湘南に「釘のない海の家」、環境改善にJリーグ7チームと連携 (2017/7/11 日本財団)
きれいな海を目指す環境プロジェクト
活動スタート、「釘のない海の家」も完成
きれいな海を次世代に引き継ごうと、神奈川県・湘南の海岸でごみ拾いを続けているNPO法人「海さくら」(古澤純一郎理事長、東京都目黒区柿の木坂)と日本財団が、スポーツと清掃活動を絡めて海の環境問題に取り組む「LEADS TO THE OCEAN(通称:LTO)~海につづくプロジェクト」。2017年度は男子サッカーのプロリーグ(Jリーグ)7チームと連携して進めることになり、7月からのスタートを記念して、関係各団体が6月24日(土)午後、片瀬東浜海岸で砂上会見。午前中に完成したばかりの「釘のない海の家」の前で意気込みを発表し、参加した子どもたちと砂浜掃除を行った。
記者会見で古澤理事長がLTOの趣旨と概要を説明した。海さくらは2005(平成17)年から江の島の海岸で、ビーチクリーン活動を始めた。LTOは日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として15(平成27)年7月から、海さくらと日本財団が中心となり、Jリーグの「湘南ベルマーレ」とともに活動を開始。16(平成28)年7月からは「セレッソ大阪」「V・ファーレン長崎」「福島ユナイテッドFC」の3チームが加わり、この7月からは「横浜F・マリノス」「川崎フロンターレ」「横浜FC」の3チームも参加して、合計7チームと一緒に活動していくことになった。
年間15~20試合ある各チームのホームゲームで、スタジアムに集まったサポーターに向け、大型ビジョンで「海にごみはいかせない」との環境メッセージを放送。チームの垣根を超えてファンに参加を促し、試合終了後に約30分間、ごみ拾いを実施する。ごみ拾いが楽しくなるようチームカラーのオリジナルトングや、ごみを入れるとサッカーボールの形になるオリジナルごみ袋も各チームで用意。参加者にはスタンプカードを発行し、年間一定以上のスタンプをためた人にはグランド内で、ごみ拾いマスターの表彰を行い、特別トングも贈呈する。
海野光行・日本財団常務理事は、海の汚れや海洋環境の変化が進む中で、海に対して親しみを感じる若者や海水浴客が減少している実態を指摘。「日本は海洋国家と言われているが、この先30年40年たったときに、そう言われているかどうか、周りの国から海洋後進国言われているのではないか、と危惧を持ち始めている。そうならないように、とにかく子どもたちを海に寄せる、そして機会をたくさんつくり海への好奇心を育んでもらう、それを目的に、15(平成27)年から“海と日本プロジェクト”を始めた。LTOはその中の“海をきれいにする”カテゴリーのメインプログラムの一つだ」と説明。LTOの今後の活動に期待を示した。
この後、湘南ベルマーレの水谷尚人・代表取締役社長ら7チームの関係者が順次、LTOへの意気込みを述べ、関係者全員でごみ拾いを実施した後、記念撮影を行った。
「子どもたちが、はだしで走り回れる砂浜をつくりたい」との願いを込めて、くぎを一本も使わない工法で設計された「釘のない海の家」も当日午前中に完成。7月1日(土)~8月31日(木)の間、救護所やライフセーバーらの事務所として運用される。かまぼこ型の外観を覆うシートの図柄は著名なデザイナー野老朝雄(ところ・あさお)さんの立案。一般から募集した小・中学生が色を塗った。
●海と日本PROJECT ウェブサイト
●釘のない海の家 ウェブサイト
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