政治山調査
オリパラとIR・カジノで割れる支持層、政党支持では自民が突出―第50回政治山調査 (2021/6/24 政治山)
25日に告示される東京都議会議員選挙では、前回2017年の同選挙で躍進した都民ファーストの会(2021年4月20日現在46議席)と大幅に議席を減らした自民党(同25議席)、両党の議席数がどのように変化するか注目されています。政治山では6月15日から20日にかけて、都内在住の18歳以上の男女を対象にインターネット意識調査を実施し、507人から回答を得ました。今回はその概要をお届けします。
政党別では自民が突出、立憲、共産が続く
はじめに、現時点でどの政党の候補者に投票しようと考えているか尋ねると、自民党が14.4%と最も多く、立憲民主党が6.1%、日本共産党が5.5%と続きました。一方、現有議席数では最大の都民ファーストの会は3.4%にとどまりました(グラフ1)。
こちらの内訳を性別から見てみると、自民支持は女性(7.7%)よりも男性(21.4%)の方が高く、立憲支持と都ファ支持も男性の方がやや高い傾向がうかがえました。反対に公明支持層は女性(5.4%)の方が男性(1.6%)よりも高く、共産支持と維新支持も女性の方がやや高い傾向が見られました。
オリパラとIR・カジノは中止撤退が多数
次に、都議選の重要テーマについて、優先すべき課題を3つまで上げてもらいました。最も関心が高いのは「新型コロナ感染症への対策」で64.3%、次いで「五輪・パラリンピックの中止」31.2%、そして「待機児童解消と子育て環境の整備」21.7%、「防犯・防災対策の推進」18.1%、「五輪・パラリンピックの実施」15.6%と続きました(グラフ2)。
こちらの内訳を年代別に見てみると、「新型コロナ感染症への対策」への関心は50代、「五輪・パラリンピックの中止」は60代以上が最も高く、「待機児童解消と子育て環境の整備」には10代から30代が高い関心を示しました。また「IR・カジノ誘致の撤退」には60代以上が高い関心を示し、反対に「IR・カジノ誘致の推進」には30代がやや高い関心を示しました。
オリパラとIR推進派は自民・維新を支持
続いて、政党支持と重要テーマをかけ合わせてみると、自民支持層は受動喫煙防止や子育て支援、防犯防災対策への関心が高く、立憲支持層はコロナ対策と行革への関心の高さがうかがえました(表1)。
共産支持層はオリパラ中止への関心が極めて高く、IR・カジノにも反対する人が多数を占めました。また、維新支持層は行革への関心が高く、自民と維新の支持層だけは、オリパラ実施が中止を上回りました。
7月5日の投票に向けて、いよいよ本格的な選挙戦がスタートします。4年間の実績を問われるのは、現職の議員だけでなく、都民一人ひとりの政治への関わり方でもあります。築地市場の豊洲への移転、待機児童の解消、受動喫煙防止など、当時関心の高かった政策課題のその後はどうなっているのか、新型コロナ感染症という新たな課題にどのように向き合うのか、選挙を通じて地域の課題を見つめなおし、次の4年間を共に歩むことのできる候補者を選びましょう。
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