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[和歌山・上富田町]地域に発信する子どもたちの姿が伝わる紙面 (2017/2/13 あんびるえつこ)

この記事は「広報かみとんだ 平成29年2月号『図書館にあるよ』 『新春子ども議会を開きました』 『子どもの目』」を紹介し、コメントしたものです。

◇        ◇

私の本業は、消費者教育です。文部科学省の消費者教育アドバイザーとして、全国の自治体に出向き、消費者教育の推進方法についてアドバイスすることも仕事の一つ。そこでいつも触れているのは、子どもたちには学んだことを発信する力があるということ。そしてそれが地域の力になるということです。

北欧など消費者教育の盛んなところでは、子どもたちが消費者教育で学んだこと―例えばインターネットショッピングの落とし穴など―を、地域の公民館などで、今度は「先生」としてお年寄りなどにレクチャーするといったことが行われています。子どもたちが自ら取材し、学んだことを、地域に発信する。こうした活動は、地域の人にとっては新しいことを学ぶ機会となり、また同時に子どもたちにとっては社会にコミットする貴重な経験が得られる…というわけです。

和歌山県西牟婁郡上富田町の広報紙『広報かみとんだ 平成29年2月号』には、そのような子どもたちの「発信」が伺える記事をいくつも見つけることができて、思わずうれしくなってしまいました。

例えば、「図書館にあるよ」のコーナーでは、図書館に職業体験学習にきた高校生のおすすめの本が紹介されていました。また「新春子ども議会を開きました」の記事では、小学生議員が実際に提案したことが、きちんと報じられていました。「Wi-Fiスポットの設置」などは、今どきの子どもらしさが伝わってきます。「子どもの目」のコーナーで紹介されていた小学2年生の俳句は、大人顔負けの力作。おじいちゃんおばあちゃん世代の愛好家にも、大いに刺激になりそうです。

たとえ、小さな記事であっても、自分の発信したことが公になることは、子どもたちにとって自らが有用であるという自信が得られる貴重な機会になります。今ではSNSなどでいくらでも自分自身を発信する機会があるのですが、「広報紙」という公の紙媒体で活字になる…という経験は、また特別な意味をもつのではないかと思います。「広報紙」は情報を伝えるだけでなく、地域の子どもたちを育てる、という役割もあるのかもしれません。『広報かみとんだ 平成29年2月号』を読んで、また一つ、広報紙の可能性を見つけた思いでした。

上富田町の子どもたちは、きっと「私が載っているよ」などと言いながら、うれしそうにこの広報紙を手に取るのでしょうね。なんだか心がほっこりしてきました。

  • [筆者]「子供のお金教育を考える会」代表、文部科学省消費者教育アドバイザー、神奈川県消費生活審議会委員、経済教育学会理事 あんびるえつこ
  • [参考]広報かみとんだ 平成29年2月号

提供:マイ広報紙

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