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第33回政治山調査「改正派遣法の低い認知度、『知らない』が6割」 (2015/11/4 政治山)

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 2015年9月30日、改正労働者派遣法が施行されました。今回の改正では労働者派遣事業はすべて「許可制」となり、キャリアアップや直接雇用を推進して待遇の改善と雇用の安定化を図ることが目的とされています。期間制限の見直しなどで「生涯派遣」の増える恐れがあるとの指摘もありますが、この改正は私たちの働き方にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

 政治山では、全国の20歳以上の男女を対象に10月16日から10月20日まで、インターネット意識調査「政治山リサーチ」を用いた調査を実施しました(回答数2,211)。今回はその概要をお届けします。

4人に1人が派遣労働を経験

 まずはじめに、派遣労働者としての勤務経験と関心の有無をたずねた(グラフ1)。「勤務している」7.8%と「勤務したことがある」16.2%をあわせて24.0%が経験があると答えた。反対に「勤務はないが関心はある」16.1%と「勤務はないし関心もない」57.8%をあわせると73.9%で、派遣労働を経験したことのない人が多数を占めた。

(グラフ1)派遣労働者としての勤務経験がありますか?

法改正、6割が「知らない」3割が「支持しない」

 次に、今回の改正内容についてどの程度知っているかをたずねたところ、「知らない」が35.5%、「どちらかといえば知らない」が24.0%で、「知っている」の5.6%、「どちらかといえば知っている」の16.6%を大きく上回った(グラフ2)。

(グラフ2)今回の改正内容についてどの程度知っていますか?

 また、今回の改正を支持するか支持しないかとの問いには、「支持する」は2.5%、「どちらかといえば支持する」は5.4%にとどまり、「支持しない」17.1%と「どちらかといえば支持しない」13.9%に大きく及ばなかった(グラフ3)。

(グラフ3)今回の改正を支持しますか、それとも支持しませんか?

年収は高く勤務時間は短く、妥協点はどこに

 続いて、年収と勤務時間について、労働意欲の観点からたずねた(グラフ4)。年収200万円で労働意欲を持てる勤務時間は、週30時間未満が25.0%、30時間以上50時間未満が9.1%、50時間以上では4.1%だった。

 同じく年収400万円の場合は、週30時間未満が46.3%、30時間以上50時間未満が28.7%、50時間以上では12.1%だった。さらに年収600万円では週30時間未満が61.6%、30時間以上50時間未満が46.5%、50時間以上では23.0%だった。

(グラフ4)年収と労働時間について、以下のケースで働きたいと思いますか、働きたいと思いませんか?

給与制度、変動幅への期待より安定志向

 次に定額制と変動制の給与制度について、労働意欲からみてみた(グラフ5)。年収を300万円に固定した場合29.4%が労働意欲を示したのに対して、変動幅を100万円に設定して個人の成果に応じた場合は19.3%、会社の業績に応じた場合は14.7%に減少、同様に変動幅を200万円に設定して個人の成果に応じた場合は14.3%、会社の業績に応じた場合は11.3%に減少した。

 続いて年収を600万円に固定した場合は53.7%が労働意欲を示したのに対して、変動幅を100万円に設定して個人の成果に応じた場合は44.2%、会社の業績に応じた場合は40.1%に減少、同様に変動幅を200万円に設定して個人の成果に応じた場合は41.7%、会社の業績に応じた場合は37.7%に減少した。

(グラフ5)以下のケースで働きたいと思いますか、働きたいと思いませんか?

 今回の調査を通じて、実際に派遣労働の経験者の多い20-40代女性の間では法改正の認知度は低く、改正を支持しないと答える人も少なかった。と同時に、経験者は非経験者よりも高い認知度を示し、現在派遣社員として勤めている人は明らかに支持しないと答える割合が多かった。

 関心層と無関心層の同居するこの層こそが、政府の推進する「女性活躍」の中核を担うはずだが、「派遣」という働き方を一つの選択肢として主体的に選ぶことができる環境を整えるには、法改正の趣旨である待遇の改善と雇用の安定化は喫緊の課題といえるのではないだろうか。

本調査レポートについて

本調査の詳細なレポートでは、性別や職業などの属性と各設問とをクロス集計した結果もご紹介しており、「政治山会員」の方は会員ページにてご購入いただけます。

<調査概要>

調査対象者 全国の20歳以上の男女
回答者数 2,211人
調査期間 2015年10月16日(金)~10月20日(火)
主な質問
【全体集計結果】
基本属性(性別・年代・地域・職業・未既婚・子供の有無)
あなたは、派遣労働者としての勤務経験がありますか?
あなたは、今回の改正内容についてどの程度知っていますか?
あなたは、今回の改正を支持しますか、それとも支持しませんか?
年収と労働時間について、以下のケースで働きたいと思いますか、働きたくないと思いますか?
・年収200万円/勤務時間が週30時間未満
・年収200万円/勤務時間が週30時間以上50時間未満
・年収200万円/勤務時間が週50時間以上
・年収400万円/勤務時間が週30時間未満
・年収400万円/勤務時間が週30時間以上50時間未満
・年収400万円/勤務時間が週50時間以上
・年収600万円/勤務時間が週30時間未満
・年収600万円/勤務時間が週30時間以上50時間未満
・年収600万円/勤務時間が週50時間以上
以下のケースで働きたいと思いますか、働きたくないと思いますか?
・年収300万円/成果・業績に関わらずに一定
・年収200-400万円/個人の成果に応じて連動
・年収200-400万円/会社の業績に応じて連動
・年収100-500万円/個人の成果に応じて連動
・年収100-500万円/会社の業績に応じて連動
・年収600万円/成果・業績に関わらずに一定
・年収500-700万円/個人の成果に応じて連動
・年収500-700万円/会社の業績に応じて連動
・年収400-800万円/個人の成果に応じて連動
・年収400-800万円/会社の業績に応じて連動
【クロス分析結果】
「性別/年代」「職業」「個人年収」と各設問との関連性
調査手法 インターネット調査(政治山リサーチ)
調査実施機関 株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー

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<著者> 市ノ澤 充
株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー シニアマネジャー
政策シンクタンク、国会議員秘書、選挙コンサルを経て、2011年株式会社パイプドビッツ入社。政治と選挙のプラットフォーム「政治山」の運営に携わるとともにネット選挙やネット投票の研究を行う。政治と有権者の距離を縮め、新しいコミュニケーションのあり方を提案するための講演活動も実施している。
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