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いのち支える自殺対策プロジェクト―長野県と日本財団で相談会開催へ (2017/4/11 日本財団)

いのち支える自殺対策プロジェクト
長野県と日本財団、総合相談会開催へ

厚生労働省がさきに公表した自殺に関する成人の意識調査で成人の4人に1人(23・6%)が「自殺したいと思ったことがある」と答えるなど、自殺防止対策の強化が改めて問われる中、3月31日付の信濃毎日新聞朝刊に「誰も自殺に追い込まれることのない信州を目指して」と題する1ページの記事広告か掲載されました。長野県と日本財団が実践的な自殺対策モデルの構築を目指す「いのち支える自殺対策プロジェクト」の告知広告で、これを受け、近く長野県内各地で「いのちと暮らしの総合相談会」が開催される運びとなります。

31日付信濃毎日新聞朝刊に掲載された記事広告

31日付信濃毎日新聞朝刊に掲載された記事広告

警察庁によると、わが国の昨年の自殺者数は2万1,897人、長野県は393人。記事広告では人口10万人当たりの自殺者数(自殺率)が18.4人と全国の都道府県では低い方から28番目の中位にある長野県の現状や3年計画で進められる県と日本財団の自殺対策プロジェクトの狙いなどを説明、近く県内各地で総合相談会が開催されるとしています。

17年度は総合相談会を県内8市町村で行い、予定の3年間でほぼ県内全市町村での開催を目指すことになっています。精神科医や弁護士、精神保健福祉士など専門家のほか、自殺防止に向け幅広いノウハウやネットワークを持つ「自殺対策支援センターライフリンク」(清水康之代表)が共同して、あらゆる相談に無料で応じるワンストップ型相談会を目指し、相談内容に応じて具体的な対応策を地元自治体に提示、自殺者の減少を目指す考えです。

自殺防止に関しては厚生労働省がこの夏、新たな自殺総合対策大綱を打ち出す予定。プロジェクトでは、こうした動きも視野に、県庁内に自殺対策戦略会議(仮称)を設けるほか、自殺対策に関わる自治体職員・地域住民への研修や地域ネットワークの強化、メディアを通じた長野モデルの発信などに取り組む方針です。

昨年9月、阿部長野県知事=左=と笹川日本財団会長の間で協定書が締結された

昨年9月、阿部長野県知事=左=と笹川日本財団会長の間で協定書が締結された

こうした動きにも関連して記事広告には、「自殺対策先進県」として注目される秋田県の「あきた自殺対策センター 蜘蛛の糸」の佐藤久男理事長が「秋田県と長野県とで『生きる支援力全国1位』を競っていきましょう」との応援メッセージを寄せています。秋田県は1995年から19年連続で自殺率全国一位を記録、民間団体や大学、行政が連携して自殺対策を進めたほか、自殺防止に向けた地元・秋田魁新報社による積極的な報道などもあって、ピークの2003年に519人に上った自殺者は2014年に269人まで減少しています。

さらに東日本大震災の被災地支援活動などで知られる諏訪中央病院(長野県茅野市)の鎌田實名誉院長も「長野県から全国へ 悲しみ減らす大きな波を」の一文を寄せ、「自殺が起きてしまった会社や学校は、組織がボロボロになって苦しみます。裏返せば、自殺に追い込まれる人を減らす取り組みは、社会が健全さを取り戻す取り組みでもあるのです」とプロジェクトへの期待を述べています。

日本財団が自治体と連携して自殺対策プロジェクトを進めるのは東京都江戸川区に次いで長野県が2番目。長野県とは昨年9月に阿部守一知事と笹川陽平・日本財団会長が協定書を締結、全国に通用する自殺対策モデルの確立を目指すことになりました。

「いのちと暮らしの総合相談会」の開催会場や日時は決定次第、長野県公式ホームページに掲載されます。問い合わせ先は「日本財団いのち支える自殺対策プロジェクト」。
電話026-235-7109(長野県健康福祉部保健・疾病対策課)

●「決意持って自殺者一人でも減らす」(2016.09.16)
●日本財団いのち支える自殺対策プロジェクト(日本財団ウェブサイト)

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