほうがいい」と考える人が増えていると感じます。

多くの若い男性が、結婚後に自分ひとりで家計を支えていくのはきびしいと感じています。終身雇用制が崩れつつある現在、正社員として就職したら将来安泰で、妻子を養っていくのに十分な給料をもらい続けられる、とは、もはや新人は思っていません。

妻にも収入を得続けて欲しいと考えており、そのためには、自分も家事育児を分担したほうが良いだろうと考えています。そもそも最近の若者は、男性が家事や料理をすることに対して、抵抗感や違和感はほとんどありません。

育児についても、ベビーカーを押したり、抱っこ紐で赤ん坊を抱っこしたりしている若い父親を良く見かけるようになりました。また、保育園の送迎に父親が来ることも珍しくなくなりました。20代~30代前半くらいの夫婦は、家事も育児も夫婦で協力しながら共働きを続けていくことが、当たり前になってきています。

それは社会から求められている働き方そのもの

「給料が増える」よりも「残業がない・休日が増える」を望むと回答した新人たちを、仕事に対して熱意が足りないと決めるのは誤解があると思います。これからの社会人には、生活のすべてを会社に依存するのではなく、「自律した働き方」をすることが求められています。最近、社員に副業を認める企業が増えてきているのも、社員に自律を求めているからです。

自分の居場所を会社以外のところにも作る、リスクヘッジとして夫婦で共働きを続ける、会社の仕事以外の副業も検討するなど、若者の行動は、今の社会が求めている社会人のあり方そのものです。自分たちの将来を真剣に考えている若者たちは、求められている働き方を良く理解して実践していると言えるでしょう。

日本の若者たちは、十分に熱意をもって、将来の生活に向かっています。彼らの新しい働き方に、期待をしようではありませんか。

提供:JIJICO

著者プロフィール
森 ゆき/キャリアコンサルタント・講師

森 ゆき/キャリアコンサルタント・講師
理工系大学院卒のリケジョ。企業勤務歴20年。2男1女の母。 新卒で入社した外資系メーカーにエンジニアとして10年勤務。その後、事業縮小のためのリストラで早期退職し、2人の保育園児を抱えて転職活動をおこなう。IT系のベンチャー企業に正社員として入社。プロジェクトマネジメント、営業、人材育成、社内研修などに従事する。 企業勤務時代に3回の出産、産休育休、職場復帰を経験。時短勤務などを経ながらキャリア構築を実現した経験を若い人たちの支援に活かすことを志し、企業を辞めてフリーに。現在、講師・キャリアコンサルタントとして活動中。

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