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ボートレース場に初の障害者就労支援施設―大村市 (2017/12/15 日本財団)

場内に親子レストラン、場外売り場にはカフェ
日本財団「はたらくNIPPON!計画」の一環

日本財団障害者就労支援プロジェクト「はたらくNIPPON!計画」の一環として、長崎県の「大村市モーターボート競走場」(通称・ボートレース大村)の場内に、障害のある人が働く親子レストラン「KINOBUTA」を開設することになり、日本財団と大村市は12月1日、着工開始を市役所で発表し、併せて月内に市内の前売り専用場外発売所で開店する「Café WIN」の内覧会を実施した。どちらも社会福祉法人が運営する障害者就労継続支援B型事業で、ボートレース場内や場外舟券売り場に障害者就労支援施設を設置するのは、全国24ボートレース場の中で初の取り組み。

共同記者発表であいさつする園田裕史・大村市長。右は日本財団の前田晃・専務理事

共同記者発表であいさつする園田裕史・大村市長。右は日本財団の前田晃・専務理事

親子レストラン「KINOBUTA」の建設予定地。中央は店名の由来となった樹齢80年のタブノキ

親子レストラン「KINOBUTA」の建設予定地。中央は店名の由来となった樹齢80年のタブノキ

間もなく開店する「Café WIN」の外観(12月1日撮影)

間もなく開店する「Café WIN」の外観(12月1日撮影)

全国で初めてボートレースを開催した「発祥の地」ボートレース大村。KINOBUTAは場内キッズルーム最寄りの場所に来年2月下旬開所する予定。同市荒瀬町の社会福祉法人「飛翔会」が運営する。お子さまランチ専門店として20種類のメニューを用意し、ゼロ歳児でも食べられる離乳食メニューも提供する予定。

Café WINは市内杭出津3丁目の「前売場外おおむら」の一角で12月13日にオープンする。同市原町の社会福祉法人「三彩の里」が運営し、「手作り」「ヘルシー」をキーワードに、サンドイッチや手作りスープを提供し、施設で製造したパンを使用する。

障害者週間(12月3日から9日までの1週間)を前に、日本財団と大村市の共同記者発表に臨んだ園田裕史・市長は、障害者の自尊心を向上させ、公営企業の新しい在り方を切り開く取り組みだとして「前に前に進めていきたい」と述べた。

日本財団の前田晃・専務理事は「はたらくNIPPON!計画は、障害のある人が社会参画でき、工賃をアップさせるのが大きな狙いだ。ボートレース場内にこうした施設ができるのは初めてなので、レースのない日でも、地域の皆さんがレース場に足を運び、楽しめるような空間になってほしい」と呼び掛けた。

「KINOBUTA」の事業説明をする社会福祉法人「飛翔会」の矢野義範・理事長

「KINOBUTA」の事業説明をする社会福祉法人「飛翔会」の矢野義範・理事長

カフェ内に貼る日本財団のネームプレートを社会福祉法人「三彩の里」の江口司・理事長(中央)に手渡す日本財団の前田専務理事。右は三彩の里の和久井碧・職業指導員

カフェ内に貼る日本財団のネームプレートを社会福祉法人「三彩の里」の江口司・理事長(中央)に手渡す日本財団の前田専務理事。右は三彩の里の和久井碧・職業指導員

大村ボートレース場のコース風景

大村ボートレース場のコース風景

飛翔会の矢野義範・理事長、矢野武志・管理者がKINOBUTAについて、三彩の里の江口司・理事長、和久井碧・職業指導員がCafé WINについて、それぞれ事業概要を説明した。

飛翔会の矢野武志さんは、店舗名のKINOBUTAは敷地内の「タブノキ」を逆さに読んで名付けたと紹介し、平成30年度目標月額賃金3万5000円(全国の就労継続支援B型事業の平均月額工賃は平成27年度1万5033円)を目指し、家族でも楽しめる憩いの場として、地域貢献の一翼を担いたいと話した。

三彩の里の和久井さんは「目標工賃は3万円。必ず達成するという強い意志で職員一同取り組んでいる」と述べた

【メモ】日本財団はたらくNIPPON!計画
平成27年4月に始めた新しい障害者就労支援の取り組み。「モデル構築プロジェクト」として、地域に根差した障害者就労のモデルとなる新事業を全国に100カ所つくる目標で展開、既に30件の助成を決定。障害者就労支援に関わる多分野の人が集まり、議論を交わす「就労支援フォーラムNIPPON」も年に一度開催している。今年は12月9(土)10(日)両日、都内で開く。

●はたらくNIPPON!計画(日本財団公式ウェブサイト)
●はたらくNIPPON!計画 ウェブサイト

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