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中国にも「トランプ・ショック」、対米輸出45%減の恐れ=エコノミスト試算  株式会社フィスコ 2016年11月10日

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8日投開票された米大統領選で、共和党候補のドナルド・トランプ氏が勝利したことを受け、世界に衝撃と不安が広がっている。中国に関しても、トランプ氏が選挙戦で「中国製品に最大45%の輸入関税をかける」と発言したことなどから、経済への影響を懸念する声が上がっている状況だ。大和キャピタル・マーケッツ香港のチーフエコノミスト、頼志文氏の予測によれば、最悪のシナリオで関税が45%に引き上げられた場合(現行は4.2%)、中国の対米輸出が87%減少すると予測。国内総生産(GDP)を4.8%押し下げると試算した。複数メディアが10日伝えた。

関税が15%に引き上げられた場合、中国の対米輸出は31%減少し、GDPは1.7%下押しされるとの見方だ。いずれにせよ、トランプ新大統領の誕生により、中国経済の成長鈍化、貿易黒字の縮小、デフレ懸念の再来が予測され、これらが人民元の下落圧力を高めるとみている。

ただ、トランプ政権下の対中政策が劇的に変わることはないとみる向きは多い。本土ニュースサイトの新浪網は専門家の見解として、トランプ氏が中国との大規模な貿易摩擦を生むことは考えにくいと指摘している。一方、中国社会科学院・金融研究所に勤めた経歴を持つ金融専門家の易憲容氏は、米中間の貿易摩擦は増えるかもしれないが、「有能なビジネスマン」であるトランプ氏はそれ以上に、中国とより現実的な商売をしたがるだろう——と分析。米中間の貿易がさらに発展する可能性もあるとみている。

なお、国営メディアの新華社によると、習近平国家主席は9日、トランプ氏に祝電を送り、「健全で安定した中米関係を発展させたい」として協調を呼びかけた。

【亜州IR】
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