[鹿児島・霧島市]SNS全盛の今だからこそ! 霧島市みんなで「交換日記」の試み (2018/1/15 マイ広報紙)
この記事は「広報きりしま 2018年1月10日号『The Kirishima Times きりしまタイムズ(褒め合う交換日記スタート)』」を紹介し、コメントしたものです。
鹿児島県霧島市の広報紙『広報きりしま 2018年1月10日号』に、「褒め合う交換日記スタート」の記事を見つけました。
この「交換日記」は、「霧島市の褒めたい人・モノ・コト」などを書いて誰かに渡す…というルールで、リレー方式でおこなわれるもの。霧島市を愛する人なら誰もが参加可能で、人から人へと手渡されていくことで、たくさんの「褒めたい人・モノ・コト」のストーリーが集まる仕組みです。霧島市では、かねてから「褒め合うまち」をコンセプトにしたプロモーション事業「キリシマイスター」を展開しており、この「交換日記」はその一環。日記帳は、1,600冊用意されたといいます。
このリレー形式の「交換日記」の話を聞いて思い出したのが、昔、テレビ番組でおこなわれていた、出演者が自ら友だちに電話をかけて次回の出演者を紹介していく…という企画。「友だちの友だちは、みんな友だち!」というこの企画のキャッチフレーズに、ずっと続けていくと地球上のみんなが友だちになれそうだ…と、子ども心をときめかせたことを覚えています。
近年は、SNSの登場で、かの番組が放送されていたときより、人と繋がることはとても簡単になりました。しかし一方で、SNSが匿名であることを利用して人を傷つける言葉を書き連ね、炎上したなどという話もしばしば耳にします。「交換日記」は、手渡すのですから、少なくとも前後の人には誰だかわかることになります。またSNSは、自分を中心とした繋がりであるのに対し、「交換日記」は上記のテレビ番組のように輪のようにつながっていきます。この「交換日記」は、身近な人に対して面と向かって褒める気持ちを伝え、輪をつくっていくという、SNSとは真逆をいく試みといえるかもしれません。
さて、SNS時代によみがえった「交換日記」。この1600冊の「交換日記」は、どのような友だちの輪となり、そこにどのようなストーリーが書かれていくのでしょうか。霧島市民でなくても、わくわくしてしまいます。
ところで、ここまで書いて思い出したことがあります。小学校のとき、私も友だちと何度となくトライした交換日記。いつも私のところで止まってしまっていたような…。どうかこの「交換日記」は、きれいに輪をつなぎ、すてきなストーリーとともに霧島市の担当者に届きますよう、願っています。
- [筆者]「子供のお金教育を考える会」代表、文部科学省消費者教育アドバイザー、神奈川県消費生活審議会委員、経済教育学会理事 あんびるえつこ
- [参考]広報きりしま 2018年1月10日号
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