[北海道・鷹栖町]2018年度の決算をわかりやすく (2019/11/15 マイ広報紙)
この記事は「広報たかす 令和元年11月号『《特集》平成30年度 まちの財政状況をお知らせします(1)』」を紹介し、コメントしたものです。
11月号の広報紙では、2018年度の決算に関する記事が多数見受けられました。これは、9月の議会定例会で決算が承認されることが通例となっているからです。
決算とは、簡単に言うと、前年度の予算の執行結果をまとめたものです。実際に自治体のお金がどのように使用されたのか、決算を見れば、それが分かります。決算関連の書類を見ても基本的には数字の羅列だったりするため、一見分かり難いのですが、自治体の広報紙ではそれを分かりやすく説明する工夫がなされています。
その一例が北海道鷹栖町の広報紙の決算の記事でしょう。示される図表は簡潔で分かりやすいというのが一番ですが、それに加えて、町の1年間の収支を年間の収支が500万円の家計に例えて説明するということが行われていて、それが大変分かりやすいのです。
まず、収入は給料(町税・地方交付税など)が270万円。500万円の収入のうち、半分程度。次に多いのが親からの仕送り(国庫支出金など)が95万円。さらに、借金(町債)が68万円となっています。次に使い道となる支出。500万円のうちの最大のものは、光熱水費など(物件費など)の102万円。さらに、家財などの購入など(投資的経費)が97万円。食費(人件費)は68万円です。ここで、括弧の中に入れた「町税・地方交付税など」や「物件費など」は実際に広報紙の記事でもそう記されているのですが、これは一般的な決算の書類で使用される用語です。「国庫支出金」や「投資的経費」と言われても、なかなかイメージがつかみにくいと思いますが、「親からの仕送り」や「家財などの購入など」と置き換えられると分かりやすくなります。
決算の記事は特に正確を期するために、どうしても固い表現で説明されがちですが、鷹栖町の広報誌にあるような工夫がされると、より理解が促進されるように思います。
- [筆者]東京工業大学環境・社会理工学院研究員/本田正美
- [参考]広報たかす 令和元年11月号
- 関連記事
- 鷹栖町の人口・財政・選挙・議員報酬
- 国の借金が増えたのは「政治家の努力が足らなかったから」50.9%―18歳意識調査
- 自治体の「稼ぐ」姿勢は広告事業に現れる―財源確保と地域の自立
- 「SIMとよはし2030」を財政健全化に活用~伝え方の工夫で受け手側の行動が変わる
- 【三芳町長 林伊佐雄 #1】町の財政状況を住民と共有