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withコロナの選挙、6割がインターネット投票に期待 (2020/10/14 政治山)

関連ワード : ネット投票 調査 選挙 

 新型コロナウイルス感染症は、非接触型の選挙運動の増加や投票所、開票所における感染症対策等、公職選挙のあり方にも影響を及ぼしています。特に外出制限を伴う緊急事態宣言下における選挙実施はその是非を問われましたが、現状では現行制度内で各選挙管理委員会が工夫を凝らして、期日通りに選挙が行われています。

 近年の投票率低下の傾向に加え、感染症対策という新たな課題に直面したことで、公職選挙におけるインターネット投票の導入に期待する声も高まりつつあります。ネット投票に対する期待や不安について、政治山では全国の18歳以上の男女を対象に10月2日から10月5日まで、インターネット意識調査「政治山リサーチ」を用いた調査を実施しました(回答数512人)。

「選挙割」サービスに高まる期待

 はじめに、昨今の選挙における低投票率を受けて、「投票率向上に有効だと思う施策を3つまでお選びください」との設問に対して、もっとも多くの人が選んだのは「インターネット投票(オンライン投票)の導入」59.6%で、2018年4月の調査から9ポイント増加しました(グラフ1)。

グラフ1

 次に多かったのは「投票すると割引を受けられるサービス等の拡大」35.9%(前回比11.3ポイント増)で、前回2番目に多かった「投票できる時間や場所を増やす」29.2%(前回比5.4ポイント減)を上回りました。選挙割などの普及拡大に加え、新型コロナの影響を受けて政府主導の割引サービスやポイント還元事業が身近になったことが影響している可能性があります。

2018年4月の調査結果

ネット投票への期待は若年層より高齢層で高い

 今回の結果を性別・年代別に見てみると、「インターネット投票の導入」への期待は男性よりも女性の方が高く、10代20代の若年層よりも50代以上の期待が高いことがうかがえます(表1)。ネット投票を若者向けの政策として位置付ける人も少なくありませんが、実際には若年層よりも中高年層における期待の方が大きいようです。

表1

 男女差が大きかった回答としては、「インターネット投票の導入」は女性の方が7.3ポイント高く、「インターネット選挙運動の推進」は男性の方が5.4ポイント高い結果となりました。年代間の差については、若年層の「投票所内での電子投票の推進」への期待値がやや高く、60歳以上の「インターネット選挙運動の推進」25.7%と「政治や選挙に関する学校教育」28.7%が高かった点が注目されます。

立憲と維新の支持層で高いネット投票への期待

 さらに母数は少ないながら支持政党別に見てみると、「インターネット投票の導入」は立憲民主党支持層87.5%と日本維新の会支持層81.8%が高く、割引サービスは公明党支持層57.1%に高い傾向がみられました(表2)。

 また、他党支持層との差異が大きかった回答としては、「棄権者に軽微な罰則を科す」に日本維新の会支持層36.4%とれいわ新選組支持層30.0%、「選挙人名簿を登録制にする」に公明党支持層28.6%が多くみられました。

表2

メリットは投票の利便性と開票の迅速性

 次に、現行(紙)の投票制度とネット投票との違いを、8項目にわたって聞きました(グラフ2)。紙の投票の方が高いと答えた人が多かったのは「投票の秘密の保全性」31.2%と「選挙にかかるコスト」59.6%の2項目、ネット投票の方が高いと回答した人が多かったのは「投票の利便性」73.7%、「集計の迅速性」78.2%、「集計の正確性」54.9%、「投票者が不正を行うリスク」44.1%、「管理者が不正を行うリスク」28.4%、「第三者が不正を行うリスク」51.0%の6項目でした。

グラフ2

 ネット投票は投票の利便性と集計の効率化によって得られるメリットが大きい反面、秘密を守られなかったり不正が行われたりするリスクを感じている人の多いことがうかがえます。ネット投票導入の議論や検討を進めていく上では、コストの試算や不正リスクの客観的評価も重要となりそうです。

 本調査結果でも明らかなように、ネット投票には投票率の向上と集計作業の効率化について、大きな期待が寄せられています。一方、コストやリスクの検証が不十分であることも否めません。今よりも選挙事務の負担を減らしつつ投票率を向上させ、かつ正確性と公正性を充分に担保することのできる選挙制度の構築に向けて、建設的な議論が望まれます。


【政治山リサーチとは】
政治山では、選挙に向けた各種調査や政策立案のための住民アンケート等、ご要望に合わせた個別調査も承っております。下記よりお問い合わせください。

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