【民主党代表選】
決選投票では下克上も―民主党代表選の仕組み (2015/1/15 東京大学大学院情報学環交流研究員 本田正美)
民主党の新代表を決める選挙が1月18日の臨時党大会で実施される。今回の代表選挙には、長妻昭、細野豪志、岡田克也の3衆議が立候補している。
この代表選で有権者となるのは、民主党の党員とサポーター(約23万人)、地方議会議員(1629人)、次期参院選公認候補予定者(1人)、現職国会議員(132人)である。投票では、それぞれの有権者のグループにポイントが割り振られており、その獲得ポイント数を各候補者は争う。
党員とサポーターは郵便により投票を行う。票は各都道府県別に集計され、各候補者の得票数に応じて当該都道府県に配分された計354ポイント(「県別ポイント」)がドント方式によって配分される(参照:ドント方式について)。「県別ポイント」は、国会議員や公認候補予定者が代表を務める総支部や比例区総支部などの数に応じて各都道府県別に割り振られるもので、総支部数の多い都市部を抱える都道府県に多くのポイントが配分されている。
地方議員も郵便により投票を行う。票は全国を単位として集計され、各候補者の得票数に応じて、地方議員に配分された計141ポイントがドント方式によって配分される。
次期参院選公認候補予定者と現職国会議員は臨時党大会で一括して投票を行う。公認候補予定者は1票1ポイント、国会議員は1票2ポイントとして換算される。今回は、公認候補予定者に計1ポイント、国会議員に計264ポイントが配分されていることになる。
臨時党大会では投開票が行われ、各候補者の獲得ポイントが集計される。そこで過半数(381ポイント)を得た候補者がいれば、その候補者が新代表に選出される。もし、過半数得る候補者がいない場合は、上位2人による決選投票が行われる。決選投票では、国会議員各2票、次期参院選公認候補予定者各1票の直接投票が行われ、得票数の多い候補者が新代表に選出される。
決選投票では、党員や地方議員の票は反映されないため、最初の投票で2位と3位になった陣営が協力することで、2位だった候補者が1位だった候補者を国会議員数で上回り、新代表の座を射止める可能性もある。
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- 民主党代表選挙告示(外部サイト)
- 民主党代表選挙規則(外部サイト)
- 【取材協力】
東京大学大学院情報学環交流研究員 本田正美
1978年生まれ。東京大学法学部卒。2013年、東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。現在、東京大学大学院情報学環交流研究員。専門は、社会情報学・行政学。特に電子政府に関する研究を中心に、情報社会における行政・市民・議会の関係のあり方について研究を行っている。共著本に『市民が主役の自治リノベーション』(ぎょうせい刊)がある。
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