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第30回政治山調査「高級牛肉から人間ドックまで―ふるさと納税で税と地方に関心を」 (2015/8/7 政治山)

関連ワード : ふるさと納税 地方創生 税金 調査 

 2008年に始まり、今年4月の税制改革による利用の拡大が見込まれている「ふるさと納税」。高級牛肉や人間ドック、ハイグレードパソコンなどのユニークな「お礼」が話題となっていますが、実際にはどのような人が、何に期待をして、どの程度利用しているのでしょうか。政治山では、全国の20歳以上の男女を対象に7月24日から27日まで、インターネット意識調査「政治山リサーチ」を用いた調査を実施しました(回答数2,109)。今回はその概要をお届けします。

4分の1に利用ニーズ、納税への関心向上にも寄与

 まずはじめに、ふるさと納税を利用したことがあるか、今後利用するかをたずねた(グラフ1)。「利用したことがある」と回答したのは約11%で、「利用したことはないが今後利用する」と答えた人と合わせて、約25%の人に利用のニーズがあることが分かった。

(グラフ1)「ふるさと納税」を利用したことがありますか?

 続いて、「ふるさと納税を推奨する政策によって、納税すること(実際は寄附)について関心は高まりましたか?」との問いには42.3%が「(どちらかと言えば)関心が高まった」と回答しており、「(どちらかと言えば)関心がなくなった」の8.0%を大きく上回った(グラフ2)。

(グラフ2)ふるさと納税を推奨する政策によって、納税することについて 関心は高まりましたか?

目当ては特産品、地方の魅力再発見も

 次に、「ふるさと納税にはいくつかのメリットが示されていますが、もっとも魅力的と思うものはどれですか?」との問いには、「寄附した自治体から特産品が贈られる」が68.0%ともっとも多く、「寄附金控除を受けることで節税になる」47.9%、「思い入れのある自治体を応援できる」32.8%と続いた(グラフ3)。

 これを性別・年代別に見てみると、「税金の仕組みを知るきっかけとなる」と回答したのは全体で17.5%にとどまったが、男性は20代が27.4%、30代が25.3%と平均を大きく上回り、女性は60代以上が25.0%ともっとも高かったものの、20代23.2%、30代21.0%と続き、若年層にとって税への関心を促す効果もうかがうことができた。

(グラフ3)「ふるさと納税」のメリットで、もっとも魅力的と思うものはどれですか?

 今回の調査では、ふるさと納税の利用者に対して寄附した額や満足度についてたずねるとともに、制度に対する改善点や要望を自由記述で回答してもらった。概ね好意的な意見が多かったが、一部には「魅力的なお礼の品がない」「お礼の品の品切れが多い」といった不満や「見返りを求めて納税する側にも問題がある」などの指摘も聞かれた。

 ふるさと納税を通じて税への関心を高め、お礼の品を通じて地域への理解や愛着を深めることができれば、地方自治体にとっても納税者にとっても有意義な施策と言えそうだ。

本調査レポートについて

本調査の詳細なレポートでは、性別や職業などの属性と各設問とをクロス集計した結果もご紹介しており、「政治山会員」の方は会員専用ページにてご購入いただけます。会員登録は無料です。

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<調査概要>

調査対象者 全国の20歳以上の男女
回答者数 2,109人
調査期間 2015年7月24日(金)~7月27日(月)
主な質問 【全体集計結果】
・基本属性(性別・年代・地域・職業・未既婚・子供の有無)
・あなたは「ふるさと納税」を利用したことがありますか?予定も含めてお聞かせください。
・ふるさと納税を推奨する政策によって、納税すること(実際は寄附)について関心は高まりましたか?
・「ふるさと納税」にはいくつかのメリットが示されていますが、もっとも魅力的と思うものはどれですか?
・あなたがふるさと納税を利用する場合、どのような「お礼」ならばその自治体に寄附しても良いと思いますか?
・あなたは普段、どの政党を支持していますか?
※以下、ふるさと納税の利用者を対象
・「ふるさと納税」の制度に対する満足度を教えてください。
・「ふるさと納税」のお礼の品に対する満足を教えてください。
・「ふるさと納税」によって、いくら寄附をしましたか?
・「ふるさと納税」は、どのようにすれば利用者が増えると思いますか?
【クロス分析結果】
・「性別/年代」「職業」「政党支持」と各設問との関連性
調査手法 インターネット調査(政治山リサーチ)
調査実施機関 株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー

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<著者> 市ノ澤 充
株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー シニアマネジャー
政策シンクタンク、国会議員秘書、選挙コンサルを経て、2011年株式会社パイプドビッツ入社。政治と選挙のプラットフォーム「政治山」の運営に携わるとともにネット選挙やネット投票の研究を行う。政治と有権者の距離を縮め、新しいコミュニケーションのあり方を提案するための講演活動も実施している。
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