千葉県いすみ市のNPO法人AlonAlon―コチョウラン栽培で月額工賃10万円目指す (2017/9/20 日本財団)
知的障害者就労支援、苗のオーナー募集
NPO法人AlonAlonと日本財団が協働
コチョウラン(胡蝶蘭)の栽培で知的障害者の月額工賃10万円を目指そうと、千葉県いすみ市のNPO法人「AlonAlon」は9月12日、同県富津市に栽培用の温室を開設した。日本財団が始めた障害者就労支援の新しい取り組み「はたらくNIPPON!計画」と協働した事業で、温室は9月下旬から稼動を開始し、同時に温室で育てる苗のオーナーを募集する。
法人の代表、那部智史・理事長によると、AlonAlonはインドネシア(バリ)語で「ゆっくりゆっくり」を意味する言葉。同法人は知的障害者施設への花の栽培指導や花器の制作指導と併せ、販路拡大を目指すギフトフラワー・プロジェクトを進めている。
新施設の事業形態は就労継続支援B型事業所で定員は20人。「AlonAlonオーキッドガーデン」と名付け、コチョウラン栽培を主な事業として、知的障害者の月額工賃の大幅アップの実現や、栽培・運用ノウハウを全国の福祉施設に広めることを目標にしている。厚生労働省「障害者の就労対策の状況」によると、平成27年度平均工賃は月額約1万5000円にとどまっている。オーキッドは洋ランの意味。
完成した温室は、奥行き33メートル、面積693平方メートル。3つの三角屋根を持ち、長期耐用可能なフィルムで仕上げた室内環境は全て制御盤で管理でき、花数にすると最大1万8000株の栽培が可能だという。
当日開かれたお披露目会で那部・理事長は、苗のオーナー制度について「1万円でコチョウランの苗が10本買える。それを半年間かけて知的障害者のメンバーと一緒に丹精込めて開花させ、10本のうちの1本をオーナーへ1万円相当のアレンジメントフラワーにしてお届けする。残りの9本は企業に販売し、栽培した障害者の収入となって生活を支える。3万円で30株の苗が購入できる。この場合は3本立てコチョウランをお届けする。27株分は企業に販売して障害者の収入にする」と紹介し「こういう日本初のプロジェクトを始めたので、ぜひ花のオーナーになってほしい」と呼び掛けた。
続いてあいさつに立った日本財団の笹川陽平・会長は「建物をつくること自体はお金があればできる。しかし、ここに魂を入れていくには、一人の理想では実現できない。多くの人の力を借り、お互いが助け合って支えていく、という日本人の素晴らしいDNAをここでも生かしていただき、ぜひ大きな成功例として、コチョウランが満開になることを期待している」と祝福した。
アートグリーン株式会社の田中豊・代表取締役は、台湾でコチョウランを生産し、花が咲く前の苗を供給、指導の役割を担っている、と紹介し、併せてコチョウラン栽培の現状について説明した。
●はたらくNIPPON!計画(日本財団公式サイト)
●AlonAlonウェブサイト
●苗のオーナー募集サイト
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