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なぜ、体のサビが女性の生産性を下げるのか。明日からできる!働く女性の健康習慣 (2017/10/31)

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女性の健康課題で経済損失6.37兆円

 近年、日本人女性の社会進出が進んだ影響で晩婚化・晩産化が進んでいます。出生率は1947年で4.54、2013年には1.43と大幅に減少しています。女性の出産回数が減少したため、生涯で経験する月経回数が増加しました。このことが原因で日本人女性の婦人科系の病気が増加したと言われています。

 2016年の調査によると働く女性2500万人のうち17.1%が何らかの婦人科疾患に罹り、その経済的損失額は医療面、生産性面を合わせて6.37兆円にものぼると試算されています(日本医療政策機構「働く女性の健康増進調査2016」より)。このことから、女性の健康は個人の問題だけではなく企業の生産性、日本経済にも大きく影響を与えていることがうかがえます。

働く女性の3割がサビている?

 東京都丸の内で働く女性たちのべ約2000名の生活習慣や妊活などを指導してきた「まるのうち保健室」を監修する一般社団法人Luvtelli(ラブテリ)と大塚製薬株式会社は、働く女性536名を対象に「体内のサビつき度(酸化ストレス度)」を調べる尿検査を「第3期まるのうち保健室」にて実施しました。調査の結果、体内のサビつき度が高い女性は約3割で、サビつき度が肌荒れを誘発し、生産性を低下させる一因になっているという事実が明らかになりました。

 カラダがサビる状態とは、体の中で活性酸素が異常に発生している状態を指します。日々の呼吸や生活によって活性酸素が過剰に発生すると、体内の健康な細胞まで酸化させてしまい、酸化ストレスが続くと、カラダもサビつき、老化していくとのこと。その結果、肌のシミ・シワをはじめ、ガン・糖尿病・動脈硬化・認知症などの疾患に繋がる可能性があります。

ラブテリと大塚製薬株式会社が実施した尿検査の結果

ラブテリと大塚製薬株式会社が実施した尿検査の結果
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 前述の調査結果を受けて、8月24日に東京都千代田区にて、ラブテリとホルモンケア推進プロジェクトは「カラダのサビつき度調査発表会」を開催、ラブテリ代表の細川モモ氏は「明日からできる!働き女子の生活習慣」をテーマに以下のように述べました。

肌荒れ、月経痛が生産性に与える影響とは!?

 「まるのうち保健室」は働く女性の健康支援を行う場所で、主にヘモグロビン、骨密度等を測って数値が自分の体にどのような影響があるかを知って、明日から自分の健康をマネジメントできるようになることを目的としています。毎年、参加された女性のお悩みや食生活、体型のスコア、月経周期を「働き女子白書」としてまとめて、メディア、企業、自治体にお届けすることによって職場でこんな就労支援をしないと、女性は病気になってしまいますという提言をしています。

 第3期では大塚製薬様と「まるのうち保健室」の参加者を対象にエクオール(女性ホルモンと似た作用をする)を腸内環境から作り出せるか、サビつきとの関係性を調べるための尿検査を実施いたしました。結果、体内がサビて肌あれ等に悩まされると仕事の生産性が下がることが明らかになりました。

 調査で「自分の仕事の出力がMAX100としたら日々どのくらいの出力で働けていますか?」という質問をしたところ、70%以下の力しか出せていないという回答が約8割でした(絶対的プレゼンティーズム)。続いて「同じスキルを持っている同僚と比較して、自分を評価していますか?」という質問をした所、同僚に比べて3人に1人が自分の仕事に自信がないと回答しています(相対的プレゼンティーズム)。

 100%の力で働けないで、仕事の出力が下がる原因を調査したところ、精神的アップダウンがあることがわかりました。PMSなど、女性は月経の周期や女性ホルモンによってメンタルに影響を受けるのでそれを自覚しやすい傾向にあります。肌あれ、例えば顔の目立つところに吹き出物があったら打ち合わせに集中するのも難しいですよね。

 男性に比べて女性は肌あれで仕事の生産性が下がるというのは女性ならば誰でも頷いてしまう結果ではないかと思います。また、痛みがあると集中できないので、月経痛などが仕事の妨げになります。精神的アップダウンが生産性を左右するためメンタルヘルスも女性の課題といえます。

細川 モモ氏

細川 モモ氏(予防医療コンサルタント、(一社)ラブテリトーキョー&ニューヨーク代表理事)
2011~2015ミス・ユニバース・ジャパンビューティーキャンプ講師
2014年に三菱地所とともに「まるのうち保健室」をオープン

食生活や仕事環境とカラダのサビつき度

 基本的には加齢に伴い体内のサビつき度は上がります。私たちの体は天然の抗酸化剤のSOD(スーパー・オキサイド・ディスムターゼ)という物質を持っていますが、30代に入ると減り始めて、40代になると坂を転がり落ちるように減少していきます。また、日本人女性は50歳を過ぎると閉経の影響で女性ホルモンも激減します。

 抗酸化力のある女性ホルモンとSODが両方一気に減少していくので、様々な老化現象が目に見えて出てきます。ですが、いつまでも若々しい人など個人差があります。若々しく美しく居続けるために、サビつき度を押し上げる過度な飲酒、喫煙などは控えて、体に良い食事をするなど生活習慣を改善しましょう。仕事のプレッシャー、人間関係、悩み事、寒暖差等の外的環境におけるストレスもサビつき度をあげる要因になります。

 長く美しくサビない女性であるために食べ物も大事ですが、実はそれ以上に栄養を体内に吸収することが大事です。栄養学の世界では面白いことに特定の腸内細菌の有無で、同じ食材を食べても体内で生成される物質が異なると言われています。

女性ホルモンの働きを補うスーパーイソフラボン

 その1つが大豆イソフラボンです。大豆イソフラボンは植物性の女性エストロゲンといわれており、体内で女性ホルモンに似た働きをする物質です。更年期症状、PMSの方は豆乳など大豆製品をとっていると思いますが、全ての人に大豆イソフラボンが効くかというと、実はそうではないということが解っています。大豆製品をとることで特定の腸内細菌が大豆イソフラボンを発酵して女性ホルモンと似た作用をするエクオールを作ることができます。

 エクオールは別名スーパーイソフラボンと言われていますが、日本人にも体内で産生できる人とできない人がいるのはご存知でしょうか。疲労を自覚している人ほど、エクオールを産生できない可能性が高い結果がわかっています。実際の調査では、エクオールを産生できる人のうち「疲れが取れない」と回答した人は44%、エクオールを産生できない人のうち「疲れが取れない」と回答した人は60%で、16ポイントの差がみられました。このことからエクオール産生量の違いが疲れやすさに起因する可能性があると考えられます。また、エクオールを作れない女性は更年期症状が強く出る傾向があり、若い女性でもPMS等の症状が重い傾向があります。

21世紀は育菌の時代

 保健室で、20代、30代で働く女性の何割がエクオールを作れているか調査したところ、4割という結果がでました。食生活を比較したところ、作れない人がよく食べているのが炭水化物、砂糖、ジュース、洋菓子など糖質依存になっています。作れる人が毎日食べているのが、大豆、野菜、くだもの、ということがわかりました。大豆製品をとらないとエクオールに変えようがないので大豆食品を食べるのが第1条件です。エクオールをつくるのは腸内細菌、腸内環境が良好であることが極めて重要で、野菜、くだものは食物繊維が多いので腸内環境を整えてくれます。生産性の低い人ほど疲労が溜まって、肩こり、むくみに悩んでいる傾向があります。

 これまでは抗菌、滅菌、殺菌といわれていました。これからは菌と上手に共存していく、育菌ということまで言われるようになりました。調査結果によると50代からエクオール非産生者のサビつき度レベルが一気に上昇しています。体内で私たちをサビから守っている女性ホルモンが閉経によって不足し、活性酸素から守ってくれる物質が減少することでサビつき度がどんどん上昇していることがわかります。大切なのは何歳になっても女性ホルモン、エクオールなど活性酸素と戦ってくれる成分を体内で作り出せる良好な腸内環境でいることです。

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 本調査の結果発表を受けて、女性の健康課題が仕事の生産性に大きく影響することが明らかとなりました。昔と現代では女性のライフスタイルや社会環境は大きく変わっていますが、女性が生涯にわたって健康に活躍し続けるためには、女性が自身のカラダについて理解を深めていく必要がありそうです。

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