中国:10~12月期GDP成長率は「6.7%以上」、財政部高官が自信示す 株式会社フィスコ 2017年1月9日
中国財政部の朱光耀・副部長は8日に開かれた経済フォーラムで、2016年10~12月期の国内総生産(GDP)成長率が「6.7%またはそれ以上に達する」との見通しを示した。9月までの成長率が6.7%だったことから、年間でも6.7%の水準を維持できると強調。政府目標の「6.5~7.0%」を達成できるとみている。複数メディアが伝えた。
17年の見通しについては、中国やインドなどの新興国が引き続き世界経済の成長に貢献するとの見方だ。ただ、不透明要素も多く、注意深く観察していく必要があると朱副部長は強調している。特に米国の金利動向に加え、トランプ米次期大統領の就任後、同氏の経済政策が米国や世界にどのような影響をもたらすかを注視していく必要があるとした。
こうした環境の中、中国景気の下振れ懸念は根強く、最高指導部も一定の成長減速は容認する方針との観測が伝わっている。海外メディアは7日、消息筋情報を引用する形で、「中国政府が17年の財政赤字の対GDP比目標値について、16年と同水準の3%に据え置く方針」と報じた。市場関係者の間では、景気テコ入れのための財政出動に向け、同目標が引き上げられるとの見方が強かったが、政府は経済成長率をある程度犠牲にしても、債務の増加による金融リスクの拡大を防ぐことに重点を置く構えとみられている。
なお昨年末には、中国の習近平・国家主席がある会議の席で、「6.5%の目標を達成するために過大なリスクがもたらされる場合、必ずしも実現する必要はない」と発言した——と海外メディアが報じた。新浪網や捜狐など中国現地のメディアもこのニュースを相次いで転載していたが、数日内にすべて削除されたと香港メディアが伝えている。
【亜州IR】
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