【リアルな移住体験記】彼との別れ、見知らぬ街への異動。孤独な生活を離れ地元・石川へUターン （2016/12/12 nezas）
女性：20代後半に石川県にUターン
Uターン転職は、東京で出会った彼との別れがきっかけ
私は、大学進学のために石川から東京へ上京し、そのまま都内のメーカーに就職しました。
友人たちが大学を卒業と同時に地元に戻り、結婚し家庭を作っていくのを見て、私もいずれは地元に帰るのだろうという思いはありました。しかし東京での仕事にも生活にも、これといって大きな不満はなく、地元に帰るきっかけはありませんでした。
そんな中、25歳のときに3年間付き合っていた彼と別れたんです。
東京にとどまっていたのも、東京で出会った彼との結婚を意識していたからというのもあったと思います。彼と別れたことで東京への執着も減り、本気で地元に帰ろうかと悩むようになりました。
また26歳のときには、会社から中国地方への転勤を命じられました。わざわざ縁もゆかりもない地方都市で、一人で働くのなら、いっそのこと地元に帰りたいと考え、会社を辞めてUターンをする決断をしました。
地域の情報は、実際に行かないと得られない。細かいことは、すべて帰郷してから決めた
Uターンするにあたって一番不安だったことは、地元で自分のやりたい仕事が、希望する条件で見つかるかでした。仕事を選ばなければかならず就職できると思いつつも、自分が興味や関心を持って打ち込める仕事に出会えるか、これまでの経験を活かせる仕事を見つけられるのか…。しばらくは、不安ばかりが頭の中をぐるぐると回っていました。
しかし異動の時期も迫っていましたし、不安に思っていても仕方がない、前に進むしかない、と少しずつ前向きに受け止めるようにしました。
転職活動は地元に帰ってからスタートしました。
仕事について不安に思っている一方で、とりあえず帰ってからでないとどうにもならない！という考えもありました。田舎に関する情報は、東京などの都市部と違って、実際にその場所に行かないと得られないものが多いと思います。私自身も、石川に戻ってから両親や親族、地元の友人から直接情報をもらい、生活の基盤を整えていきました。
実はいま勤めている保険会社の法人営業の仕事も、地元の友人に紹介をしてもらったんです。業界は違いますが、前職で得た営業の経験も活かせますし、会社の雰囲気は私にあっていると思います。条件についても、前職よりあまり下がらずに済み、ほっとしています。
田舎は確かに不便が多い。しかし地域で協力し合いながらの生活は安心感が大きい
都会の便利な生活と、田舎の生活をくらべてしまうと、やはり東京へ戻りたい…と思うときも、たまにはあります。
地元は車社会なのは分かっていたつもりですが、社会人になって実際に自分で車を運転してみると、思っていた以上の大変さです。とくに冬場は雪が積もり、地面が凍結するので車の運転は神経を使いますし、時間もかかります。Uターン直後は車の運転が不慣れだったので、通勤だけで疲れた思い出があります。
またバスや電車も1時間に1本が普通。冬の寒い日や、夏の暑い日にバスを待つのはとても辛いです。頻繁にバスや電車がきて、地下道や屋根付きの歩道が多い東京での生活に慣れてしまっていたので、最初は東京が恋しくなったりもしました。
しかし、石川に戻ってきて、石川で生活ができて幸せです。
東京での暮らしは、とにかく孤独でした。ご近所付き合いもなく、アパートの両隣にどんな人が住んでいるのか分からない状態。会社までの道のりで、知り合いに出会って挨拶をするようなこともありませんでした。こういった状態は、私にとって想像以上にきつかったです。
田舎での暮らしは、確かに不便が多いです。しかしその分、人が協力し支え合いながら暮らしてしています。頼れる人たちが近くにいるということは、大きな安心感に繋がっていると思います。私自身も、地元に帰ってきてから人との繋がりを大切に思うようになりましたし。また心が丸く、優しくなった気もします。
提供：nezas
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